2012年(平成24年)
相模経済新聞社
TEL:042-757-3534
Google 検索

  全Webを検索
  サイト内を検索
cgi
日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

10月22日 月曜日

[ 相模原協同病院 ]

最新鋭NICU設置へ  妊婦高齢化に対応

 地域医療の再生に向け、神奈川県厚生農業協同組合連合会・相模原協同病院(相模原市緑区橋本)が、小児科の新生児集中治療室(NICU)を約6年ぶりに再開することが分かった。妊婦の高齢化など、リスクある出産が増えているなか、地域でNICUのニーズが高まっていることから決めた。最新設備を導入。来月の稼動を予定する。他院で生まれた重症の新生児も受け入れる。                           (澤田 久美子)

専門医が24時間体制

 NICUは早産や病気などで重症の新生児に対し、専門医が24時間体制で治療を行う。
 協同病院はもともとNICUを持っていたが、医師不足で2006年4月、産婦人科とともに閉鎖した。その後、産婦人科は復活させたもののNICUは再開のめどが立っていないなかった。そのため、「ハイリスク出産」が増加傾向にあっても、同病院では対応できず、緑区外の施設を紹介するしかなかったという。
 相模経済新聞社の取材に対し、横田行史副院長・小児科部長は「患者に負担をかけていた」と説明。さらに、同病院がある橋本は緑区の中心でリニア中央新幹線駅の計画もあり、人口増が見込まれるとの判断などから、再開を決めたという。
 県の「地域医療再生事業」の助成対象にも認定され、最新設備6床を導入する予定。稼動後は、小児科医師6人と専門看護師による体制を整える。県の「周産期救急医療システム受入病院」として、相模原以外からも患者を受け入れる。
 今年末には、新生児の搬送に特化した救急車も導入する計画。「安全な搬送で、周産期医療をさらに強化できる」(横田副院長)としている。
 一方、協同病院のNICU再開に対し、県も期待しており「県北部の地域医療に大きく貢献する」(医療課の地域医療・医師確保対策チーム)と話した。
 県は国の指針に従い、NICUを「県内全体で222床」とする設置目標を立てているが、現時点で36床が足りないという。
 相模原と大和市はともに、県の周産期医療体制で「県央北相地区」に属する。地区内の緊急対応可能なNICUは現在、北里大学病院(18床)を基幹病院に、社会保険相模野病院(12床)、大和市立病院(3床)がある。


NICUを再開する相模原共同病院=相模原市緑区

− 10月 20日号掲載記事より−


10月23日 火曜日

[ キャロットシステムズ ]

LANケーブル不要のIPカメラシステム開発

 キャロットシステムズ(相模原市緑区西橋本)は、建物に既設のテレビのアナログ同軸回線を利用してIPカメラが使えるシステムを、サン電子(東京都新宿区)と共同開発した。
 インターネット回線を利用した防犯・監視カメラなどを設置したい場合、古い建物だとLANケーブルの設置工事が必要だった。同システムだと、大掛かりな工事がほぼ不要で、IPカメラを使った監視カメラのシステムが導入できるという。
 今月初旬に千葉・幕張メッセで行われたアジア最大級のエレクトロニクス総合展「CEATEC・JAPAN」(シーテックジャパン)に同システムと新開発の「デジタル無線カメラセット」を出展。来場者から注目された。
 同社によると、監視カメラの分野では、解像度の高いシステムが求められる傾向にあり、なかでもインターネット回線を使い遠隔監視できるIPカメラのニーズが増している。ただ、古いマンションや店舗などでIPカメラを入れたい場合、LANケーブルの設置作業が不可欠になる。高規格マンションだと、工事だけで100万円以上かかるケースもあるという。
 開発したシステムは、既設のテレビのアナログ回線の差込口付近に変換器となる専用アダプター「TLC」を設置する。これにより、アナログ同軸回線がLANケーブルの役割を果たせるようになる。今後はマンションや店舗、ビジネスホテル・旅館、学校などへの販路開拓を進める。

CEATEC・JAPAN に出展した同社のシステム=幕張メッセ

− 10月 20日号掲載記事より−


10月24日 水曜日

[ さがみはら産業創造センター:SIC ]

