県の17年度予算案、前年度比3・7%減/一般会計1兆9402億円


相模湖漕艇場(相模原市緑区与瀬)

相模湖漕艇場(相模原市緑区与瀬)

 県はこのほど、2017年度の当初予算案を発表した。一般会計の総額は過去最大だった16年度当初予算に比べて3・7%減の約1兆9402億円となった。20年開催の東京五輪・パラリンピックに向けて、相模原市緑区与瀬の相模湖漕艇場の再整備事業を新たに盛り込んだ。

 一般会計の歳入では、県税収入が前年度比115億円減の1兆2432億円。法人実効税率引き下げが影響し、法人事業税が74億円減少すると見込まれる。

 県債の新規発行額は、同80億円減の1885億円。残高は3年連続の減少となるが、依然として3兆5427億円、県民1人当たり約38万7千円の債務が残る。

 地方交付税・臨時財政対策債総額が320億円の減に加えて、給与改定の影響や国予算への対応などで、財源不足額は880億円に拡大。事業と補助金の見直しによる120億円と不動産売り払い収入の増による70億円のほか、財政調整基金を180億円取り崩すことで均衡を保った。

 歳出のうち人件費や福祉関連費など「義務的経費」は、これまで県が負担していた政令市の教職員給与が各市の負担に変更されたことなどで、同2・8%減の1兆6169億円。一方、「施策的経費」が同7・6%減の323億円となり、全体の16・7%を占めた。

 新規事業では、東京2020五輪・パラリンピックの事前キャンプ誘致では4406万円を充て、前東京大会でカヌー競技会場となった相模湖漕艇場を核としたスポーツ・観光拠点づくりに取り組む。2キロメートルコース設置に向けた事前調査や浮き桟橋改修、そのほか必要な設備を整備する。

 また、昨年7月に障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区千木良)で発生した殺傷事件を受け、約2億円の予算を障がい者の社会への参加を妨げる偏見や差別の排除に取り組むとともに、事件の再発防止に向けた対策を推進。同施設の再生に向けて2095万円を確保し、除去工事の実施設計や各種調査などを行う。

 ロボット分野では、2億9700万円を注入し、実用化や導入・普及などを促進する取り組みを推進する。旧新磯高校(相模原市南区新戸)の建築設備を改修し、プレ実証フィールドとして本格的に運用する。

 リニア中央新幹線の県内駅整備に伴う相原高校の移転では19億2123万円を計上し、校舎などの新築工事などを行う。早ければ19年に、職業能力開発総合大学跡地へ移転する予定。
(2017年2月20日号掲載)

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