2013年(平成25年)
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日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

1月21日 月曜日

[ 河本会頭・新春インタビュー ]

中小の連携促す

市内景気「明るい材料ある」

 相模原商工会議所の河本洋次会頭(東邦電子会長)は、相模経済新聞社のインタビューで、2013年の市内経済について、「円安傾向など明るい材料もそろってきたので、最悪期だった昨年よりもよい年になる」との展望を示した。一方、競争が激化する製造業で今後、地域の中小企業が生き残るには、「(ライバル企業でも)互いの連携をこれまで以上に深め、例えば、共同で会社組織のようなものを立ち上げ、仕事を取っていくのも手だ」と持論を展開していた。   (千葉 龍太)


 河本会頭は、市内経済の現状として「大手は業種によって異なるが、業績が好調な企業もある。しかし、相模原の中小企業、なかでも製造業の受注(仕事量)は予想以上に減っている。厳しい認識に変わりはない」と話した。
 また、現在の中小製造業が抱えている大きな課題として、「人材不足」を挙げた。
 「製造業では、若い人材が育っていない。それが後継者不足にもつながっている。中小企業の経営者は、それこそ命を懸けて仕事に打ち込んでいる。そうした仕事を継承できる人材が少くなっている」と述べた。
 さらに、国内を基盤とする中小製造業が今後生き残っていくには、大手企業の失敗から学ぶべきだと指摘。
 「仮の話だが(シャープやソニーなど)国内の大手電機が、一体になり連携を深めていたら、(韓国勢などに押される)現在の状況になっていなかったのかも知れない」とした。
 そして「失敗を繰り返さないためにも、中小企業は互いの得意技術を持ちよって連携を深める必要がある」と強調した。
 具体策として、「単なる異業種交流で終わらず、それぞれ独自技術持っている企業が集まり、各社が共同で会社つくり、そこから仕事を取っていく方法もある」と説明した。
 一方、貸し付け条件の変更に努めることを金融機関に義務付けた「中小企業金融円滑化法」が3月末で終了することについても触れた。
 「(安倍政権が)何らかの対策を行うことが予想されるので、(終了後も)地域経済が急激に影響を受けることはないのでは」との見通しを示していた。


インタビューに答える河本会頭

− 1月 20日号掲載記事より−


1月22日 火曜日

[ フェイス ]

生産現場を分離

無鉛と有鉛はんだで

 フェイス(相模原市南区大野台)は、鉛フリーはんだ(無鉛)と共晶はんだ(有鉛)の「完全分離ライン」を構築した。
 製造現場のすべての工程や設備、治工具、備品に至るまで区分けした。顧客の安心感につなげるのが狙いという。ここまで徹底させている同業者は珍しいとし、差別化にもつなげる。
 フェイスは、電子機器製造受託サービス(EMS)などが主力。半導体や工作機械、電源など幅広い分野からの受託を受けている。本社工場は工業団地「S@a神奈川」内に置く。
 今回、同社では工場内の生産ラインを改装し、「鉛フリー」と「共晶」の完全分離を実施した。
 鉛フリーは、EU(欧州連合)各国で電子機器に対して、鉛などの特定化学物質の使用を制限する「RoHS指令」が2006年7月から順次施行されたのを機に、日本国内でも進んでいる。
 ただ、特定の機器で共晶はんだでの生産を希望する顧客もいるという。完全に分離することで、どちらのニーズも対応できるとともに、鉛フリーでは、生産過程で鉛が万が一混入してしまうリスクも防げるという。
 山根浩之取締役は「EMSはサービス業といえる。国内市場で生き残っていくには、顧客の安心につなげることが重要になる」と話していた。
 なお、同社のEMS事業は材料調達から代行するのが特徴。重松峰雄社長は、「同業他社が敬遠するような多品種少量生産が強み」としており、「それが、量産品を得意とする海外企業との差別化策にもなる」と説明。今後は従来の分野だけでなく、医療機器大型の電源分野などからの受注も積極的に受けたいとしている。


鉛フリーとの分離ラインを構築した工場

− 1月 20日号掲載記事より−


1月23日 水曜日

[ 相模原 ]

