2008年(平成20年)
相模経済新聞社
TEL:042-757-3534
Google検索

  WWW を検索
 サイト内検索

 

10月27日 月曜日

[神奈川建築コンクール]相模原で4件が受賞
相模女子大学ら優秀賞/一般の2件が奨励賞に

 今年度で53回目となる神奈川建築コンクールで相模原市内の住宅および一般建築物の各部門1件が優秀賞、一般建築物2件が奨励賞を受賞した。あわせて4件の受賞は横浜市内の11件に次ぐ2番目になり、「相模原で1度に4件受賞したのは過去最大ではないか」と市建築指導課は話している。
 また、住宅部門で大和市内の1件も優秀賞を受賞した。この表彰式が10月21日午後2時30分から県庁本庁舎3階の大会議室で行われる。
 応募があったのは住宅80件、一般建築物50件のあわせて130件(2007年度は138件)で、入賞したのは住宅の最優秀賞からアピール賞(環境)まで11件、一般建築物では最優秀賞該当がなく、優秀賞など11件。
 このうち優秀賞を受けた相模原市内の住宅は「ライトシェルフのパッシブソーラーハウス」を建てた淵野辺本町の宮崎実さん邸で、MDS建築研究所(川崎市)が設計、(有)菅野工房が施工した。また、大和市内では恐神貴行さんの「深見の住宅」が優秀賞を受賞、(有)ワークステーションが設計、(株)一吉建設が施工した。  この審査員総評では、パツシブソーラーハウスについて「バリアフリーの知恵を集め、車椅子生活者への温かい目が行き届き、四季の気温や光の変化を読み込んだシステムをはじめ、夜も寝息の聞こえるような造りで、在宅介護の用を見据えた設計に時代の先取りを見た」と評価。「深見の住宅」については「2階建てながら上下の階層で空間を仕切らず、家族が無理なくつながり合うような多重構造を工夫。相互にずれた床レベルがそれぞれに面白い感覚を呼び、生活を楽しむ応用性を有している」と評価した。
 一方、一般建築物で優秀賞になった相模原市内の物件は「相模女子大学マーガレット本館・体育館」(文京2—1—1)で、(株)日本設計(東京都新宿区)が設計、清水建設(株)横浜支店が施工した。この審査員総評では、「イチョウ並木とクロマツ林、緑化された屋上、中庭、2階屋上テラスなどにより緩やかに連続した明るい空間が打ち放しコンクリートの美しさと相まって大学の新しいシンボルになった」と評価した。
 また、奨励賞を受けたのは社会福祉法人ムクドリ福祉会の「むくどり風の丘保育園」(下九沢1558)と、社会福祉法人相模福祉村の「特別養護老人ホーム縁JOY」(田名7691)で、「むくどり」は袴田喜夫建築設計室(東京都渋谷区)が設計、(株)今西組が施工、「縁JOY」は(株)日比野設計(厚木市)が設計、小山建設が施工した。

 

[ハシモトコーポレーション]
屏風画を高精度スキャナーで複製化
11月からベルヴィ相模原で展示

 (株)ハシモトコーポレーション(相模原市宮下2—11—4、橋本欽至社長)は院展画家だった故吉川啓示氏が描いた屏風画「豊年喜雀」(1993年作)を複製化し、11月1日からベルヴィ相模原(清新8—2—7)1階のレストラン併設の画廊で展示する。
 国内初導入のドイツ製超高精細デジタルスキャナーで金箔の素地に複製化した「精巧なレプリカ作品」で、縦182センチ、横91センチを一双にした屏風画で、月明かりのもと、たわわに実った稲田で雀数十羽が嬉々として舞い、戯れる様子を一羽一羽精緻に描いており、観る人の表情が思わずほころぶ作品だけに話題を呼びそうだ。  また、同社が所蔵する狩野芳涯の掛け軸原画2点も同時に展示する。問い合わせは同社・電話042−774−0081。

 