マッチングを強化  EMS大手と連携促進へ

 さがみはら産業創造センター(SIC、相模原市緑区西橋本)は、市内企業と大手・中堅企業とのビジネスマッチングを強化する。
 第一弾として、同市緑区内に拠点があるEMS(電子機器製造受託サービス)大手のシークス、座間に主力拠点を持つ電動機器メーカー、三木プーリとのマッチングを始める。両社とも市内で協業できるパートナーを探しているという。
 11月6日にサン・エールさがみはら(相模原市緑区西橋本)で予定するビジネスフォーラム「南西フォーラム」でシークス、三木プーリの担当者が講演。参加企業との商談会も企画している。このほか、SICは、フォーラムに参加できなかった企業、自社技術を売り込めると考える企業などに対し、窓口となって仲介する。
 シークスは2年ほど前に緑区内に製造子会社「シークスエレクトロニクス」を設立したばかり。同拠点は、電気製品に組み込むプリント基板などを手掛け、グループのマザー工場となっている。SICによると、「相模原に設立して日が浅いので、さらなる協力工場を求めている」という。
 具体的には、回路基板や実装の製造受託、生基板メーカー、金型・板金加工、樹脂メーカー・樹脂成形の分野でパートナーを探している。
 一方、三木プーリも粉末成形技術に関連する「封孔技術」「切削技術」「焼結部品の用途開拓」などで、技術協力ができる市内企業と組みたい意向という。SICは「地域企業と大手製造業などのマッチングを増やしていきたい」としており、今後も第二弾を企画する考えだ。 

− 10月 20日号掲載記事より−


10月25日 木曜日

[ 浜銀総研調査 地域企業新卒採用 ]

来春計画 4年ぶりに増加

 来年の新卒採用は増加傾向に―。 浜銀総合研究所が相模原・大和市内を含む県下の中堅・中小企業を対象とした調査によると、来春の新卒採用予定者数は計1439人で、今春実績(1393人) と比べ 3.3%上回る見込みとなった。増加は 4年ぶり。                   (千葉 龍太)

業種別で格差も 製造業は減少傾向に

 回答した企業は539社。県内企業の新卒採用者数は、2010年の米リーマン・ショック後、景気悪化を受けて落ち込みが続いていた。ただ、内訳をみると、介護などサービス業や建設業、飲食業といった「非製造業」が19.5%増と大幅に上回る一方で、製造業は18.2%減る見込み。
 同総研は「大手企業による海外生産シフトなどで産業空洞化が進んでいるのが要因なのでは」とみている。
 一方、同時にまとめた県内中堅・中小企業の9月末時点における景況感調査では、「良い」とする回答から「悪い」を差し引いた指数(DI)は全産業で−22だった。前回(6月)調査時から3ポイント上昇。「低水準ながらも国内の設備投資の持ち直しに支えられた業種に景況感の改善がみられる」(同総研)という。金属製品や鉄鋼・非鉄、一般機械などでDIが上向いた。
3カ月先(今年12月末)の景況感の見通しは、全産業のDIが−24と悪化するとしている。

− 10月 20日号掲載記事より−


10月26日 金曜日

[ 高橋精密工業 ]

「技術者営業」好調 R&D向け受注増

 生産設備などを製造販売する高橋精密工業(相模原市中央区東淵野辺、高橋貞一社長)の「技術者営業」が成果をみせている。
 取引先に出向く営業マンをすべて技術者にしたことで、商談がスムーズになり、受注につなげているという。「営業段階で構想設計までやってのける」と高橋社長。図面や仕様書を待つだけの単なる下請けではなく、取引先に積極的に提案することも可能になったという。
 量産工場向けの設備を手掛ける同社。だが、大手製造業が量産品を海外生産にシフトしていることで受注減を予測。2003年から営業方針を転換し、研究開発向け製品に力を入れた。研究者と打ち合わせ、試作品などの生産に必要な設備を同社で製作する。
 具体的には、同社の得意先となる精密機械メーカーの光学部品の試作品設備などを請け負う。研究開発向け事業は当初、会社全体の売上高比率の1%にも満たなかったというが、今では約4割に拡大。高橋社長は「5年後には6割まで高めたい」と期待する。
 問い合わせは、同社 042(754)3211。

研究開発向け製品比率を4割まで高めた高橋社長

− 10月 20日号掲載記事より−


Copyright (C) 相模経済新聞社