相模原市の施設、銀河アリーナ終了へ/南市民ホールも廃止方針


相模原市が廃止の方針を示している「銀河アリーナ(淵野辺公園アイススケート場・水泳プール)」(中央区弥栄)、「相模原南市民ホール」(南区相模大野)を巡り、同市議会は13日、市民環境経済委員会(鈴木秀成委員長)を開き、同アリーナの廃止に伴う条例の一部改正を全会一致で可決した。市は同日、決算特別委員会分科会で、南市民ホールの廃止時期を1年半延期するが、廃止の方針は変わらないことを明らかにした。【2023年9月20日号掲載】

 ◇27年3月で終了へ
市はスポーツ施設・銀河アリーナを2027年3月で運営を終了するとしている。条例の一部改正は、淵野辺公園アイススケート場、水泳プールおよびトレーニング室を廃止することに伴い、施設に係る規定を削除するもの。施行は27年4月1日で、同年3月末に運営を終了する。今後、市議会本会議で採決され正式決定する見通し。

銀河アリーナ
廃止後の建物と跡地について、本村賢太郎市長は5日、「他の用途への改修に要する費用や市民意見を勘案し、来年度中を目途に方向性を検討する」と考えを明らかにした。同日の市議会代表質問で、桜井はるな市議(立民)の質問に答えた。
同アリーナは1991年の開業から30年以上が経過。老朽化が進み、外壁や換気設備の補修、特定天井(釣天井)の耐震化など、改修費は12億円以上を要する。民間企業による施設運営なども検討したが、改修費はすべて市の一般財源となることからも存続は難しいと判断した。
市は同アリーナ廃止後、市内に民間企業によるアイススケート場の新設を検討している。ことし7月に民間のアイススケート場を視察し、事業者へのヒアリングなど運営方法の調査を進めている。本村市長は「これら(調査)の結果に基づいて検討していく」としている。
代表質問で桜井市議は「民間企業の努力だけでは、整備・運営していくのは収益上難しい。市有地に固定資産税を減免して貸し付けをする、光熱水費を市が負担するなどの支援策が必要」と指摘した。
◇南市民ホールは延期
市が2024年9月に廃止の方針を示していた南市民ホールについて、市は13日、決算特別委員会市民環境経済分科会で、同ホールの廃止時期を1年半延期して26年3月末に廃止する方針を明らかにした。

終了が決定する見通しの銀河アリーナ 石井賢之副市長は分科会で「さまざまな方法で市民との対話を行ってきたという認識。市として熟慮を重ね方針を定めた」と述べた。
同ホールを巡っては、市は7月に本村賢太郎市長が出席して利用団体や市民との意見交換会を開催。参加者からは存続を求める意見が多数あがり、本村市長は「市として(廃止)案を示したが、引き続き意見をいただき、行政としての最終案を決定したい」と述べていた。
本村市長は4日、市議会本会議で「近日中に方針を判断する」と明らかにしていた。代表質問で渡部俊明市議(自民)の質問に答えた。
市が示した廃止方針は、代替施設とする相模女子大グリーンホール(市文化会館)多目的ホールの音響改善工事の実施、既存の7基の和式トイレをすべて洋式化するなど利用環境を改善。市内の大学や企業の施設利用の検討。廃止時期を見直し、24年9月末から26年3月末とした。今後、市議会12月定例会議に改正条例を提出する。
南区合同庁舎内にある同ホールは、21年に市が公表した「行財政構造改革プラン」において集約化(統廃合)の対象となり、市は22年9月に24年9月末の廃止を公表。財政難の中で、施設の老朽化や低料金の割には利用率が低いことなどを廃止理由としている。
市民からは「地域活動の拠点がなくなってしまう」など存続を望む声が上がり、大野南地区自治会連合会や同地区社会福祉協議会など、施設を利用する6団体は23年5月、存続を求める署名9606筆を本村市長へ提出した。

8月には地元の若者世代が中心となり「南市民ホールをなくさないでの会」を立ち上げ、オンライン署名の活動を開始している。
大野南地区自治会連合会の大木恵会長は本紙の取材に「市側の対応に失望して、若者たちも立ち上がった。今回は廃止案の説明で決定ではないが、何のための意見交換だったのか」と話した。6団体では今後も署名活動を続けていく方針。

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