東京都町田市周辺に飲食店を持つ企業10社が2024年2月、共同出資して「武相ブリュワリー」を立ち上げた。町田発の地産クラフトビールを開発し、町田駅前にクラフトビールを楽しめる店舗を同年8月にオープンする。町田市の名産品として地元を盛り上げたいとの思いがあり、現在、ビールの名前を一般公募している。同社によると、地域の飲食店が共につくり上げるクラフトビールは日本初ではないかという。【2024年4月1日号掲載
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きっかけは飲食店がコロナ禍により大きな打撃を受けたことだった。「まちの中で需要を奪い合うのではなく、同じまちを盛り上げ共に繫栄したい」との共通の思いで、地元企業10社が集まった。「大切なことはまちの魅力を高め、より町田の魅力を共につくり出すこと、ピンチな時こそ飲食店同士でつながり、この地域の食文化を高めたい」との考えに至ったという。
総務省の地域密着型の起業や新規事業を支援する「ローカル10000プロジェクト」を町田市と協力して活用。民間事業者の初期投資費用(施設整備、備品費など)を補助するもので、申請中のため詳しい場所は明かせないが、町田駅前周辺に醸造施設を設けた店舗を8月に出店する。
自家醸造で5種類のビールを開発中。町田産のホップや大麦などを原材料に使用し、町田産の季節のフルーツなども使用していく考えだ。製造免許では、年間6000㍑以上が最低限のため、初年度の製造計画では1万㍑の製造を目指す。
8月に出店する店舗を「フラッグショップ」として、まずは知名度を上げ、共同出資した10社だけでなく、協力店を増やし将来的には地元飲食店に流通させてシビックプライドを醸成させたいという目標を掲げている。今後は、町田オリジナルの乾杯音頭の作成や、地元飲食店が繋がれる状態をつくっていくことも視野に入れている。
同社はこの地産クラフトビールの名称をインターネットで一般公募している。公募期間は3月20日から4月20日まで。5月以降に名称の発表を予定している。採用者にはビール1年分(365本)、特別賞10人は1か月分(30本)、アイディア賞30人には1週間分(7本)が贈られる。
地元を愛する飲食店を中心として立ち上げた地域密着の共同ブリュワリープロジェクト。同社の飯間圭吾社長(闘牛門町田本店)は「町田クラフトビールを地域の方々と共につくり、育てていければ嬉しい」を話している。