大和、「朝鮮通信使」に学ぶ/日韓交流50周年を記念


日韓交流の歴史を語るキム氏

日韓交流の歴史を語るキム氏

 神奈川県央日韓親善協会は、2月14日に大和商工会議所(大和市中央)で、国交正常化50周年を記念した市民講演会を開催。駐横浜韓国総領事館のイ・スジョン総領事らが出席したほか、日韓両国籍を持つ市民120人も参加した。
 橋本日吉会長は「日韓関係は冷え込んでいるが、国民一人ひとりの交流を絶やさないことが大切だ。交流の歴史を学ぶことで、極東アジアの安定を目指したい」とあいさつ。
 基本講演は、比較文化学者のキム・ヤンキ氏が講師を務め「日韓交流の始祖朝鮮通信使に学ぶ、そして更なる交流と相互理解を目指して!」をテーマに話した。
 朝鮮通信使は、室町~江戸時代まで続いた李氏朝鮮から派遣された外交使節団。豊臣秀吉の朝鮮出兵で途絶えたが、徳川家康が関係修復を求めて派遣を打診。以後、1607年から1811年まで約400年の間、12回に渡って続いた。
 最初の2回は、朝鮮出兵における朝鮮人捕虜の返還も兼ねていた。しかし、朝鮮王朝で身分の低かった陶工ら技術者は帰還を拒み、日本の陶芸技術に大きな影響も与えた。
 また、朝鮮王朝は儒教を重んじる国であり、科挙を経てきた官僚が通信使に含まれていた。藤原惺窩や林羅山をはじめ、日本の儒学者は通信使と交流を持ち、意見を交換させたという。
 キム氏は、日韓両国の食文化を例に挙げ、「韓国のキムチは、唐辛子を使った漬物だ。日本でも漬物に唐辛子をかけて食べる人がいる。それほど文化に大きな違いがあるわけではない」と話し、会場を和ませた。
 大和市内に住む在日朝鮮・韓国人は、2013年現在で約870人。中国人の約1200人に次いで多いという。 (2015年3月1日号掲載)

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