日産が新技術、「サトウキビ」で走行/エタノールから水素発生へ


01-2men 日産自動車(横浜市西区)はこのほど、バイオエタノールから発電した電気で走行する新燃料電池システム「e―バイオ・フューエル・セル」を公表した。サトウキビから作るエタノールで二酸化炭素(CO²)排出量が実質ゼロで、水素ステーションなどインフラ整備が不要となる。

 新システムは「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」と呼ばれ、バイオエタノールで発電する装置を搭載する。自動車の動力源として採用するのは、同社が世界で初めて。エタノールのほか、天然ガスなど酸素と反応する多様な燃料が利用できる。

 仕組みは、車両のタンクに補給されたバイオエタノール(100%エタノール、またはエタノール45%の混合水)をSOFCに送り、熱で水素とCO²に分離。水素をSOFCで空気中の酸素と反応させてエネルギーを得る。

 発電した電力は車載するリチウムイオン電池に供給され、モーターを駆動させる。SOFCの発電効率は高く、ガソリン車と同等の航続距離(600キロメートル以上)の走行が可能になるという。
(2016年7月1日号掲載)

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