権田金属、不燃性合金を建材に/アサヒサンコーと開発


 伸銅品・マグネシウム圧延メーカーの権田金属工業(相模原市中央区宮下)は、アサヒサンコー(同市緑区二本松)と共同で、不燃性マグネシウム合金を使用したエキスパンション・ジョイントを開発。町田市立鶴川中の格技室補修工事などに採用された。(芹澤 康成/2015年3月1日号掲載)
 エキスパンション・ジョイントは、構造物相互を留め具などで固定せずに接続する方法。熱膨張や収縮、地震などによる振動に対し、構造物に力を伝えないようにする継目となる建材。東日本大震災で吊天井の崩落被害が発生し、14年4月から建築基準法39条が改正された。これを受けて、3年程前からアルミよりも軽量で強度もあるマグネシウム合金を使った、釣天井用のエキスパンション・ジョイントの開発を進めてきた。
 素材のマグネシウム合金は、権田金属工業がAZ61をベースに開発したAZX612(アルミニウム6%、亜鉛1%、カルシウム2%)。表面塗装用の塗料や押さえ金具、ばねなども開発。加工性・耐食性・強度に優れることが特徴だ。
 2013年11月に国土交通省の不燃認定を取得。また、実用化に際して必要な強度も14年11月、圧縮試験と変位追従試験で確認した。
 新たに開発したエキスパンション・ジョイントは、地震など振動対策に有効であるため、吊天井の落下対策への採用が見込まれる。また、不燃マグネシウム合金は天井材のほか、多用途な建築材への使用を検討しているという。

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