【Sokei短信】

●相模原市が11月から助産所でも妊婦健康診断公費負担制度を開始
 従来は病院・診療所で受診する妊婦に助成してきたが、助産所でも健康診断5回のうち2〜4回目の合計3回分を助成する(1回目と5回目は嘱託医による受診)。助成金額は1回あたり3700円で、11月1日の受診分から実施するが、希望者は受診前に市健康企画課に申請する。同課内線5622。

●相模原市消防局が個室ビデオ店等特別査察
 10月1日の大阪市の「檜ビル」1階の個室ビデオ試写店「キャッツなんば店」の火災事件を踏まえて同日、各消防署査察指導課の署員12班26人が市内の12施設を緊急査察したもので、消火管理、消防設備等で8施設を指導した。

●友好都市カナダ・トレイル市訪日団が来相
 ラナ・ロドリー氏を団長に中高校生27人を含む36人の一行が10月3日に来日、14日まで市内の29家族にホームステイしながら小中学校を訪問したり、津久井地域の視察や日本文化体験を行い、6日には相模原市役所を訪れて加山俊夫市長と歓談、夜は夕食会で交流した。

10月28日 火曜日

[相模原市民ギャラリー]特別企画展
11月1日から「片野湘雲とその一門展」

 JR相模原駅ビルNOW4階の相模原市民ギャラリーは11月1日から30日まで特別企画展「片野湘雲とその一門展」を開く。
 片野湘雲は昭和の初期に上溝町で「湘雲画塾」を主宰、ここで学んだ吉川啓示、伊藤弘人、山本松枝らが院展作家になり、相模原の美術文化が初めて全国レベルで評価される礎を築いた。
 1895年(明治8)に上溝で生まれた片野湘雲は、ほぼ独学で日本画や書を学び、卓越した筆で評価され有力政治家や富豪とのつながりを持ってしばしば行動を共にするようになり、その行動は上溝に限らず遠く信州の天龍村、東海の浜松にまで及び、遠方の活躍のほうが語り草になるほどだった。
 そうした経緯もあって現在、地元相模原でその名を知る者も少なく、市民文化祭などで優れた日本画作品に贈られる「湘雲賞」の名が残っているだけで、「謎に包まれた遊歴の画家」とも言われている。
 そこで改めて、残された作品を通して湘雲を照射する、というのが今回の展示会で、市内や長野の旧家などが所蔵する軸装を主とした彩色画、墨画、水彩画など47点を展示、あわせて湘雲ゆかりの荒木十畝、高畑翠石、岡山高蔭の作品7点、門下の吉川啓示、伊藤弘人、山本松枝、山本梅枝の作品5点を展示する。
 同時に11月2日午後2時からは美術評論家の篠原弘氏による「片野湘雲の時代」をテーマにした講演会、11月9日と30日の午後2時からは同ギャラリー担当学芸員による作品ガイド、11月16日午前10時からは「湘雲ゆかりの地を訪ねて」として、上溝公民館—湘雲顕彰碑(宝光寺)—生誕地(元町自治会館)—湘雲墓碑—住居跡(旧郵便局裏)を歩く探訪会(定員20人)を行う。
 展示会観覧料は高校生以上の一般が300円、65歳以上が150円で、それ以外は無料。探訪会などの問い合わせは電話042−776−1262。

 

[ホテルラポール千寿閣]恒例のワインイベント
11月20日にヌーボーを楽しむ夕べ

 ホテルラポール千寿閣(相模原市上鶴間本町3—11—8、岩崎正社長)は11月20日午後6時30分から毎年恒例のワイン・イベントとして「ボジョレーの帝王ジョルジュ・デュブッフのヌーボーを楽しむ夕べ」を開く。
 帝王と呼ばれるデュブッフ氏が仕上げた様々なヌーボーの味わいを楽しむパーティーで、日本ソムリエ協会認定アドバイザーでサントリー(株)西東京支店の武川淳子さんが講師を務める。
 チケットがフランス料理とセットで税、サービス料含めて1人7000円で、この予約を受けつけている。電話042−749−1121。

 

