フォトシティさがみはら、15周年で記念シンポジウム/東アジアの写真語り合う


写真芸術について意見を交わす江成氏(左から2人目)

写真芸術について意見を交わす江成氏(左から2人目)

 相模原市の総合写真祭「フォトシティさがみはら」が15周年を迎え、10月17日に同市緑区橋本の杜のホールはしもとで記念シンポジウムが開かれた。東アジアを代表する写真家らが参加し、写真表現の“今”を語り合った。

 「アジア写真新世紀―台湾、日本、東アジアへ、戦後70年の視座から」をテーマに、パネルディスカッションを実施。1980年代末の戒厳令解除から、急激に変化した台湾の現代写真をはじめ、東アジアの写真芸術について意見を交わした。

 同市出身の写真家で、フォトシティさがみはらの構想創案者である江成常夫氏をはじめ、2015年さがみはら写真アジア賞を受賞した張照堂氏らがパネリストとして参加。また、審査員の伊藤俊治氏(東京芸術大学教授)がコーディネーターを務めた。

 江成氏は「戦後の昭和」をテーマとした『まぼろし国・満州』『鬼哭の島』などから作品を紹介した。「張氏の作品が自身の表現法と対極的な位置にある」と指摘し、写真表現の広がる可能性を語った。

 鈴木氏は、表彰状と盾を受け取り「できるだけ作為をなくし、ありのままの世界を写し撮っている。見ることが、いかなる経験になるか考えていきたい」と話していた。
(2015年11月1日号掲載)

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