鍼灸師の岡川さん、オンラインで遠隔指導/活動休止のスポーツ選手や学生が利用


相模原市緑区東橋本で鍼灸(しんきゅう)院を経営する岡川智行さんは、スポーツ選手や運動部に所属する学生など向けに、オンライン会議システム「ズーム」を使って遠隔指導するオンライントレーニングを始めた。外出自粛や自宅待機で運動不足になりがちな人の参加も可能で、企業の福利厚生の一環として導入するよう訴求していく。

アスリートのほか各界で活動する人が参加したレッスン

アスリートのほか各界で活動する人が参加したレッスン



11日夜に参加したのは、ボクシング元アジア太平洋王者の近藤明広選手や、アイスホッケー日光アイスバックスの彦坂優選手ら現役のプロアスリートをはじめ、音楽バンド「ブランニューバイブ」の敬太郎さん(町田市観光大使)ら9人。英国やオーストラリア、イタリアからの参加もあり、岡川さんは英語の説明を交えながらレッスンを進めた。

「ひじに届くまで、もう少し高く上げて」と岡川さんが檄を飛ばすと、即座に返事とともに脚を一生懸命に上げる外国から参加者もおり、距離を感じさせない。

動画配信サイトでもプロのトレーナーや有名アスリートが出演しているトレーニングやエクササイズを扱った動画は数多くある。視聴者にとっては無料で視聴できるメリットがある反面、一方的な配信になりペースについていけない人は置いてきぼりになってしまう。

岡川さんのレッスンでは、参加者の身体能力に合わせて運動強度や回数などを調整するほか、質問や相談にも丁寧に対応する。「自主トレの参考にしてほしい」と、片足立ちでバランス力を養う方法など、専門的な機械器具を使わなくても自分の体重などを生かしてできる運動を教えている。

学校の授業は徐々にコロナ禍前のリズムに戻りつつあるが、部活やクラブはいまだに自粛を余儀なくされている。プロのアスリートも一部の練習を再開しているが、試合や大会がいつ始まるのか分からず、競技能力の維持に苦悩しているケースも少なくないという。

通勤や外回りだけが唯一の運動になっている人には、自粛明けの通勤疲れで「運動まで気が回らない」という話をするひともいる。岡川さんは「従業員向けの運動手法の相談にも応じる。ジムや公園への移動も省けるので、時間を有効に活用したい人にはぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。

岡川さんがこれまでに指導してきた国内外のアスリートをはじめ、SNSで知り合った人などに案内している。4月末に始めて、約1カ月半で1日20~30人が参加するようになった。

レッスンは1回30分で888円。ラインペイやペイパルで支払うことが可能。平日は月・水・木曜日の3回で午後8時から、土日祝日は不定期開催している。

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