南区「トイザラス」跡地

大規模住宅展示場に

 昨年2月に閉店した玩具大型量販店「トイザらス相模原店」(相模原市南区古淵6丁目)の跡地に4月下旬、大規模な住宅展示場が進出することが明らかになった。市内の大型住宅展示場は3カ所目。
 東京・埼玉を中心に住宅展示場を運営するファジー・アド・オフィス(東京都新宿区)が手掛ける「相模原・古淵ハウジングステージ」。約8000平方bの敷地に、16区画のモデルハウスを建設する。合わせて計100台が入る大型駐車場も設置する。
 同社の展示場は県内では2カ所目。市内では初進出という。旧トイザらス跡地は、国道16号線沿い。ファジー・アド・オフィスの担当者は進出を決めた理由として「幹線沿いの好立地と、相模原の成長性」を挙げた。
 また、「消費増税前の住宅の駆け込み需要を見据えている」とも説明。イベントなどを企画し、住宅購入や建て替えなど、幅広い客層にアピールするという。


住宅展示場の完成予想図

− 1月 20日号掲載記事より−


1月24日 木曜日

[ 横浜商工会議所 ]

「3ヵ年活動方針」を策定

経営支援など

 横浜商工会議所は、経営支援事業の強化などを柱とした「今後3カ年の活動方針」を策定したと発表した。
 @中小・小規模事業者に対するきめ細かな経営支援事業の展開
 A政策の提言力と実現力の強化
 Bなくてはならない商工会議所の組織基盤づくり
―の3点が柱となっている。
 具体的には、今年3月に金融円滑化法の終了を控え、「1日出張窓口」や専門家による相談事業、消費税転嫁対策の検討など、支援の充実を図っていく。
 経済成長が続く東南アジア諸国連合(ASEAN)への視察団派遣にも取り組む。
 商議所の組織基盤づくりとしては、従来の会員増強活動を継続するほか、部会・支部における自立的事業の積極展開や職員による会員訪問を強化する。
 同商議所の佐々木謙二会頭(ニッパツ会長)は、「厳しい経済情勢が続いているが、今年は横浜商議所にとっても新しい執行部体制で臨む飛躍の年。地域の企業にとって『なくてはならない商工会議所』を目指し運営に当たりたい」との年頭所感も合わせて発表した。
 なお、佐々木会頭は昨年末に行われた臨時議員総会で、第24代会頭として再任されたばかり。3期目にあたる。また、同商議所は、佐々木会頭の再任に合わせ副会頭6人も選任している。
 このうち新任は、丸全昭和運輸会長の野口正剛氏、横浜銀行取締役の望月淳氏、空調給排水衛生設備工事業・川本工業社長の川本守彦氏、神奈川トヨタ自動車会長の上野健彦氏の4氏。
 日産自動車常務の川口均氏、崎陽軒社長の野並直文氏、同商議所の塚原良一専務理事は再任した。

− 1月 20日号掲載記事より−


1月25日 金曜日

[ 相模原市内の産業界 ]

 景気回復に期待集まる 経営者ら表情明るく

株価や為替の動向注視 政策にも関心

 相模原商工会議所は10日、市立産業会館(中央区中央)で新年賀詞交歓会を開催した。市内企業の経営者ら産業界の関係者が集まった。経済政策を重視する安倍政権の誕生や為替相場が円安に向かっている背景もあり、参加者からは景気回復を期待する声が多数聞かれた。経済政策の実効性に対する関心も高まっている。          (千葉 龍太)


 賀詞交歓会では、河本洋次会頭があいさつし、来賓として加山俊夫市長も祝辞を述べた。
 出席者は約280人。東日本大震災によるサプライチェーン(部品供給網)の寸断や超円高の影響が続いていた昨年とは大きく変わり、参加した多くの経営者らの表情も終始、明るかった。
 会場にいた相模原商議所・工業部会の稲場久仁男会長(リガルジョイント会長)は「明るい材料はそろってきた」とする一方、「中小企業にとっては、先を読むのが難しい時代になってきた。中小企業はこれまで以上に選択と集中が求められるだろう」と話した。
 甲斐美利副部会長(向洋技研社長)は「景気が持ち直してきたとの実感は出てきた。安倍政権には経済政策最優先でやっていただきたい」と注文をつけた。
 松岡康彦・同副部会長(湘南デザインCEO)は、「株価がどれだけ持ち直すのを注目している。年内に1万2〜3千円台になるのか。また、政府には建設一辺倒ではなく、科学技術など、新しい産業創出できる分野の育成に力を注いでほしい」とした。
 若手経営者では、コバヤシ精密の小林昌純社長が「為替が1j=95円くらいで落ち着いてほしい。ただ、(安倍政権には)大手企業ばかりに目を向けた経済政策ではなく、もっと産業を下支えする中小零細企業を元気にするような政策を求めたい」と述べた。


賀詞交換会に出席する産業界の関係者

− 1月 20日号掲載記事より−


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