淵野辺本町のブルーム、生コンの品質を客観評価/打設前に採取し強度不足未然に防ぐ


愛知産業

町田試験室に設けられた圧縮強度の試験機

町田試験室に設けられた圧縮強度の試験機



コンクリート技術サービスのブルーム(相模原市中央区淵野辺本町3)は、町田市忠生の住宅街に町田試験室を設け、コンクリートの品質を客観的に評価する業務を手掛けている。遠藤優社長は「コンクリートは社会基盤の整備に不可欠な重要な材料。品質検査はその材料を検査し、規格通りのものか調べる大切な役割だ」とアピールする。【2022年11月20日号掲載】
同社は2016年に創業し、従業員数約60人を抱える。官庁や高速道路運営管理会社、大手ゼネコンをはじめ、コンクリートを扱う商社やメーカーなど関東・東海圏内の約250件からの検査依頼を受注している。

品質検査のおおまかな手順は、朝に建設現場に運び込まれる生コンクリート(生コン)を打設前に採取し、その場で流動性や含有空気量、塩分などの検査を行う。生コンを直径10㌢、高さ20㌢の円柱状の型に詰め、試験室に持ち帰る。4週間(28日間)で完全に硬化させた後、押しつぶされる力にどれだけ耐えられるかを計る「圧縮強度試験」にかける。

遠藤社長は「近年、地震などの災害から建設物の安全性を確保するため、構造体や建築物に使用される建設材料の検査、試験は特に重要視されている」と説明している。

コンクリートは、セメントに水、骨材(砂利や砂)、混和剤などを混ぜたもので、JIS(日本産業規格)で種類ごとに流動性や呼び強度(荷卸し地点での保証強度)、粗骨材の大きさなどが定められている。含有空気(気泡)は自然と抜けていくが、多いと圧縮強度、少ないと耐久力がそれぞれ下がる。

固まる前のコンクリート「生コンクリート」は、文字通り生ものでセメントに水を加えた時点で化学反応(硬化)が始まり、運搬中や施工中にも進む。工場は当日の気温や湿度、現場までの運搬時間などを踏まえて製造するが、施工直前の生コンが基準を満たしているかを判断する。

流動性があれば型枠(コンクリートを流し込み成型するための枠)の隅々まで早く流し込むことができる。作業時間が短縮できるため現場では好まれるが、水分量が多なるので硬化後の強度が下がってしまう。

背景には「夏季の猛暑に挙げられる環境の変化のほか、高齢化や労働力不足などの社会的課題もある」と指摘。遠藤社長は「スタッフの雇用・育成に重きを置き人材を広く求め、多岐に渡り活躍できる人材育成に取り組む。安全で安心した暮らしへ貢献するため、安全管理、品質管理を一層強化する」と話した。

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