2012年(平成24年)
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日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

9月10日 月曜日

[ 向洋技研 ]

鉄・アルミニウムの瞬間溶接装置開発
平均 0.02秒、消費電力 1/7で溶接

 溶接機を製造販売する褐洋技研(相模原市中央区田名、甲斐美利社長)は、鉄やアルミニウムなどの素材を瞬時に溶接できる装置を開発した。同社製テーブルスポット溶接機「マイスポット」に組み込み、新型機として10月に商品化し発売する。鉄なら平均してわずか0・02秒で溶接できるほか、消費電力も従来比7分の1以下に抑えられるという。甲斐社長は、「瞬間接着剤のように溶接できる」としている。
「高速溶接技術」と名づけた同製品は、超小型の溶接電源とトランスで構成される。鉄をスポット溶接した場合、従来比で15分の1程度の加工時間で済むという。
 金属同士をつなげるスポット溶接は、鉄などの材料を2枚重ねにして電気を流し、素材自体を発熱させる「抵抗溶接」を用いる。
 ただ従来法だと、時間をかけて素材に電気を流していたため、素材周辺に次第に熱が移り、焼けてしまう「溶接痕」が出る難点があった。
 開発した装置は、小型ながら10キロヘルツのトランスと同コントローラーで大電流を流し、制御する。材料抵抗ではなく接触抵抗を利用できるようになり、短時間での溶接が可能になったという。溶接痕も抑えられる。

10月に商品化、初年度 1億円目標

 価格は500万円から1千万円となる見込み。すでに国際特許を申請しており、初年度1億円の売り上げを目指している。装置単体でも販売する。「加工時間の短縮は生産コスト削減にも結びつく」(甲斐社長)とし、精密板金業界での販路を広げる。すでに自動車業界も興味を示しているという。
 向洋技研の「マイスポット」は1988年の開発以来、国内外でユーザー数を増やし続けている。現在、世界24カ国で使用されている。

− 9月 10日号掲載記事より−


9月11日 火曜日

[ 大和ハウス工業 ]

日産自動車跡地に物流施設
5階建て延床10万4200平方b

 住宅メーカー大手の大和ハウス工業梶i大阪市)は、相模原市南区麻溝台1丁目の日産自動車跡地に、同社最大の物流施設を新設する。自前で使うのではなく、複数の取引先企業に物流機能を提供する、同社で初の試みとなる「マルチテナント型」施設で、すでに着工しており、来秋の稼働を目指している。
「Dプロジェクト相模原物流センター」(仮称)は、約4万1800平方bの敷地に、鉄骨造り5階建てで、延べ床面積が約10万4200平方bの大規模施設で、同社が手掛けた物流施設としては、すでに稼働している大阪、浦安、福岡の拠点を上回る規模になる。
同社は「震災後、短期間で物流施設を求める顧客が増えたため、ニーズを見込んだ」(広報)と、建設に踏み切った理由を説明。相模原を選定したのは「地盤の良さと、圏央道開通による交通の利便性」(同)を挙げており、大企業から中小企業まで、規模や業種を問わず利用を見込んでいる。
相模原市内では三菱地所鰍ニ米不動産会社が国内最大級の延べ床面積21万平方bの「ロジポート相模原」の建設を開始したばかり。さがみ縦貫道「相模原愛川IC」の開通を年度内に控え、内陸部の物流拠点整備が加速している。

− 9月 10日号掲載記事より−


9月12日 水曜日

[ 東京商工リサーチ ]

シャープの業績悪化で影響懸念
相模原の47社 大和の11社に波及

業績が悪化している大手電機メーカー、シャープ(大阪市)の仕入れ先企業は、相模原市内だけでも47社あり、今後の影響が懸念されることが東京商工リサーチ横浜支店の調べで明らかになった。県内でも横浜、川崎に次ぐ3番目の多さで市内下請け企業の受注動向は、現在検討されているシャープの再建策に大きく左右されると同支店はみている。
シャープと同社グループ企業が直接取引する1次仕入れ先、間接取引がある2次仕入れ企業を算出した。

