静科、インフラ工事に期待/遮音パネルに「放熱機能」


放熱機能を追加した吸音・遮音パネル

放熱機能を追加した吸音・遮音パネル


 防音パネルを製造・販売する静科(厚木市金田)はこのほど、放熱機能を追加した吸音・遮音パネル=写真=を開発した。インフラ工事の増加を見越し、今月から製造・販売を本格化する。
 新製品の「一人静タイプD」は、心材を従来の特殊処理ハニカムから、熱伝導性の高いアルミハニカムへ変更。従来品の一人静Aタイプと同等の吸音・遮音性能を保ちながら、放熱性も高めている。
 同製品は、国交省の不燃認定も取得。耐腐食性や耐水性も合わせ持ち、屋外での使用も可能。
 従来の「一人静」は、樹脂含浸ペーパーのハニカム材にフェノール樹脂の発泡剤を充てんし、内面をアルミ繊維、外面をアルミ板ではさんだ構造。断熱性能が高く熱がこもってしまうため、稼働時に発熱する機械類の防音に適合しにくかった。
 同社はDタイプを、16~18日まで中央大学後楽園キャンパス(東京都文京区)で開かれる「2015年日本音響学会春季研究発表会」に出展。初のデモンストレーションを行った。
 「一人静」シリーズは、騒音対策として工場や工事現場の壁に設置するなどして活用されている。国交省のNETIS(新技術情報提供システム)にも、「遮音壁用ハニカム構造対候パネル」として登録。圏央道など高速道路のつなぎ目に、騒音対策として採用された。
 営業部の植木喜彦さんは「東京五輪やリニア建設など、インフラ工事が増える。製造業や建設業の需要増大を見込んでいる」と期待感を示した。 
(2015年3月20日号掲載)

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