静科、発明大賞本賞を受賞/開発者武氏の功績称え


表彰状を受ける開発者の武室長=都内

表彰状を受ける開発者の武室長=都内

 防音パネルを製造・販売する静科(厚木市金田)はこのほど、第40回発明大賞(主催・日本発明振興協会など)で「発明大賞本賞」に選ばれた。
 受賞した「吸音性に優れた通気性サンドイッチパネル」(開発者・武紘一経営企画室室長)は、吸音性の発泡樹脂で満たしたハニカム(ハチの巣状)材を、吸音面材と遮音面材で挟んで一体化したもの。60ヘルツ~10キロヘルツまでの広い周波数帯で吸音・遮音性に優れる。
 特徴的な工夫は、通気性を損なわないように、ハニカム材の端面だけに水溶性の接着剤を塗布した点。発泡樹脂の吸水力を利用し、接着剤の水分を吸い上げて硬化させる手法を用いた。
 パネルは、重さが1平方メートル当たり8キログラム、厚さが33ミリメートルと軽量で薄い。電動工具で自在に加工できるため、高速道路や工場の防音壁から一般住宅まで、幅広い実績を持つ。
 同賞は、発明考案で産業の発展と国民生活の向上に貢献した、資本金10億円以下の中堅・中小企業などに贈られる。
 3月17日に都内で、同賞40周年の記念式典を兼ねた表彰式が行われた。
 高橋俊二代表取締役は「受賞に恥じないよう、日々の業務に励む。さらなる技術力の向上に注力したい」とコメントした。    (芹澤 康成/2015年4月10日号掲載)

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