2012年(平成24年)
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日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

12月 3日 月曜日

[ セントラル自動車跡地 ]

雇用は最大1500人

物流施設稼働で想定

 相模原市緑区大山町の旧セントラル自動車跡地に大型物流施設が建設される計画で、施設が稼働した場合、最大1500人規模の雇用が見込まれることが分かった。米不動産投資顧問会社「ラサールインベストメントマネージメント」と三菱地所は跡地の大半を取得し、両社でマルチテナント型物流倉庫を共同開発すると発表。10社以上の入居を見込み、雇用効果も大きいという。            (千葉 龍太)

米投資会社などが取得

 大山工業団地に位置するセントラル自動車跡地は敷地面積8万4000平方メートル。このうち、ラサールなどの物流施設は6万8000平方bを使用。地上5階建て、総床面積16万平方bの大型施設を建設する。
 ラサールなどは完成後の施設を自前で使うのではなく、複数の企業に入居してもらい物流機能を提供する「マルチテナント型」を想定する。2013年秋に着工し、14年秋には「ロジポート橋本」(仮称)として完成する見通しだ。
 圏央道の県内部分「さがみ縦貫道路」が全面開通する見通しになったことから、沿線では物流施設の集積が進む。すでにラサールは13年秋の完成を目指し、同じく市内中央区に総床面積21万平方メートルの国内最大級の物流施設の建設を進めている。
 今回、跡地に建設を決めた理由について、ラサール関係者は「圏央道なども理由だが、JR横浜線、相模線と京王線のターミナル駅である橋本駅からも徒歩圏内なので雇用確保にも優位性が期待できる」と説明。
 製造業では物流の効率化が進むほか、ネット通販の増加などで物流施設に対するニーズは高いという。新施設の稼動後に見込む新規雇用1500人は、地元中心になる見通しという。
 ラサールインベストマネージメントは世界最大の総合不動産サービス企業であるジョーンズラングラサールグループの傘下で、世界有数の不動産投資顧問会社。今年3月末までの総運用資産残高は約470億j。

市 「規模は想像以上」

 旧セントラル自動車跡地に大型物流施設が建設されることが正式に決まったことについて、相模原市は「ものづくりの支援機能として物流は重要。税収や市民の雇用に良い効果を期待したい」(産業・雇用政策課)と述べた。
 「ものづくり都市」を掲げる市は、セントラル撤退が決まって以来、大型工場や研究所など、製造業を誘致しようと働きかけてきた。正社員での安定雇用や、周辺企業への経済効果も見込めるためだ。
 敷地の大半が物流施設になることは、製造業の誘致を目指してきた市の方針とは異なるものの、米ラサールなどが最大で1500人の新規雇用を見込む点については「想像以上の規模」と期待している。
 なお、跡地には物流施設以外にも薬用ハミガキのOEM(相手先ブランド供給)メーカー国内最大手・日本ゼトック(東京都千代田区)と、印刷大手・共同印刷(同文京区)の進出が決まっている。いずれも新工場を建設する予定。

− 12月 1日号掲載記事より−


12月 4日 火曜日

[ 三菱重工業 相模原製作所 ]

「放射線シールドシート」生産

 三菱重工業は12月中旬から、相模原製作所(相模原市中央区田名)を拠点に「放射線シールドシート」の製造・販売を開始する。  同シートは放射線量が高い場所での重機オペレーターの被曝量を半減させるタングステン製の「鎧」で、大林組と共同開発した。
 価格は仕様により異なるが、数百万円を予定。受注生産が主流となるため販売計画などは未定という。  三菱重工は東京電力福島第1原子力発電所の事故後、操縦室の周囲を厚い鉄板で覆った対放射線仕様のフォークリフトを納入したことがある。
 今回の放射線シールドシートは、こうした特殊車両の開発・製造で培った放射線遮蔽技術に、大林組が蓄積してきた除染作業ノウハウを反映させて開発した。  具体的には、放射線の遮蔽効果は高いものの総重量が約130`cに及ぶタングステンの鎧を、肩・腕部、腹・足部、首部に分解することで、各パーツの重量を約20`c以下に抑制。  さらに、これらのパーツを座席シートと一体的になる構造として、オペレーターの操作性を確保しつつ鎧着脱時の負担も軽減。
 遮蔽シート前面は左右に開閉するため、オペレーターの乗り降りも楽だという。同シートは土壌などの除染作業に使われる油圧ショベルのほか、クローラーキャリアやクレーン車などさまざまな車種に、組み付けることができる。
 三菱重工によると、小改造を施すことでほとんどのメーカーの重機に装着可能なほか、タングステン製の鎧の厚さなどを増すことで、放射線の遮蔽率を50%以上にも高められるとしている。
 このシートを導入することにより、ユーザー側も放射線遮蔽機能を備えた特殊重機の新規調達や、車両改造に必要となるコストなどが省けるとしている。
 三菱重工では、相模原製作所を始めとする同社内で一貫生産し、除染作業や放射性廃棄物の処理などを手がけるゼネコン・電力会社に採用を呼びかけていく考えだ。

− 12月 1日号掲載記事より−


12月 5日 水曜日

[ ボーノ相模大野 ]

