2012年(平成24年)
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日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

12月10日 月曜日

[ 衆院選 13・14・16区 ]

自民復活の動き

赤間回帰、甘利優勢、民主は16区で後藤健闘

 第46回衆議院議員総選挙が12月4日に公示され、16日の投票に向けて立候補者の激しい舌戦が繰り広げられている。
2009年8月以来3年3カ月ぶりとなる今回は、前回の民主党圧勝から一転、国内の不況対策、中国や韓国との外交問題などの影響もあって、自民党優勢の動きになっている。その選挙戦の行方を展望した。(敬称略)

13区 菅原が台風の目

 大和、海老名、座間、綾瀬の4市を選挙区とする13区で出馬するのは、届出順で共産新人の宮應勝幸(69)、維新新人の太田祐介(38)、民主前職の橘秀徳(43)、自民前職の甘利明(63)、みんなの党新人菅原直敏(34)の5人。このうち甘利は前回、比例区で復活当選した。
 自民優勢の流れで順当な予想では甘利再選と見られているが、この流れに割って入りそうな新人が、みんなの党から出馬する、県議を務めて年齢も一番若い菅原で、台風の目となりそうだ。有権者数は12月3日現在で46万3091人。
 また、相模原市中央区、南区および緑区の一部をエリアとする14区で出馬するのは、共産新人の猪股ゆり(28)、民主前職の本村賢太郎(42)、維新元職の中本太衛(47)、自民元職の赤間二郎(44)、社民新人の今井達也(25)、みんなの党新人の松本雅威(41)の6人。
 自民回帰の流れから赤間が優勢の動きになっているが、維新新人の中本出馬で自民、民主双方の票を割る動きも予測される中で、投票率次第で赤間が逃げ切ると見る向きが多い。有権者数は前同で44万人。
 さらに、厚木、伊勢原両市と相模原市の緑区および南区の一部、愛川町、清川村を選挙区とする16区で出馬するのは、維新新人の富山泰庸(41)、参院議員からくら替えして出馬する自民新人の義家弘介(41)、民主前職の後藤祐一(43)、共産新人の池田博英(50)の4人。
 自民優勢の流れになると新人の義家優勢になるが、この選挙区では後藤の人気が高いため、16区に限ると民主と自民の一騎打ちとなり、後藤が逃げ切る可能性を指摘する向きもあり、民自の激突になりそうだ。有権者数は前同で43万3539人。

− 12月 10日号掲載記事より−


12月11日 火曜日

[ 三菱重工業 ]

フォークリフト事業譲渡へ

 三菱重工業は、汎用機・特車事業本部(相模原市中央区田名)で手掛けるフォークリフト事業を、同業の日本輸送機(ニチユ)に譲渡することで基本合意したと発表した。三菱重工が会社分割により同部門を切り離し、ニチユと統合。新会社を発足させる。相模原の三菱重工からも人員が移る見通し。
 三菱重工はエンジン式のフォークリフトを手掛け、米国や中国などの海外地域で積極的に展開している。
 一方、ニチユは三菱重工の持ち分法適用会社。バッテリー式フォークリフトに強みを持ち、国内とアジアで中小型製品などを展開する。

来春めどに新会社設立

 三菱重工からの事業譲渡後に、両社は来春にも新会社を立ち上げる。本社は京都府の長岡京市内に置き、人員は約5000人を予定。相模原からは約100人が転籍する。社名や資本金などは決まっていない。
 統合後も両社の製品ブランドは残す。「地域ごとに互いが持っている製品のブランド力を最大限活用したい」(三菱重工)としている。
 三菱重工はすでに今年6月、相模原で行っていた小型フォークリフト生産をニチユに委託することを決め、中型を海外でつくる再編計画を打ち出していた。ただ、今後も15トン以上の大型フォークリフト生産に関しては、相模原で継続するという。
 また、三菱重工は11月下旬に、日立製作所と火力発電システム分野で事業統合するとも発表している。
 この発表を受け、三菱重工・相模原製作所は、「統合による影響はない。役割が変わることもない」と説明した。

− 12月 10日号掲載記事より−


12月12日 水曜日

[ エイト技工 ]

