県津久井治水C、境川に新たな遊水地完成/下流域の浸水被害軽減・防止図る


県厚木土木事務所津久井治水センターは3月30日、二級河川境川の風間遊水地の本体工事が相模原市緑区に完成したことを発表した。豪雨時に洪水の一部を貯留し、下流へ流れる水量を低減させることが可能となり、遊水地下流の浸水被害の防止・軽減が図られる。【2022年4月1日号】

境川は、相模原市緑区の城山湖付近に水源があり、東京都町田市との都県境や大和市、横浜市、藤沢市を流下し、相模湾に注ぐ、流域面積211平方㌔、延長約52㌔の二級河川。県と東京都が区間を定めて、管理しており、現在、1時間に概ね60㍉の降雨に対応できるよう、河道や遊水地等の整備を進めている。

風間遊水地 風間遊水地は、町田街道(都道八王子町田線)の法政大学入口交差点近くに位置する風戸橋の下流右岸側に整備した。面積約1㌶、貯水容量約2万立方㍍の越流堤の遊水地。県管理区間の同区川尻で11年度から整備に着手し、このほど本体工事が終了した。

越流堤は増えた川の水を流入させるため、あえて堤防の高さを一部低くした堤防。遊水地の貯めた水は雨が止んで境川の水位が低下したときに下流側の排水ゲートを開き、自然に水を排出する仕組みとなっている。

県内にはこのほかに、藤沢市内に俣野遊水地、下飯田遊水地、今田遊水地の3つがあり、風間遊水地と合わせて106万立方㍍の貯水量。さらに都南多摩東部建設事務所は町田市内の木曽東調節池(4・9万立方㍍)を25年度内、金森調節池(15・1万立方㍍)を26年3月末に完成させる予定で工事を進めている。

19年10月の東日本台風では、境川流域に設定された相模大野雨量観測所で連続雨量323㍉を観測した。県内3遊水地で小学校25㍍プール約2560杯分に相当する約96万立方㍍を貯留。遊水地下流の大清水橋地点では、約24㌢の水位を低減させる効果があったものと推測。風間遊水地の完成でさらなる水位低減効果を期待している。

境川沿いの自治会関係者は「床下浸水になる家もあり、台風や大雨に怯えている住民は多い。近年は突発的な豪雨も頻発化しており、県や都には整備を積極的に進めてもらいたい」と話した。

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