ベネクス、秋冬向け新素材を開発 /最需要期の販売拡大狙う


新素材を使った製品を紹介する中村社長

新素材を使った製品を紹介する中村社長



リカバリー(疲労回復)ウエア専門メーカーのベネクス(厚木市中町)は、秋冬向けに温感機能を付加した新シリーズ「フリーフィールウォーム」を開発した。「もっと暖かい商品がほしい」「冬もサラッと快適に着たい(でも暖かく)」などの要望に応え、最需要期のさらなる販売拡大を狙う。

商品部の金澤文彦さんによると、新素材は独自開発のPHT繊維(37%)に、吸湿発熱性の高い再生繊維リヨセル糸(55%)を組み合わせた。PHT繊維に練り込まれたナノプラチナなど粒子状の鉱物が微弱な電磁波を発し、副交感神経を刺激して血流を促すため、疲労回復に加えて体を暖める効果が期待できる。

フリーフィールウォームは、リヨセルの効果で体から出る湿気や空気中の水分を吸着することで発熱する。従来品(ポリエステルとポリウレタンでつくるリチャージシリーズ)と比較すると、新素材が最大で3・5度も暖かくなることが実験で分かっている。

薄さと軽さは従来品(春夏向け)とほぼ同じ水準を維持している。リヨセルが持つサラッと柔らかい触り心地に微起毛加工で保温性を高めて、さらに快適な着心地に仕上げた。

より効果的なトレーニングや栄養摂取に配慮しているアスリートなどから注目されたことで、休養ビジネスの市場は東京五輪が開かれる2020年に12兆~16兆円規模まで成長すると予測。2009年の販売開始から17年2月で累計販売数45万着を超えたベネクスのリカバリーウエアは、34カ国で特許を取得し、国内外14大学との実証実験で効果が証明されている。

新素材を使った製品は、太い血管や自律神経が集中する頸部を覆う「ロングスリーブ ハイネック/タートルネック」(各1万4千円)、「ロングリーブ クルーネック」(1万3千円)など。10月下旬から順次、全国の百貨店やスポーツ用品店、同社オンラインショップなどで販売している。

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