製造業が受注減を予測

 相模原では「1次」が10社、「2次」が37社あった。業種別でみると、製造業の割合が高い。いずれも半導体関連企業が多数ある田名工業団地周辺などに広がっているという。
同支店は「調査では、(今後はシャープからの)注文数が減ると予想する仕入れ先が目立っている」と説明する。
 一方、大和市内の仕入れ先は11社あった。県内全体では539社あり、全国でも東京、大阪に次ぎ3番目の多さだった。
 シャープの2012年3月期連結決算は、売上高で2兆4558億円を計上。リーマンショック前の2008年3月期と比べると、約1兆円減っている。また、最終赤字も3760億円となった。
 今年3月には台湾のEMS(電子機器製造受託サービス)最大手、鴻海精密工業グループと業務・資本提携を発表。しかし、下げ止まらない株価を理由に鴻海グループの出資条件の見直し説が浮上するなど、流動的になっている。
 8月末現在で、シャープは事業売却や人員削減などのリストラを検討。収益回復を目指している。事業縮小などを行った場合、「特定分野の取引がゼロになる可能性もあり、地域経済への影響で深刻化する懸念もある」(同支店)としている。 

− 9月 10日号掲載記事より−


9月13日 木曜日

[ クロコアートファクトリー ]

丸みを帯びたトレーラー開発

 創業以来、自動車のデザインを手掛けるクロコアートファクトリー(相模原市緑区根小屋、徳田吉泰社長)はこのほど、丸みを帯びたユニークなトレーラーを開発した。期待を込めた初の自社ブランド製品で、9月には生産体制も構築し、本格販売に踏み切る。
 トレーラーは英語で小部屋を意味する「ルーメット」と命名。曲面を多くしたデザインと素材を工夫して軽量で強度がある広い室内を実現した。徳田社長は「買った人が自由に使えるように広い空間づくりと軽量化を心掛けた」と自負する。広さが約9・6平方bのロング(予定価格180万円)と、約7・5平方bのショート(同165万円)の2タイプ。
 総重量が750`c以下のため、ルーメットはけん引免許が必要なく、引く側の自動車に連結パーツを取り付ければ、軽自動車でも利用可能。また、ロングでも約300`のオプションが載せられ、調理道具などが必要な移動販売店に向くという。
 すでに2台の試作車を製造し、国土交通省の認可も取得済みで、1台は津波で店舗建設が難しい岩手・釜石で、「走るカフェ」に、もう一台は山形でクレープ店として活躍。
 車のデザインや、表札や門扉などの鉄製品の製作・販売を本業とする同社が自社製品の開発に踏み切ったのは、「受注に左右される体質から脱却し、自社で自動車をつくりたい」という、徳田社長の夢があるからという。
 社長と社員3人は全員が、デザインから加工まで手掛ける「職人」。金属加工の技術を活かして、車の骨格にあたるシャシーから設計、製作、ボディもすべて自社製で、今後は販売やクレーム対応など、メーカーとしてのノウハウを積み、徳田社長は「(けん引車の開発で)自動車本体を製造するという将来の目標に一歩近づいた」と話している。

− 9月 10日号掲載記事より−


9月14日 金曜日

[ 相原高校 ]

仮設校舎に緑のカーテン

 県立相原高校(折笠初雄校長)は仮設校舎に横幅50bにわたる緑のカーテンを設置した。
 この仮設校舎は本校舎の一部が耐震工事をしている関係で生徒が使用して今年で3年目となる。夏は教室内が登校した時点で43℃まで上がる日もあり、冷房機器を使用しても気温が下がりにくかった。

キュウリ等で室温抑制効果

 このため、同高農業クラブ畜産科学分会養牛班の生徒が仮設校舎東側の壁際にキュウリ120本、ゴーヤ120本を植えて、つるが大きく伸びるよう壁全面にネットを張って育ててきた。
 この緑のカーテンが予想以上に大きく育って4bほどになったため、太陽光と室温の上昇を抑え、涼しくなったという。これを機に今後は使用電力量が昨年と比べどのくらい効果があったかを検証、今後の活動に生かす。
 一方、収穫した野菜は本校正門前で夕方に不定期で販売している。

− 9月 10日号掲載記事より−


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