青学大生の団体「まんJU」、子ども食堂支援へ活動費調達/相模原


青学大子ども食堂 青山学院大生などを中心とした学生団体「まんぷくNeed You(略称=まんJU)」は、障害者や子供など社会的弱者とのコミュニケーションを通じて地域活性化を図る活動を行っており、ベーカリーカフェで開いている子ども食堂などを支援していく。クラウドファンディング(CF)で10月18日午後11時まで資金を募っている。メンバーは「広がれ!全国の子ども食堂をストレスフリーに!」と意欲をみせている。【2022年9月1日号掲載】

団体のメンバーは、梶田茉那さん(代表)、中山侑姫さん、庄野美礼さんら同大学コミュニティ人間科学部3年が中心。4月に発足、7月から活動が本格化し、理工学部や社会情報学部などの学生も加わり、3年生10人、1年生3人の計13人になった。将来的には「キャンパスを置く淵野辺、相模原市や町田市など近隣自治体の学生も巻き込みたい」と話す。

ゼミの実習活動で大学近くの「スワンカフェ&ベーカリー」(中央区淵野辺4)に行き、「障害者が地域で暮らすことの難しさ」に直面。「共生社会」という言葉が使われるようになったが、「障害者が通う施設は増えていくばかりで、地域で活躍する場が少ないことに気づいた」という。

同店は、一般企業などへの就職が難しい障害や難病を抱える人に就労の機会を提供。通常の就労に必要な知識や能力の向上を図る取り組みを行っている。

同店ではコロナによる外食の減少、貧困家族という社会課題を受け2021年11月から子ども食堂を開いている。梶田さんらが全国の子ども食堂の実態を調査していく中で「気軽に利用しにくいという子供もいる」と考え、「障害があるないに関わらずどんな子供も、気軽に子ども食堂を利用できればいい」という思いもあって支援を考えた。

集める資金は10月に3周年記念イベントとして行われるハロウィンパーティーの開催や今後の各プロジェクト活動などに充てたい考え。「子ども食堂に来たことがない子供や、行きたくても行けない子供が参加しやすいイベントを企画している」(同団体)。

梶田さんが「さまざまな環境下で日々一生懸命生きている人たちに少しでもストレスフリーな生活を送ってもらいたい」と、民間企業と共同開発したルームフレグランス(部屋で使う芳香製品)をリターン(返礼品)として用意した。同カフェのある相模原市の新緑をイメージした「開幕の鐘音(フローラルグリーン)」、中央区の桜並木を連想させる「甘美の楽園(ピーチマグノリア)」の2種類がある。

目標金額は55万円。クラウドファンディング「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/101818)を活用して活動資金を調達している。「オールオアナッシング方式」と呼ばれる形式のため、目標金額に達しない場合は寄付金をすべて支援者に返却し、メンバー自身で必要経費を賄う必要がある。

クラウドファンディングでの成功を土台にルームフレグランスの販売を拡大し、売上を社会貢献に生かす活動につなげたいと志している。梶田さんは「学生なので周りの人の力がないと何もできないことに気づいた。より多くの人に社会の課題を知ってもらう機会にしたい」と支援を呼び掛けている。

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