2012年(平成24年)
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日刊 相模経済新聞


最新の相模経済新聞紙面から、厳選した記事をお届け致します。

3月12日 月曜日

[ 次世代技術 ]

アグリサーバで県知事賞
  農業環境モニタリングシステム

 今年2月の「かながわビジネスオーディション」で県知事賞を受けた合資会社次世代技術(相模原市緑区若葉台3-16-5、石井忠司代表)の「アグリサーバを用いた広域農業情報クラウド」が農業関係者を中心に注目を集めている。

全国9か所既設

 アグリサーバは三重大学大学院生物資源学研究科などと一般社団法人ALFAEの技術指導と、製造・設置工事にあたった㈲エルクラフトの協力を受けて開発した農業用の環境モニタリングシステムでネットにも接続、既に三重県や山形県鶴岡市をはじめ全国9カ所に22台を設置している。
 主な機能としては気温、相対温度、日射量、気圧などを感知する標準センサーをはじめ、風向風速、土壌データ(水分、温度、電気伝導度、pH)、放射線を測定するセンサー、静止画の記録と動画を閲覧できるネットワークカメラなどを組み込んでおり、モニタリングでは気象、土壌の環境などを研究者や農家、消費者が閲覧できる。
 同社はこうした機能で「高品質の農業」を目指し今後は栽培のノウハウや収穫率などの情報をクラウドで提供する事業化を計画する。

− 3月 10日号掲載記事より−


3月13日日 火曜日

[ とぴっくとーく ]

12年度大和商工会議所青年部会長に就く 笹森 浩史氏

もっと大和を知ろう

−−−12年度はどう活動を展開しますか。
 「これまでの総務、研修、親睦委員会に加えて広報、イベント関係2つ、それにビジネス向上委員会を設け、7つの委員会を中心に活動します。ビジネス向上委員会は青年部ができる有用な活動を模索するために設けます。各委員会の委員長には入会から1、2年の部員を充て、ベテランが補佐する形にします。人材育成と全員が積極的に活動に参加することが目的です。入会間もない人たちにどんどんアイデアを出してほしいですね。同世代の人たちと協力する大切さを学び、集団の中での調整能力を養ってほしいと思います」
−−−部員の構成は。
 「63人でスタートしますが、商店の2代目や若手後継者より創業者が多くなっています。 業種ではサービス業、最近はとくにIT関係の自営業者の入会が増えています。これまでの実績を踏まえながら部員の意識の変化に対応した活動をしていきたいですね」
−−−新しい事業は。
 「大和の産業がどう変わりつつあり、それが市にどんな影響を及ぼしているかについての認識を深めるため、『大和を知ろう』というテーマの研修事業を実施します。工場見学や商店訪問を通じて大和の今の姿を知る試みです。知っているようで本当は知らないことも多いのではないでしょうか。部員皆で認識を共有することが将来の活動に生きるのではないかと考えます」
−−−抱負を聞かせてください。
 「市民に青年部の存在意義を知ってもらえる活動をしたいですね。昨年は東北復興への物産展を開き多くの市民に協力していただきました。今年も市民まつり、阿波おどり、産業フェアなどを通じて市民との交流を深めたいと思います」 (戸)

− 3月 10日号掲載記事より−


3月14日 水曜日

[ 角上魚類 ]

相模原清新5丁目に新規出店

 鮮魚販売大手の角上魚類㈱(新潟県長岡市寺泊、栁下浩三社長)は3月2日、相模原市中央区清新5-27-13 に相模原店を新規出店した。全国で22店目、県内では大和市のつきみ野店に続き2店舗目。
 同社は鮮魚販売では国内第4位の売り上げだが、郊外型の専門店として注目される存在。本拠地寺泊から毎日商品輸送するため関越道沿線の店舗展開をしており、同店はその延長線上にある国道16号線近くで輸送条件が良いこと、つきみ野や日野など既存店舗からの距離がそれぞれ約10数㌔㍍で商圏の空白を埋める好立地が出店の事由という。

柱を排した店舗

 同店は日の丸自動車跡地を借り受け平屋建ての店舗を建てたもので、売り場面積は495平方㍍、駐車場は120台。店舗内は柱を排した構造で広く見渡せ照明も明るいLEDを利用。

