はやぶさ2、カプセル12月6日投下/本体は次の探査に出発


宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月14日、小惑星探査機はやぶさ2の再突入カプセル地球帰還日が12月6日(日本時間、現地時間)になると発表した。

着陸場所は、初代はやぶさと同じくオーストラリア・ウーメラを予定している。

地球に接近するはやぶさ2(イメージ)=JAXA提供

地球に接近するはやぶさ2(イメージ)=JAXA提供



はやぶさ2は、2019年11月13日に小惑星リュウグウを出発し、地球への帰還軌道に入っている。20年7月14日現在の地球からの距離は9200万㌔、リュウグウからの距離は404万㌔。打ち上げ以来の総飛行距離は49・2億㌔で、残り3・2億㌔で、順調に飛行しているという。

5月12日以来、イオンエンジンの加速運転が続いており、9月中旬ごろまで続く。10月以降は最終誘導フェーズとして、ウーメラへと正確にカプセルを届けるための精密な軌道調整を実施。調整が終わるとカプセルを切り離し、地球に降下する。

ウーメラへの帰還のためには、宇宙物体のオーストラリアへの着陸許可が必要。JAXAはこの許可を取得するため、オーストラリア宇宙庁と協力して確認作業を進めており、同日「申請はオーストラリアの宇宙活動法に基づき承認される予定である」との両機関の共同声明が発表された。

再突入カプセルは高度約200㌔、速度およそ秒速12㌔で大気圏に再突入し、高度約10㌔で大気圏再突入時の熱からカプセル本体を守る部品「ヒートシールド」を分離。その後は電波でビーコン信号を発信しながらパラシュートでゆっくりと降下、着陸する。ビーコンは着陸後も発信され、カプセル探索の手がかりとなる。

回収チームは、カプセルの再突入時に大気との摩擦熱で生じる火球を観測し、パラシュート降下中にマリンレーダーとビーコンを用いて落下方向を追跡。着地後はビーコン信号を頼りにヘリコプターでカプセルを探し当て、最後は目視確認して回収する。ドローンによる探索も検討している。

回収されたカプセルは安全化処理を施し、サンプルからのガス採取や簡易解析を行った後、日本に輸送される。最終的には相模原市中央区由野台のJAXA相模原キャンパスにある専用設備で開封され、サンプル分析が行われる。

カプセル分離後の「はやぶさ2」本体は軌道変更を行い、次の探査対象に向けて再び地球を離れる。初代はやぶさと異なり、今回はカプセルだけの地球帰還となる予定だ。

【相模経済新聞8月1日号掲載】

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