[大和市防犯協会]
市内12地区で「安全・安心」たすきリレー

 県が2005年4月に施行した「犯罪のない安全・安心のまちづくり推進条例」が定める10月11日から20日までの「安全・安心まちづくり旬間」に合わせて大和市防犯協会(井川博之会長)による第4回パトロール・リレーが10日から20日まで行われた。
 その出発式が10日、大和駅東側プロムナードで行われ、関係者ら約200人が参加し、井川会長から大和、中央、深見の3地区代表者に「安全・安心まちづくり旬間実施中」としるしたたすきが渡された。
 住民による地域の連帯と安全活動の浸透、防犯意識の高揚をはかるためのパトロール・リレーで、大和地区などを皮切りに14日は南林間、15日は上福田、下福田、16日は高座渋谷、桜ヶ丘、17日が中央林間、下鶴間と続き、つきみ野、18日が鶴間、20日が上草柳と市自治連理事区の12地区でたすきが引き継がれる。
 一方、10日には大和駅周辺で大和・綾瀬地区防犯協会連合会(望月宏治会長)による防犯キャンペーンも行われ、大和署から委嘱された5人の一日女性警察官と共に、同会会員約70人が通行人らに啓発品やチラシを手渡しながら自転車の盗難や振り込め詐欺の防止で注意を呼びかけた。

10月29日 水曜日

[小田急電鉄]ロマンスカー・MSE車両デザイン
ブルネル賞とグッドデザイン賞受賞

 小田急電鉄(株)(東京都新宿区、大須賀頼彦社長)はこのほど、ロマンスカー・MSE(60000形)が9月30日に鉄道関連の国際デザインコンペティションの第10回ブルネル賞で「車両部門・奨励賞」、10月8日に2008年度の「グッドデザイン賞」を受賞したと発表した。
 ブルネル賞は欧州の鉄道建築家やデザイナーが集まるワトフォード会議で、1985年に創設された鉄道分野のデザインにかかわる国際コンペティションで、受賞したMSEは「ビジネス特急、観光特急としての洗練された車両デザインとハイレベルな室内環境に加えて分割が可能な車両構造で、多様な運行ニーズにフレキシブルに対応できる柔軟性も兼ね備えている」と評価された。
 グッドデザイン賞もまた、「ビジネスと観光という多様な運行形態とユーザーニーズへの対応を可能にしたデザイン性」が評価されたもので、同社車両の同賞受賞はロマンスカー・VSE以来で、通算4回目になる。
 今年3月に運行を始めたMSEは「マルチ・スーパー・エクスプレス」の略称で、地下鉄線内に乗り入れる初の全席指定制の6両編成2本と4両編1本が平日は大手町や霞ケ関など都心に向かうビジネス特急、土休日は北千住と箱根湯本を結ぶ観光特急として運行されているが、10両編成の併合も可能で定員578人が乗車できる。
 このデザイン設計は神戸芸術工科大学教授でアーキテクチャーネットワーク代表を務める岡部憲明氏が担った。

 

[三菱重工業]ターボチャージャー増産体制
ニチダイグループと資本・資本提携

 三菱重工業(株)(東京都港区)はこのほど、汎用機・特車事業本部(相模原市田名)が担うターボチャージャーのタイにおける増産に向けて(株)ニチダイ(京都府京田辺市)グループと資本および業務の提携で合意したと発表した。
 ディーゼルエンジン用のターボチャージャーは排ガス規制の広がりや、エンジンのダウンサイジングを背景に急増しており、重工は小型ターボチャージャーの生産能力を2011年度までに年間690万台に倍増する計画。その可変容量ターボチャージャー(ⅤGターボ)に使用する部品の供給をニチダイグループから受けている関係で、重工による全額出資のタイ現地法人Mitsubishi Turbocharger Asia社が、ニチダイの子会社ニチダイプレジョン㈱のタイ子会社NICHDAI(THAILAND)の株式31.8パーセントを譲り受けるとともにニチダイグループが重工の現地法人に部品を優先的に供給する方向で合意した。
 重工のタイ現地法人は現在、首都バンコクの近郊で新工場を建設しており、これに連動する形でニチダイは今年4月1日にブレジョン社、2日にタイ現地法人を設立した。

