JR相模原駅近くの住宅街に児童発達支援施設/設置事例少ないスヌーズレンルームを備える


児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所「NICO」(相模原市中央区氷川町5)が2月に新規開設した。県内では設置事例が少ない「スヌーズレンルーム」を備えているのが特徴だ。【2022年3月10日号】

光や音でリラクゼーションを生むスヌーズレンルームで吉田さん

光や音でリラクゼーションを生むスヌーズレンルームで吉田さん



スヌーズレンは1970年代にオランダの知的障害者施設で考案された。視覚、聴覚、臭覚、触覚などへの刺激を楽しめる空間をつくり、リラクゼーションを提供するもの。知的障害や自閉症などの障害がある人だけでなく、現在は認知症や子供の発達支援など、さまざまな分野に活用されている。

同事業所のスヌーズレンルームは、東京大学先端科学技術センターや東北学院大学の教授らの応援を得て研究開発した。癒しや落ち着きを与える周波数の光や音、香りを体験できる。

同事業所の社長で介護福祉士の吉田裕さんは、大手投資銀行リーマンブラザーズの元社員。35歳で退職し、外資系金融機関から福祉業界へ転身した。「人や社会の役に立つ、やりがいのある仕事をしたい」と福祉関連の資格を取得し、高齢者施設や障害者施設での勤務を経て、仲間と共に同事業所を立ち上げた。

同事業所では、0歳から6歳までの未就学児を対象にした「児童発達支援」と、7歳から18歳までの障害のある子供たちが放課後や夏休みなど長期休暇に療育を受けられる「放課後等デイサービス」を行っている。

吉田さんは「民間事業者では珍しいスヌーズレンを取り入れているのが最大の特徴。通所者に寄り添ったプログラムを提供し、家庭や学校、関係機関や地域と協力しながら子供の個性を伸ばし、家族の負担を軽減するお手伝いをしていきたい」と話していた。

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