ブックオフ、廃棄CDを再生プラ材に/資材特性やCO2排出量も公開


中古品の買い取り販売を手掛けるブックオフコーポレーション(相模原市南区古淵2)は今月から、買い取った後に売れずに廃棄するCDやDVDを加工・再生し、自社ブランドのプラスチック資材「CDプラ」として販売する事業を始める。供給単位は25㌔。専用のウェブサイトを開設し、資材の特性や生産時のCO2排出量などを公開している。【2023年1月1日号掲載】

CD・DVDとそのケースなどの再生資材「CDプラ」

CD・DVDとそのケースなどの再生資材「CDプラ」



同グループでは、CD・DVDを年間2460万枚ほど買い取っているが、買い取り時に値段が付かず、客の了承で引き取ったり、買い取り後に一定期間で販売しきれず処分されたりするものが年間1700㌧に及ぶ。これまでは他社を通じてリサイクルしていたが、同社が主体的に取り組むことで「新しい価値提供の可能性を模索するようになった」としている。

プラスチックには複数種類あり、そのうちCDやDVDの本体には「ポリカーボネート」、CDケースには「ポリスチレン」、DVDケースには「ポリプロピレン」が高純度で使用されているため、再生しやすいという。

直営店や瀬谷センター(倉庫、横浜市瀬谷区)から回収した後、ディスクやケースなどに分別し、粉砕・誘拐してペレット(資材)とするまでを同社が一貫して担う。質と量が共に安定したプラスチック資材として、国内メーカーなどに供給できる体制を構築した。

同社によると、新しいプラスチック材1㌔㌘の生産には1・03~3・4㌔㌘のCO2が排出されるが、CDプラでは0・179~0・403㌔㌘に抑制できる。

再生プラスチック市場は今後大きく伸長するとされ、35年の市場規模は21年比で2・4倍の3553 億円となると予測されている。同社が国内販売できなかった衣類などはマレーシアやカザフスタンの店舗で販売できるが、CDやDVDは再生機器の規格違いなどで商品化が困難だった。

同社広報は「今回の取り組みはそのシステムにおいてより踏み込んだものであり、ごみにしないだけでなく、自社の工夫で高い価値に変えて世の中に提案するチャレンジ」としている。

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