カービューティーパーク、ポリマー加工の伝道師/原動力は「顧客の笑顔」


オープン間近の厚木店を紹介する山本社長

オープン間近の厚木店を紹介する山本社長


 ポリマー加工や洗車などの自動車の総合アフターメンテナンスを手掛ける、カービューティーパーク(相模原中央区下九沢)。昨年度決算も増収増益と業績は好調だ。創業者の山本忠典社長(49)は高校卒業後、銀行マンとして働いたが、学歴社会や銀行の体質に嫌気がさし、独立を模索していた。そんな時に出会ったのが、ポリマー加工だった。新車のように磨かれたボディーに惹かれ、独立を決意。安定したサラリーマン生活を捨て、新たな道へと足を踏み出した。    (船木 正尋/2014年5月1日号掲載)

 ■元銀行マン

 山本社長は、相模原出身。家は飲食店を経営していたが、経済状況は厳しかった。
 中学時代は成績優秀で、市内の進学校にも進めるほどだった。
 しかし、家計のことを考え、就職が有利な横浜市内の商業高校に。
 山本社長は「家計が苦しかったので、高校卒業後は就職を希望していました」と当時を振り返る。
 高校時代はラグビー部に所属し、汗を流した。さら勉学にも妥協せず打ち込んだ。文武両道に励んだ山本社長は、銀行に就職した。
 「安定した収入を得られるような会社に就職したかったんです。それで銀行を選ぶことにしたんです」
 入行後は、都内を中心に営業を始め、がむしゃらに働いた。山本社長の人懐っこい性格もあってか、評判も良く、営業成績も伸びていった。
 だが、銀行に入って5年目の22歳のとき、学歴社会の現実を目の当たりにする。新卒に比べ、給料がほとんど変わらなかったのだ。高卒の生え抜きとして、それなりに業績を上げているにも関わらず、だ。
 「あの時は本当に悔しかったですね。どんなに成績を伸ばしても大卒の社員には給料の額は追いつけませんから」

 ■開業を模索

 だったら何か商売を始めようと、銀行マンの傍ら、独立開業できるような商売を探し始めたのだ。1988年のことだ。
 「銀行員でしたから、色々な情報を得ることができました。当時では珍しかったレンタルビデオ屋でもやろうかと思った時期もありましたよ」
 そんな時、山本社長は営業の帰り道に「ポリマー加工」という見慣れない看板をみかけた。
 その看板に惹きつかれるように、店内に入った。車好きでもあった山本社長は興味津々。その会社の店主からは「ポリマー加工と言って、車のボディーを新車のように甦らせるんだよ」と言われた。
 値段は1回3万円だったが、店主から「1万円でいいよ。日曜日に車を持ってこいよ」と。
 山本社長は「どうなるのか楽しみだったのでお願いしました」と話す。 翌日、愛車を持っていき、ポリマー加工を施してもらった。車は新車のように輝いていた。
 「本当に驚きました。新車同様でしたからね。これを見た瞬間、『この仕事をしてみたい』と思いましたね」と山本社長。
 その後、銀行マンの特権を生かし、ポリマー加工業界の市場調査を行った。取り寄せたデータを見たが、そんなに大きな業界ではなかったのだ。
 山本社長は「この業界は必ず伸びると思いましたね。この市場調査の結果を見て独立を決意しました」と語る。
 その後、大手自動車ディーラーで整備工をしていた山本社長の弟をポリマー加工の学校に通わせた。そして25歳の時に、相模原で独立。小さな倉庫からの開業だった。

 ■新車同様に

 最初の数年間はきつかった。営業に行っても、「こんな高いのは無理だよ」と言われた。だが、大手自動車ディーラーに営業に行った時だった。山本社長は、担当者に「新車のような輝きになりますよ。無料でポリマー加工をさせてください」と提案した。
 担当者から了解を得て、中古車にポリマー加工を施した。翌日、ディーラーの所に持っていくと、担当者は目を丸くして驚いた。「新車に生まれ変わったね」と。それから契約がまとまった。
 その後、ポリマー加工の噂は広がり、その他のディーラーからも問い合わせが殺到し、業績も上がった。「業績が上がらず何度、会社を閉めようと思った。でも、やり続ければ花は開くと信じていました」と語る山本社長。業績も順調に伸び、手狭になった本社を何度か移転し、2012年に現在の場所に移った。

 ■新たな夢を

 現在は、静岡・浜松や千葉・幕張などに支店を置くようにまでなった。ポリマー加工だけはなく洗車、車検も手掛けている。
 現状に満足しない山本社長は、新たな夢を見つけた。19年度までに全国直営店100店舗、フランチャイズ(FC)500店舗、そして株式上場も。5月には、厚木店もオープン。
 山本社長は「全国の方々にポリマー加工や板金塗装を提案していきます。顧客の笑顔が仕事の原動力ですから」と笑顔で語る。
 新たな夢を見つけた山本社長は、様々な経験で磨かれた経営者としての信念を胸に、カービューティーパークの良さを全国各地へ伝えていく。

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