振動≠ナ異常検知する新装置開発

 エイト技工(相模原市中央区氷川町)は、透明の多層フィルムなどの検品作業で、振動を用いて異常を検知する装置を開発した。
 レーザー光や赤外線などを用いない方法を独自に編み出した。「薄いフィルム表面にローラーを回しながら凹凸の振動で検知する仕組み。業界初という。赤外線などを用いた検査装置と比べると、10分の1以下の導入コストで済むという。
 「輪郭検査装置」として製品化。初の自社ブランド品として用途開拓を進める。もともとは、コンビニエンス・ストアなどで販売しているサンドイッチの包装フィルムを手掛ける製袋メーカー向けに開発していた。
 ただ、食品向け以外にも用途が見込めるとして、製品化に踏み切った。新装置は、ベルトコンベア上に流れてくる包装フィルムなどの製品にローラーを当てる。
 ローラー近くには振動センサーが設置されているので、振動の具合や段差によって異常が分かるという。段差は40ミクロンの異常まで検知できるとしているが、技術的には10ミクロンでも可能としている。
 標準装置には、4本のユニットとローラーが搭載されているが、数を増やせば大きな検査対象にも対応できる。価格は100万円程度。
 大坪征弘社長は「生産設備など付属装置としても提案したい。この装置は、包装フィルムだけでなく、素材平面の異常検査などを必要とするいろいろな分野に使える」と話した。年間で10台の販売を見込んでいる。
問い合わせは、同社 042(752)8888まで。


新装置の用途開拓を進める大坪社長

− 12月 10日号掲載記事より−


12月13日 木曜日

[ 日中関係悪化で地域企業 ]

3社に1社 業績影響

日系企業から受注減 民間調査 3割が「魅力低下」

 相模原や大和を含む県内企業の3社に1社が、日中関係悪化の影響により、売上高(通期)が減少すると見込んでいることが、帝国データバンク横浜支店の調べで分かった。中国に進出する日系企業からの受注減少などが、地域企業にも響いているという。一方、市場・生産拠点としての中国の魅力については、3割以上の企業が「低下した」と答えていた。

 (千葉 龍太)

 調査は10月下旬に実施。県内企業968社を対象とし、471社が回答した。  同支店では、反日デモをきっかけとした中国との関係悪化による自社業績への影響について聞いたところ、「影響はない」とする企業は全体の約4割(212社)だった。「悪影響」と回答した企業は全体の3割に当たる143社あった。

運輸・倉庫業では半減

 これを業種別で見ると、運輸・倉庫業で5割以上、製造業で約4割の企業が「悪影響」と回答。同支店は、「運輸・倉庫業は、中国への輸出減少が響いているほか、製造業でも現地市場向けの受注が減っているのでは」と分析している。
 一方、現在、中国企業や政府などと、事業(直接貿易、業務委託、直接投資など)を行っていると回答した企業は86社あった。具体的な影響については「出張や渡航を自粛している」「税関の手続きが遅延している」「商談や契約がキャンセルになった」とする企業が目立っていた。
 ただ、2~3年後の中国ビジネスについては約半数が「現状の事業規模を維持する」と考えている。2割近くの企業は「事業の縮小・撤退も検討」と答えていた。
 回答企業471社に中国市場の魅力について聞いたところ、3割以上が「魅力は低下した」としていた。
 現地進出する大手企業の最近の動きでは、日産自動車が、停止していた現地での販促活動を再開させたものの、先行きは不透明。「年明けから主要取引先の現地生産計画が下方修正される」(製造業)とする声も聞かれ、予断を許さない状況になっている。

− 12月 10日号掲載記事より−


12月14日 金曜日

[ 早川銘板製作所 ]

特殊プレートが新型機「787」に採用

 早川銘板製作所(相模原市中央区田名) が製造する特殊プレートが、米ボーイングの最新鋭中型旅客機「787」に採用された。
 早川銘板が長年、得意としている「エッチング」と呼ばれる技術を使った表示プレートが耐久性に優れているとして評価された。現在メードイン・さがみはら≠フ製品を付けた航空機が世界中を飛び回っている。
 今年で創業50周年を迎える同社は、金属ネームプレートや食品などの表示ラベルなどを手掛ける。なかでもエッチングによる銘板製作が売り。
 エッチングはステンレスなどの素材に対し、化学薬品の腐食作用を利用した塑形、表面加工する技術。早川正彦社長は「市内でエッチングを手掛けているのは当社だけでは」と胸を張る。国内では大手機械メーカーが、製品に取り付ける表示プレートなどの製作を同社に委託している。
 今回、「787」で採用されたのは、機内トイレ用の表示板。ステンレス製のプレートだ。すでに航空機業界では就航している200機ほどに、同社のプレートが使われている。こうした実績から、「787」でも採用されたという。
 今年9月に就任したばかりの早川社長。「エッチングでは水洗いの工程が不可欠になる。日本のきれいな水でないと、高品質なものはつくれない」と強調する。
 製造業の海外シフト化が進む中でも、国内生産で今後も十分な成長が見込めるという。
 本社工場がある田名からさらなる成長を見据えている。


プレートを手にする早川社長

− 12月 10日号掲載記事より−


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