加工代を払うと調理も

 鮮魚や乾物などが数多く並ぶが、新潟の米を除き商品はすべて魚関係に限定する。店内で作る寿司やエビフライなどの惣菜も豊富で、店で売る魚も100円から500円の加工代を支払えば塩焼き、煮魚などに店内で調理する。

三陸沖以南漁獲海域表示

 また、昨年来高まる海産物の放射性物質汚染への不安解消のため、築地市場から仕入れる太平洋側三陸沖以南の魚は、水揚げ港ではなく漁獲の海域を表示、消費者への配慮を心がける。
 2日はチラシ10万枚を配り、朝から数多くの客が並んだため時間を15分繰り上げての開店とした。同店の金山雄二店長は「企業姿勢や接客、商品どれも日本一を目指したい」と意気込みを語っている。

− 3月 10日号掲載記事より−


3月15日 木曜日

[ 津久井商工会青年部 ]

商店街に活気を!
  シャッターに祭りの絵

 使われなくなった商店のシャッターに絵を描いて商店街のイメージアップを−こんな願いを込め2月26日、津久井商工会青年部(高城健太会長)が中野商店街に色鮮やかな祭りの絵を完成させた。
 同商店街は古くから栄えていたが、周辺人口の減少や後継者難のため閉店する店舗が増え、シャッターが下りたままの店が目立っている。このため、商店街のにぎわい感が薄れ、活気に乏しい状態が続いている。
「このままではいけない、何とか商店街に活気を呼び戻すきっかけづくりを」と考えた同青年部は2年前、書店だった空き店舗のシャッターに絵を描くことを企画。作業の手始めとして昨年、シャッターの清掃と下塗りに着手する予定を組んだ。
その直後に大震災が発生。部内に「予定通り作業を進めていいのか」という声が上がったため一時中断したが8月、多摩美大の協力を得て二人の学生に中野地区の祭りをイメージした下絵を描いてもらった。
今年2月に本格的な色塗り作業を進め26日、部員と彩色に協力してくれた二人の女子美大生ら約15人が参加して絵を完成させた。
 出来上がった絵の大きさは縦2.5㍍横10㍍。 中央に赤い大きな獅子舞を描き、その両側におかめとひょっとこ、キツネなどの面を配し、全体にちょうちんをあしらっている。色彩感の乏しい通りの中で、ひときわ目を引くあでやかさだ。
 高城会長は「少しでも地域の活性化に役立ちたいと思って企画した。この絵を見た地域の人たちの気持ちが明るくなり、青年部の元気を感じてもらえれば」と話した。

− 3月 10日号掲載記事より−


3月16日 金曜日

[ 相模原ワコーグリーン ]

土壌改良剤で東北支援

 相模原市で造園業を営む㈲ワコーグリーン(南区磯部44―1、柳谷和幸社長)が開発した土壌改良剤「森の富植土」が、津波被害を受けた塩害農地の改良に効果があることがわかり、注目されている。
 同社は造園作業にともなって出る伐採樹木や芝生などを、従来は産業廃棄物として年1000万円ほどかけて処理していたが、「せっかく育った植物。なんとか次の活用法が見つけられないか」と活用法を考える中で、チップ状にした生木に特殊なミネラル液を加えて発酵させると土壌改良剤になることが分かり、2009年に製品化した。
 硬くしまった土壌に同製品を少しすき込むと、土中のEM菌(善玉菌)の活動が活発になり、半年でやわらかくなったという。また県内農業高校の栽培実験では、何種類もの野菜が「早く、大きく」育つことが分かった。

塩害農地で米収穫

 そして去年春。同社長は仙台市若林区の農家を訪れ、塩害水田の土と、それに「森の富植土」と製造に使ったミネラル液を加えた土の、2つのプランタを使った稲の栽培実験を開始した。開始後まもなく水田の土の苗は枯れたが、富植土では大きく育ち稲穂が垂れた。仙台に度々足を運んだ同社長は収穫した米を食べて「味は落ちるが、塩害農地で採れたことに大きな意義があった」と話す。
 この土壌改良で塩害農地や水の成分がどのように変化したのか、まだ分からない部分も多いため、同社は今年、塩分濃度をはじめとした各種データを取りながら再び実験し、被災農家の助けになれるよう取り組みを続ける。

− 3月 10日号掲載記事より−


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