▽鎌倉の病院で感染対策ロボを実証/県内医療機関への導入も検討へ


新型コロナウイルスの感染対策や医療従事者の負担軽減を目的としたロボットが、2021年12月に湘南鎌倉総合病院(鎌倉市岡本)で報道向けに公開された。神奈川県の事業の一環。県は実証した結果を踏まえ、ほかの医療機関などへの導入も検討していく。

県は同年4月、生活支援ロボットなどの実証実験に積極的に取り組む施設として、同病院を選定した。ロボットを用いた実証実験などのノウハウを持つNTTデータ経営研究所が「課題解決事業者」として募集。施設への導入を目指して本格的に実証を行う6件、将来的な導入の可能性を確認する簡易検証を行う3件の運用テストを実施している。

事業にあたっては、事前に病院職員にアンケートを実施し、医療機関で何が起きているのか、どのような課題があるのかニーズを抽出。比較的回答が多かったロボットでもできる雑務、「案内」「搬送・移動支援」「清掃」の3点に課題を絞ってロボットを募集。入退院の案内や検査説明を行うロボットや、患者を目的の場所まで誘導する院内案内ロボット、医薬品や機材を運ぶ重量物搬送ロボットなどを院内に配置した。

篠崎伸明病院長は「現場からの意見を取り入れてもらうことで機能が充実している。医療は他分野とのつながりが薄いので、産業と連携するきっかけにもなる」と期待感を示す。

説明ロボ 大塚商会の「入退院案内ロボット」は患者の名前を音声で入力すると、入院する病床や応接室などまで移動。患者本人や家族などに入退院に必要な情報、検査の内容などを音声と動画で説明する。

説明ロボットを導入している内科病棟の看護師は「ロボットの導入に抵抗はなく、後輩のようにかわいがっている。入院説明に10分以上かかるので、ロボットが説明している間にほかの患者さんの対応ができる」と話していた。

搬送ロボ カンタム・ウシカタ(横浜市都筑区)が提案する重量物運搬ロボットは100㌔ほどの積載能力があり、上位機種の500㌔、1トンタイプは県内の物流施設や製造工場でも導入実績がある。関係者は「この実証を機に医療など他分野にも提案していきたい」と意気込む。

県は「さがみロボット産業特区」制度などでロボット産業の集積を図ってきた。新型感染症の拡大を非接触や自動化などの需要拡大の好機と捉えており、医療機関や介護施設などにおけるロボット導入のモデルケースの創出につなげたい考え。

【2022年1月20日号掲載】

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