 

【イベント情報】

●薗部雄作展—蝟集するもの・同化するもの
10月21日から11月8日まで相模原市古淵2−3−7のギャルリーヴェルジェ。11月1日午後3時から石川翠(美術批評家)と薗部雄作によるトークを行う。電話042−776−6375。

●第17回羽渕完俊絵画展
 10月27日から11月8日まで大和市西鶴間3−5−6ハイネスアミティ鶴間2番館のギャラリー「カフェ・ビオレッテ」。「福・幸せを求めてⅡ」をテーマに富士山、フクロウ、月光・陽光、花、静物など油彩画約30点を展示。電話046−262−6668。

●プラネタリウム番組「まだ見ぬ宇宙の隣人をもとめて
 —青き空の彼方に」
 10月25日から2009年1月18日まで相模原市立博物館。1995年以降これまで見つかっている太陽系外の惑星300個以上と、地球の数倍から10倍程度の質量を持つ「スーパ・アース」の知的生命を問う映像を紹介する。電話042−750−8030。

●世界まるごとクラシック
 〜年末大感謝祭2008のチケット発売開始
 今年で2回目の「世界で一番楽しい!クラッシックコンサート」として12月22日午後3時、7時30分から2回、東京国際フォーラム・ホールAで開く。青島広志(指揮・お話)、川井郁子(ヴァイオリン)、清塚信也(ピアノ)、小野勉(テノール)らが出演、全席指定が5000円、トライアルシートが3000円でイープライス、チケットぴあなどで発売している。

10月30日 木曜日

[西武信用金庫]農・工の取引企業をマッチング
関東経済産業局から農商工等連携第1号の認定

 西武信用金庫(東京都中野区)はこのほど、地域力連携拠点事業で関東経済産業局から農商工等連携第1号案件の認定を受けた。
 同金庫の取引企業である(株)相馬光学(東京都日の出町)が開発した豚肉脂質測定装置(近赤外分光法による豚肉脂質の簡易・非破壊測定装置)を使って神明畜産(東京都東久留米市)がブランド化する「黄金豚」を開発、販売するという案件で、この両社から相談を受けた同金庫が同連携施策を紹介する一方、同事業のパートナー機関TAMA協会と連携してサポートした結果、認定を受けるに至った。
 同金庫は関東経済産業局が募集した地域力連携拠点事業に申請、全国316拠点の1つとして採択され、これを機に中小企業600社を対象に間診ヒヤリングを実施。9月20日現在で約200社が完了しており、今後は個々の企業の課題に応じた専門家派遣など各種支援施策を提案していく。

 

[小田急電鉄]2009年カレンダー発売
車両と四季折々の花をCG加工

 小田急電鉄(株)(東京都新宿区)は10月20日、2009年の小田急カレンダーを発売した。
 同社のWebサイト「小田急バーチャル鉄道博物館」に展示されている車両と四季折々の花をあしらったCG画像が楽しめるカレンダーで、オールカラーのB4サイズ28頁中綴じの体裁。
 価格が税込み1000円で、7000部を限定に小田急線各駅および売店、小田急百貨店(新宿、町田、藤沢各店)、小田急グッズショップ「TRAINS」(新宿および和泉多摩川店)で販売、ネットのオンライントレインズでも申し込みを受けつけている。
 ちなみに、「小田急バーチャル博物館」は同線開業80周年を記念して制作された特別サイトで、往年の車両から最新の車両まで11種類をリアルな3DCGで再現した「車両展示室」、車両の概要やポスター、記念乗車券などが見れる「資料室」、1927年の開業から今に至る歴史を写真で振り返る「沿線フォトヒストリー」、クイズに挑戦できる「クイズ・ザ・オダキュー」の4コーナーで構成。サイトはwww.odakyu.jp/museum 。

 

【sokei短信】

●第19回さがみおおの万灯祭りに20万人、
 第16回相模ねぶたカーニバルに21万5000人の人出
 ともに10月11日と12日、相模大野中央公園、リバティ大通りで行われ、万灯祭りは昨年より1万人減、ねぶたは昨年と同数だった。

