相模原ポンプ場、クボタらグループが設計・施工・維持管理一括受注


クボタとクボタ機工の民間企業グループはこのたび、県内広域水道企業団との間で、設計・施工維持管理業務一括発注(DBM=デザイン・ビルド・メンテナンス)方式による相模原ポンプ場(1974年4月供用開始、相模原市南区当麻)の導水ポンプ設備等整備事業に関する契約を締結した。導水ポンプ設備、速度制御設備、非常用発電設備の更新設計・施工を2025年3月31日まで、維持管理を25年4月1日から40年3月31日まで受注。契約額約43・6億円(税抜)。

相模川などから取水した水を送り出すポンプ場

相模川などから取水した水を送り出すポンプ場



国内最大級のポンプが設置されている相模原ポンプ場は、酒匂川(小田原市)と相模川(厚木市、海老名市)で取水した河川表流水を相模原浄水場(相模原市南区下溝)や西長沢浄水場(川崎市宮前区)へ導水するための施設。

同施設を運営・管理している企業団は「最適な水道システムの実現に向けた施設整備と運営・管理」「自然災害や多様なリスクへの対応強化」「経営基盤の強化」を柱として定めた『かながわ広域水道ビジョン』の中で、激甚化する自然災害や事故に備えるため、施設の停電対策の強化などに取り組んでいる。

同事業では、これまでの所内保安用電力を賄う容量の非常用発電設備から、導水ポンプ1台の運転を可能とする容量4000㌔㌾㌂の非常用発電設備に更新。また、水道への安定供給を継続しながら、導水ポンプ4台をすべて直径1500㍉のものに置き換え、最大導水量は1時間当たり6万1200立方㍍に強化する。

PPP(官民連携事業)事業として民間事業者が有する企画力や技術力を活用したDBM方式であり、総合評価方式における審査の結果、「設計・施工の内容」「維持管理の方法」「イニシャルコストとメンテナンスコストの縮減」などについて同グループの提案内容が評価され、企業団として初めて採用された。

代表企業のクボタは、相模原ポンプ場における機械・電気設備の設計・製作・建設工事を担当する。クボタ機工が、25年から40年までの15年間、相模原ポンプ場の維持管理を請け負う。

昨今、浄水施設をはじめとした上水市場だけではなく、下水・雨水排水などの重要なインフラ施設の整備・運転維持管理でも民間活力の導入が進められてる。同社は「企業団の水事業の長期間にわたる安定的で効率的な運営の実現に寄与するとともに、地域住民に安全で安心な水道水の供給に努めていく」としている。

【2021年10月11日号】

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