生活支援ロボットの実用化を目指す「さがみロボット産業特区」内で、県とメーカーなどによる実証実験が相次ぎ始まっている。自動車の自動運転システムやパワーアシストハンドといった次世代技術を特区内で検証。今後の実用化に向けて弾みをつけている。(船木正尋、千葉龍太/2013年12月10日号掲載)
日産自動車は11月25日、電気自動車「リーフ」をベースにした実験車両を走行させた。
実証するのは、日産が開発を進めている「自動走行技術自動車」。同車両は、周辺の道路状況を検知し、ハンドル、ブレーキなどを自動的に制御する自動運転技術を搭載している。公道走行は初めてだ。
寒川町の「さがみ縦貫道路」を舞台に、自動運転モードで3・2キロメートルを走った。途中、車両を追い抜き、元の斜線に戻る機能なども検証した。日産では、2020年の販売を目指している。
10月には、県内の介護施設で、富士ソフト(横浜市中区)のコミュニケーションパートナーロボット「PALRO(パルロ)」の実証実験も行われた。
厚木市内でも、新たな実証実験が実施された。企業などで構成される有限事業組合「LLPアトムプロジェクト」(同市妻田西)が実施した。
同プロジェクトは、県内2カ所のリハビリテーション施設の患者を対象に、手首の動きをアシストするリハビリ支援ロボット「パワーアシストハンド」を検証。脳卒中や脳梗塞で手に麻痺が残る患者8人に、ハンドの実用性を調べた。患者らが同製品を使用し、装着感や性能などを評価した。