●大和市立光丘中が校舎落成式と創立50周年式典
 同中(大和南2−11−1、佐藤満男校長、生徒数735人)の校舎やアリーナ、グラウンド整備など全ての立て替え工事が2006年10月から始まり、今年8月に完了したのに伴い10月11日に行ったもので、50周年記念式典には歴代の校長、PTA会長をはじめ生徒を含め約1000人が参加、大木哲市長らが祝辞を述べた。先行した校舎には屋上緑化や太陽光発電システム、雨水の浄化処理装置などが導入されており、今年4月1日から利用されている。また周辺地域への開放を前提に学校と住民双方が使いやすいプランを採用、10月18日からは地域のサークルなどが利用できる特別教室が開放された。

●大和市泉の森で小学生が「樹木博士」に挑戦
 上草柳の泉の森にある自然観察センターで10月4日に行われ、小学生と保護者ら18人が参加。最初にボランティア講師から鳥や昆虫の集まり方で木が見分けられるといった具体的なポイントを学んだあと森の中の樹木を観察、10種類の樹木の枝や葉の特長など説明を受けた。そのうえで認定テストに挑戦、コブシ、コナラ、クヌギなどの木の枝につけられた1〜10の番号順に解答用紙に木の名前を記入、1問正解で10級、全問正解で1級に認定される仕組みで、このあと認定証が全員に授与され、父親と参加した小学2年生の坂井りりあさん(8)は「試験は難しかしかったけれど、いろいろな木の名前を知り楽しかった」と話していた。

10月31日 金曜日

【ひと・生きがい】語り継ぐふるさと東林間の記憶
東林間在住・山下昌志さん
「子どもたちに地域愛深めてほしい」

 相模原市の最南端に位置する東林間地区。昔は中村新開と呼ばれた入植地も今は約4万人が生活するにぎわい感あふれる街へと発展し、茫漠とした田園風景は都市の景観へと姿を変えた。そんなふるさとの移り変わりを次の世代に伝えようと、前市議の山下昌志さん(71、東林間6—15—8)が今春、自らの体験を子どもたちに語った。「自分たちが住む街の過去を知り、愛着を深めてほしい」という山下さんの思いは確実に子どもたちの胸に届いたようだ。
 体験談は東林間地区内の小学校から依頼されたもので、東林小、上鶴間小、くぬぎ台小の4年から6年までの児童46人と保護者、先生合わせて50人余りが熱心に耳を傾けた。山下さんは自分の生い立ちや小学校時代の思い出を中心に東林間の今昔を語った。
 「私が生まれたのは昭和11年(1936)11月30日。当時の東林間はわずか12戸の小さな集落で、農家ばかりでした。昭和4年に小田急江の島線が開通し、現在の東林間駅には東林間都市駅という駅名がついていました。でも私が生まれてから5年後に『都市』の名は消えました。駅自体も駅舎は無く、バラ線で囲った盛り土が目印だったことを覚えています。電車の運行本数は1時間に1本程度でした。しかし、その後、小田急江の島線は東林間の発展に大きな役割を果たすことになります」
 「小学校に上がるとき、東林間に学校は無く、ここから1.5キロほど離れた中和田地区の大野第三国民学校(現・南大野小)に通いました。当時は深い林が続き、畑のあぜ道もあれば山道もありました。雨が降ればぬかるみだらけ。それでも早く起きて山ぶどうや野いちごを採りながら学校へ行くのが楽しかったですね。べーごまやメンコ、ビー玉といった今ではほとんどすたれてしまった遊びに熱中しました。相模大野の大野南中に2年間通ったときも、今では考えられないことですが、松林ばかりの道を避けて小田急の線路道を歩いたこともあります」
 「昭和20年の終戦後はだれもが食糧難という、皆さんには想像さえできそうもないつらい体験をしました。しかし、戦争中に一時閉鎖された東林間駅が、24年4月に再開されたことが発展の糸口になりました。東京へも横浜へも出やすいため多くの人たちが転入し、だんだんと人口が増え、商業も発展していきます。町の姿が少しずつ変わっていきました」
 「人口が増えるにつれて、地域に小学校がほしいという意見が高まり、昭和41年に東林小学校ができました。しかし、児童の数が増え続けたため、その後も5年おきに上鶴間小、くぬぎ台小が開校したのです」
 「相模原市南部の子どもたちにとって水に親しむ機会が少ないのは残念なことです。市内にはさまざまな川が流れていますが私自身、子どものころ泳いだり、魚を釣ったりした思い出は相模川だけにしかありません。ですからこの地域の人たちは、子どもたちが水泳を楽しめるようにできるだけ早く学校にプールを作ってもらうよう努力しました」
 「皆さんは今、何不自由なく生活していると思いますが、過去には豊かとは言えない生活を耐え忍んで暮らした人たちがいたこと、そして、今でも地域の発展に努め、安心・安全のまちづくりを支えている多くの人たちがいることを忘れないで下さい。東林間はとてもいいところです。皆さんがこの地域に愛着を深めながら暮らしてくれることを願っています」
 この後、話を聴いた児童全員のお礼の言葉をまとめた冊子が山下さんに届けられ、それには「初めて知ったことばかりで、感謝しています」「自分たちが暮らす地域の昔のようすがわかり、とても勉強になりました」といった感想が並んでいた。「私の話が過去と現在の架け橋になり、東林間を愛する気持ちが伝われば」という山下さんの思いが子どもたちの心に刻まれた証しに違いない。
 病魔に侵され昨年、主治医に「このまま議員活動を続けるなら命の保証はしない」と強い口調で迫られ、6期24年間務めた市会議員を退いた山下さん。厳しい治療を続けながらも、「これを止めるとストレスが溜まって回復が遅れるような気がして」と笑いながら煙草をくゆらす豪放磊落な気構えと、生まれ育ったふるさとへの愛着に衰えはない。

