TSUTAYA、県央初のシェアラウンジ業態/「書籍に囲まれ発想生み出す空間」


TSUTAYA(ツタヤ)や蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とTSUTAYAフランチャイズのユニバース開発の2社は8日、小田急電鉄が海老名駅間に開業した複合施設「ヴィナガーデンズパーチ」に、書店とシェアラウンジを併設した「ツタヤ・ブックストア海老名店」をオープンした。仕事や勉強の場に限らず、カフェバーなどとして買い物後の休憩など幅広い使い方もできる。【2023年3月23日号掲載】

コミックなど1800冊を置くシェアラウンジ

コミックなど1800冊を置くシェアラウンジ



同ラウンジは「発想が生まれ、シェアする場所」がコンセプトで、シェアオフィスの「機能性」とラウンジの「心地のよさ」を併せ持つ空間。約300平方㍍にウェブ会議でも利用できる吸音パネルが入った半個室(11室)、4人掛けのソファー席、2掛けのテーブル席など約90席があり、使い方に合わせて席を選ぶことができる。

CCC担当者は「ツタヤを運営する会社として、本を大事にしている。本に囲まれた空間でインスパイア(ひらめきや刺激)されることを目的としており、本から発想を得てほしいとの想いで蔵書を置いている」とする。

書棚には自由に読むことができる雑誌やコミックなどを中心に約1800冊をそろえるほか、購入前のものでも書店から3冊まで持ち込むことが可能。「スタッフが土地柄に合わせて選んでいる。海老名駅の乗降者を調査したところ学生の利用が多かった」と説明する。

プランによってアルコールも選べるドリンクと軽食(ナッツやチョコレートなど)の計70種類が時間内ならおかわり自由。高速インターネットの接続の環境や電源コンセント、充電器、骨伝導イヤホンなども用意している。

19年11月に東京都渋谷区に1号店(ツタヤ・ブックストア渋谷スクランブルスクエア)をオープンしたが、その後のコロナ禍で働き方などライフスタイルが変化したことも後押しし、都内や神奈川県などを中心に国内19店舗、台湾2店舗を展開している。県内では川崎市と藤沢市に続く3店舗目で、県央地域では初の出店(取材当日)。

書店部分は売り場面積約700平方㍍で、入居施設のテーマであるウエルネス(心身の健康や生活環境)に関連する書籍をはじめ、通勤通学の利用者駅や周辺に勤めるなど情報感度の高い人向けにビジネス書、丹沢大山などに近い立地を意識したアウトドア関連も重点的に約4万冊をそろえる。デザイン性の高い文具類や、日々の暮らしを向上する特別感のある雑貨なども扱う。

丹沢大山を臨む立地を踏まえ強化しているアウトドア関連コーナー

丹沢大山を臨む立地を踏まえ強化しているアウトドア関連コーナー



地域住民や施設利用者向けのイベントなども開催する予定。CCCなどの共同企業体は2014年度から、近くの同市立中央図書館、同有馬図書館などの指定管理を受託している。図書館と連携した企画・イベントなどについて、同社は「検討はしていきたいが、具体的な計画はない」とした。

小田急電鉄が開発する海老名駅間地区には、オフィスビルや高層マンションが建つほか、同社本社機能が移転するなど駅の周辺地域にも企業や研究施設などが集まる。小田急担当者は「ワークショップやトークイベントを通じた人と人が出会うコミュニティー機能、多様なライフスタイルに寄り添う憩いの場を提供したい」と期待した。

ラウンジの利用料は通常プラン60分1100円で、酒類も飲めるアルコールプラン同1540円、未就学児向けのキッズプラン同550円などもある。30分ずつの延長や1日利用も可能で、回数券(1デイチケット5日分)や月額プランも用意。営業時間は午前8時~午後10時。空席の確認や予約(2週間前から)、回数券の購入、メンバー登録は専用のアプリから行える。

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