相模原市総合教育会議、国の調査結果受け方向性検討/いじめや不登校対策「1人も残さず」


相模原市の教育施策を話し合う市総合教育会議が11月30日、市役所第2別館で開かれた。国が実施した「令和4(2022)年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上諸課題に関する調査」を受けて、いじめ防止や不登校の児童生徒への支援に向けた今後の方向性について協議した。本村市長は「いじめや不登校対策を行い、だれひとり取り残さず子供と向き合いながら、自分の人生を自分らしく生きられる社会を作りたい」と述べた。【2023年12月13日号掲載】

総合教育会議
□いじめ認知不足か?

事務局の説明によると、いじめの認知件数は、コロナ禍による休校措置などの影響で20年度以降は一時的に減少しているが、全国的に増加傾向にあり市においても1302件で21年度(1146件)と比べて増加している。しかし、1千人当たりの認知件数は25・8件と、全国平均(53・3件)と比べると市は低い状況にある。

事務局は「認知件数が少ないことは、教員がいじめを『喧嘩両成敗』として捉えるなど、見落とし認知できていない場合も考えられる。いじめの定義や、積極的な認知に対する理解をさらに広める必要がある」とする。

いじめを認知した児童生徒のうち、小学校は96・8%、中学校は94・7%が解消している。解消率は全国と同程度。「いじめ行為が3カ月継続して止んでいる状態」、または「被害児童・生徒が心身の苦痛を感じていない状態」を解消として判断する。

いじめ防止の取り組みでは①未然防止(すべての児童生徒を対象にいじめに向かわせない)②早期発見(見守りや信頼関係の構築に努め、小さな変化を見逃さない)③対処(発見・通報があった場合は速やかに組織的に対応)―の大きく3点を挙げた。

未然防止では、認識は学校ごとに差がみられるため、教職員への研修や児童生徒への情報提供を充実させる。相談への対応や目配りができる人員が不足しているため、青少年教育カウンセラー(SC)や学習支援員などを拡充し、さまざまな職種の職員と情報を共有することで早期発見に努める。対処には初動体制や組織的な対応が必要であるとし、教職員間における初動体制の共有化や組織的な対応を徹底し迅速かつ適切な判断を期待する。

□「無気力・不安」原因

病気や経済的な理由を除く、年間30日以上の長期欠席者を示す不登校者は、全国的に増加傾向となり、市内小学校は17・4%と全国の17・%と同程度となった。一方、中学校は73・1%で、全国59・8%と比べて高めの傾向。小中学校ともに過去から同様の傾向を示している。

不登校は、小学1年では36人だったのに対し、6年では152人になるなど高学年になるにつれて増加するが、特に中学1年で327人になるように大幅に増加する。近年は、小学校低学年で不登校になる児童も増えている。

原因は、小中学校ともに「無気力・不安」(市=小55・0%、中56・4%)がもっとも多く、全国(小学校50・9%、中学校52・2%)と比べてもやや高い傾向にある。中学校では「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が高め(8・1%)だが、全国(10・6%)と比較すると低い。

新規・継続の状況については、低学年に占める新規者の割合が高く、高学年になると継続者が多くなる。90日以上欠席している者が多く、中学校で全体の6割を超える。改善率は小学校(44・1%)・中学校(27・0%)ともに全国平均(小学校27・5%、中学校27・0%)に比べて高く、指導・支援の効果が表れているとみる。

支援は未然防止(兆候がない状態)、早期対応(登校しぶりや休みがちなど兆候あり)、長期支援(不登校状態)の3段階に分け、SCやスクールソーシャルワーカーによる相談支援や「ポジティブな行動」支援を行う。欠席が長期化している児童生徒に対し学びの場や居場所を確保する「相談指導教室」の在り方について検証し、地域の民間団体との連携の可能性も模索する。

不登校の兆候や不登校の児童生徒への対応・支援では、3区に1校ずつのモデル校(相陽中、上溝中、大沢中)に配置し、週5日の開室が可能になっている「校内登校支援教室」を拡充。モデル各校の取り組みをさらに検証し、効果的な人員配置や運営委員の人材確保など将来に向けて全校配置の可能性を検討する。

□共感力やマクロ視点

本村賢太郎市長と渡邉志寿代教育長のほか、小泉和義教育長職務代理者、教育委員3人らが出席した。教育委員からは「加害・被害両方の子供の背景や学校の状況、地域特性などマクロの視点で分析する必要があるのではないか」「共感力が必要。いじめ防止の取り組みと並行して、人の気持ちに思いを馳せることができる感受性を育まなければならない」といった意見があった。

本村市長は「地域と学校がしっかり繋がっていくことが大事。学校に任せきりにせず、地域の皆さんにも関心を持ってもらい、子供を見守っていくことが必要」と呼びかけた。

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