 

[キャタピラージャパン]
小型ホイルローダの3機種をモデルチェンジ

 キャタピラージャパン(株)(東京都世田谷区)は10月6日、小型ホイルローダをモデルチェンジした3機種を発売した。
 2002年4月発売の910GⅡをモデルチェンジしたCAT910H(バケット容量1.3立方メートル、運転質量6.88トン)は、フロント作業機能でリフトアームの上げ下げ時にもバケットアングルをほぼ一定に保つパラレル機能の追加で、フォークを装着した際の作業性能の向上や多用途性を一段と高めたほか、リフト力も従来機比で20パーセントのアップをはかった。
 また、除雪をはじめ生コンや砂利・砕石プラントなどバケット作業を主とするCAT924Hz(同容量1.9立方メートル、同質量10.1トン)、ねじれ剛性に優れる箱型断面構造のアームを装着したCAT924H(同容量1.9立方メートル、同質量10.8トン)は、モデルチェンジで新型のオートライドコントロールを標準装備し、ロード&キャリー作業時や除雪回送時などの車両の振動を低減したほか、作業機のコントロールを従来の2本レバーから1本のジョイスティックに集約するなど、操作性の大幅な向上もはかった。
 3機種ともオフロード法適合のエンジンを搭載、国交省低騒音型運転機械適合(一部申請中)の環境性能を備え、プロダクトリンクジャパン・ベーシックも標準整備した。 工場裸渡しの標準販売価格は910Hが1215万円(税別)で、年間500台の販売を目指す。また、924Hzと924Hは2110万円(同)で、2機種あわせて年間120台の販売を目指す。

 

県立相模原公園で「第4回姫柿展」
愛好家の作品展示ほか販売も/11月3日まで

 (財)県公園協会と(株)サカタのタネグループは10月28日から11月3日まで、相模原市麻溝台の県立相模原公園かながわグリーンハウスで「第4回姫柿展」を開いている。
 姫柿の栽培で知られる園芸家・山口安久氏の作品約60鉢と県内の愛好家による20鉢ほどを展示し、鉢植えの販売も行っている。

Copyright (C) 相模経済新聞社