相模原白門会、世界の経済情勢を紹介/中央大教授招き講演開く


講壇に立つ中條教授

講壇に立つ中條教授

 中央大学OB・OGの親睦団体「相模原白門会」は6月25日、相模原市産業会館で総会記念講演を開いた。英国の欧州連合(EU)離脱やアベノミクスのあり方など交えて、最新の世界情勢を説明した。

 講師は、中央大学経済学部の中條誠一教授(1971年卒)。「通貨がわかれば、世界が読める」と題し、通貨の流通の仕組みや世界経済の見方をわかりやすく説明した。

 英国のEU離脱については「経済的な損得で考えると、離脱せず留まるべきだった」とする一方で、「治安の悪化や職を奪われる不安、社会保障の負担増への不満が積もりに積もって爆発したのだろう」と推察する。

 中條教授は「英国と同様の問題がEU各国に噴出する」と予測する。「移民は仏や独など既得権益が高い国へ移動する。人の移動に制限をかけなければ、EUを離脱する国が現れ続ける」と持論を展開する。

 EUは「人・もの・金」などが国境なく自由に移動できるのが理念。「ものや金の移動が自由なのは経済にとって非常に優位だ。しかし、人はものや金と違い感情がある」と強調した。

 中條教授は、14年度の経済成長率がマイナス0・9%だったことを上げ、「消費税増税の中では健闘した。アベノミクスはここまで成功だ」と評価した。最大の成功要因について、「円高・デフレムードを脱却でき、円高是正から円安へと転換できたこと」と話した。
(2016年7月10日号掲載)

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