接種遅れる若者の感染率14倍/コロナ感染者の年代別割合、相模原市まとめ


【1面特ダネ】ワクチン接種 新型コロナウイルスの新規感染者数(陽性者数)が8月、東京都内で過去最多の5000人を超えるなどいわゆる「第5派」が猛威を振るう中、6月から8月末までの相模原市内の「コロナ感染者数の年代別の割合」が明らかになった。感染者数は70代以上が2.9%に対し、10、20代が40.8%で若い世代が感染者全体に占める割合が高齢者の約14倍の高い割合になっていたことが、相模原市保健所感染対策課の調査で分かった。

同課は9月、6月1日現在の市内の累積年代別感染数と8月31日現在の累積年代別感染数の差を、合計累積感染者数の差で割ることで、6月から8月の市内の年代別感染数の割合を算出した。「6月から8月の市内の年代別感染者の割合」は、ワクチン接種が進んだ70代以上は2.9%、10、20代は40.8%で若い世代は高齢者の約14倍と9月15日付の「広報さがみはら」に公表して市民に注意喚起を促していた。

同調査結果を基に相模経済新聞社はデータ分析を行い、「6月から8月に発症した市内の感染者(合計6059人)のすべての年代別の割合」を解析した=別表=。

首都圏で感染者数増加の猛威を振るった「第5派」の最中でも、6月から8月の市内の年代別感染者数の割合は、100歳以上が1人で0.02%(少数第3位四捨五入・以下同)。90代は0.16%。80代は0.97%。70代は1.72%。合計しても70代以上は2.9%。60代を足したとしても感染者数全体の6.55%に過ぎなかった。

同市では、7月末までに65歳以上への希望者へのワクチン接種をほぼ完了させており、接種が進んだ高齢者世代は感染割合が少ない傾向であることがデータからも明らかとなった。

一方で、感染割合が高かったのが、接種がいまだ十分に進んでいない20代が27.99%で最も高く、次いで40代の17.78%、30代の15.91%と続いた。10代から50代の割合を合計すると感染者数集全体の88.43%を占めた。市では、12歳以上への希望者への接種を、11月末を目標に完了させたい考えだ。

県の12〜64歳の2回目接種率は同16日時点で34.8%。ワクチン接種が感染割合の主因とは言えないまでも、接種率が感染割合に影響を与えている結果が浮き彫りとなった。

市内で個別接種を行うクリニックの医院長は本紙の取材に「若い世代でも重症化するケースが増加している。副反応もあるが、接種しない選択より、接種した場合のメリットの方が大きいことを説明して勧めている」と話した。

同課は若い世代も重症化や後遺症のリスクがあるとして、ワクチン接種の有無に関わらず、これまでの感染予防の徹底を市民に呼び掛けている。

【2021年9月21日号】

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。