3月開業 商業施設は 180店舗

 小田急線・相模大野駅西側地区市街地再開発組合と野村不動産は、開発を進めている大型複合施設「bono(ボーノ) 相模大野」の商業施設と公共施設を来年3月15日にグランドオープンすると発表した。
 相模大野駅から直結する約3.1fの大規模な敷地に、約180の店舗が集まる大規模商業施設、パスポートセンターや市民・大学交流センターなどの公共施設のほか、地上26階建ての分譲住宅や賃貸住宅が入る。
 商業施設は、90店舗が入る大型ショッピングセンターに加え、「ノースモール」「サウスモール」を合わせ90店舗からなる商店街で構成。サウスモール内には、飲食30店舗の「ボーノ横丁」も設ける。
 商業施設は、隣接する町田の巨大マーケットを意識するのではなく、街で求められている業態を中心とした店舗構成にしたという。
 地域最大規模となる書籍店「ブックファースト」やファッション「ZARA」、生活雑貨「ロフト」なども町田・相模大野エリアで初出店する。  さらに、地元ならではの店舗も導入。給食あげパンで知られる「オギノパン」をはじめ、横浜市戸塚区の老舗洋菓子店「カナール」、和菓子の「横濱長者町しげた」など、県内店が続々と出店する予定だ。
 また、商業施設の1、2階は「大フードゾーン」とし、37の食品専門店が入る。地域最大級のスーパー「ライフ」や高級ベーカリー「メゾンカイザー」などが出店する。一方、公共公益施設では、パスポートセンターや住民票取得などのサービスを提供する「相模大野駅連絡所」も設置される。


来年3月の開業を控え建設が進む「ボーノ」

− 12月 1日号掲載記事より−


12月 6日 木曜日

[ 12年 7〜9月期決算 ]

上場企業は大幅増益 為替差損の影響少なく

県央地域 18社が通期黒字予想

 相模原など県央地域に本社がある上場企業19社の2012年7〜9月期決算は、全産業の売上高で前年比1.7%減となったものの、経常利益17.8%増の大幅増益となった。円高による為替差損の影響が少なくなったことなどが理由とみられる。13年3月期の連結業績予想も、県央地域の19社中18社が黒字を見込んでいる。                     (千葉 龍太)

非製造業は苦戦

 県央地域の上場企業の7〜9月期は、ノジマ(本店は相模原とブックオフコーポレーションの非製造業2社が苦戦した。ノジマは薄型テレビ販売の不振などにより、経常利益が75.9%減、ブックオフも同43.8%減に落ち込んだ。
 製造業は全体的に堅調を維持した。県央地域の上場企業計19社のうち、製造業は17社。7〜9月期の全社の売上高は、同3.3%増、経常利益は同40.9%増だった。日本電産トーソクやニッキなど、エコカー減税終了の反動減の影響を受けた自動車関連の業種は軒並み減益となった。
 ただ、集計した浜銀総合研究所の新滝健一・主任研究員は「県央・県北地域の大手製造業は、他地域と比べて、自動車関連が少ない。エコカーの反動減や中国ビジネスの停滞の影響を大きく受けなかったのでは」とみている。
 一方、13年3月期の通期業績予想では、減益を見込む企業が複数あるが、東日本大震災で、宮城と福島の工場が大打撃を受けたプリント基板製造のメイコーを除く18社が黒字を見込んでいる。  なかでもアイダエンジニアリングは3年連続で売上高2ケタ成長を予想している。
 単価下落や受注減などに悩む地域中小企業と海外シフトで業績を伸ばす大手企業との格差は、今後ますます広がることも懸念されそうだ。
 なお、12年7〜9月期決算と通期業績予想を発表した上場企業の内訳は、相模原市内では、アイダエンジニアリング、昭和真空、ブックオフコーポレーション、ノジマの4社。大和市内は東洋製作所の1社。  厚木市内では、相模ゴム工業、ニッキ、野村マイクロ・サイエンス、イクヨ、盟和産業、アンリツ、オーイズミの7社。 綾瀬市内は油研工業、メイコー、多摩川ホールディングスの3社。海老名市内はアツギ。  座間市内は日本電算トーソクと東京コスモス電機の2社。愛川町は牧野フライス製作所の1社。

− 12月 1日号掲載記事より−


12月 7日 金曜日

[ 産業交流展2012 ]

市内企業が独創技術を披露

 中小企業による国内最大級の総合展示会「産業交流展2012」が11月20〜22日までの3日間、東京ビッグサイトで開かれた。
 相模原市内からも中小企業が多数出展。大手企業による海外生産シフトなどで、中小にとっては国内の事業環境が厳しくなっているものの、独創的な製品を並べ「メード・イン・さがみはら」をアピール。開催中、引き合いが多数寄せられた企業もあった。
 産業交流展は今回で15回目。出展したのは計943社・団体。昨年と比べると47多かった。3日間で3万人以上が来場したという。相模原からは、公益財団法人・相模原市産業振興財団が市内企業11社などで構成する「相模原ブース」を出展した。 同ブースでは、クライムエヌシーデー(南区下溝)が、得意の同時5軸加工を使った「極薄肉加工技術」などを紹介。会場にいた担当者は「大手企業からの問い合わせがあった」と説明に追われていた。
 クロスメディア(緑区下九沢)も、省エネ型保温カバー「ファインジャケット」を展示。人工衛星にも使われている同社のサーマル・ブランケットの製作技術を駆使した製品だ。
 最終日に会場にいた同社の吾妻透取締役は「引き合いが多く寄せられた」と手ごたえを感じたという。アルミをミクロン単位で高精度に加工した部品を展示したテムトス(緑区名倉)の中村太亮社長も来場者対応に追われた。「材料問屋からの問い合わせもあった。今後につながる。これからは需要の掘り起こしを狙いたい」。
 多芯多極ケーブルなどを並べた平栗(緑区久保沢)の平栗文夫社長は「熟練した人間が手作業で仕上げる。ノウハウが詰まっている」と話していた。


来場者が絶えなかった相模原ブース=東京ビックサイト

− 12月 1日号掲載記事より−


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