3賞受賞の谷津建設、湘南港のヨットハウス建築工事/3Dプリンターで模型製作


建築工事を担当した湘南港ヨットハウス

建築工事を担当した湘南港ヨットハウス

1日でコンクリートを打つ難工事

1日でコンクリートを打つ難工事


 神奈川建築コンクールの一般建築部門で優秀賞を受賞した湘南港港湾管理事務所(湘南港ヨットハウス)の建築工事を担当した谷津建設(相模原市中央区東淵野辺)が同賞のほか、県建設業協会賞と県建築士会賞も受賞した。 
(芹澤 康成/2015年1月10日号掲載)

 同工事は特徴的な波型の自由曲面の屋根を実現するため、極めて高度な技術が必要とされた。また、建設地が海に面していたため、激しい風雨で工事がたびたび中止になるなど、厳しい施工条件で行われた。
 複雑な形状を持つ曲面を施工するため、綿密な計画を練る必要があった。そこで、同社が採用したのが、「3Dプリンター」を使用した精密模型の製作だった。
 立体的な模型は、足場や型枠、支保などの組み方を入念に検討でき、図面だけでは認識できない情報も把握できた。模型は、同市内企業で自動車モデル製作などを手掛ける湘南デザイン(緑区橋本台)が担当した。まさに製造業と建設業を結ぶ、3Dプリンターの新たな可能性を示す事例となった。
 自由曲面の屋根は、厚さ300ミリメートルの鉄筋コンクリート(RC)を細い鉄骨柱で支え、水平力はRCの耐震コアが受け持つ構造。潮風を考慮して、塩害に強い高強度コンクリートがかぶり厚50ミリメートル覆う。

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