2008年(平成20年)
相模経済新聞社
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9月8日 月曜日

【トップセールスに挑む】
(株)アスカ取締役 井上亜理子さん
飛躍的な売上げ増達成し取締役に昇進
「自分の努力を数字で証明したい」

 「これからの人材派遣業は専門職へシフトする流れになると思う。とりわけ保育士の資格を持つ人の派遣に力を入れていきたい」と語る井上さん。関東一円の10地域に営業拠点を展開する人材派遣の(株)アスカ(相模原市相模大野4—5—5)に就職して5年目。取締役の重責を担っている。
 人材派遣の仕事を選んだのは、前職の自動車関係の企業で検査と事務の仕事を8年間続けているうち、「このままでは何も変わらない。仕事をすればするだけ評価される仕事に就きたい」と考えるようになったのが動機だった。
 入社したとき「頑張って、認められたい」という強い思いがあったのは当然だが、その半面、「営業の仕事が自分に向いているかどうかわからない」という不安もあった。この不安を払拭するためにも強い意欲を持ち、誠実に取引先との打ち合わせやスタッフとのコーデイネートを重ねるうち、希望通り「頑張れば頑張るだけ成績が上がる」という手応えをつかんだ。加えて、「一緒に働く人たちとのチームワークもよく、働く環境に恵まれました」と振り返る。
 成果は数字になって表れた。オープン間もない八王子店で、数100万円だった売り上げを3000万円に伸ばし、2年後にはマネージャーに昇格した。努力と仲間との連携で自分の生きる世界を変えたのである。
 もちろん、人材派遣という仕事に求められる気配りも忘れなかった。「登録スタッフの希望や悩みを親身になって聞くことが絶対に大事」と力を込めて話す。取り扱う商品は「人」なのである。
 その一方、「派遣先の企業に、できないことはできないとはっきり言う」と自分のポリシーを貫く姿勢も隠さず、「今はこの仕事に就いてよかったと思っています」とさわやかに語る。
 現在、相模原店と八王子店合わせて月平均200人を約60社に派遣している。「大手に比べて、お客さんのニーズにスピーディーに応えられる利点を生かしている。長くいい関係を続けていきたい」。
 派遣スタッフにも派遣先の企業にも親近感を持ってもらうための営業ツールの1つが「御縁名刺」。図柄に5円玉と水引をあしらい、記載されたラッキーナンバーが毎週金曜日に行う抽選で当たればグルメやスイーツをプレゼントする。何回でも当選のチャンスがあるだけに長く付き合いを続けられるアイテムだ。
 保育士の派遣業務に力を入れるという方針は、今後の需要増を見込んだ上のこと。無論、ニーズを掘り起こすため、地域の保育園に積極的に足を運んでいる。すぐに仕事に結びつくとは限らないのは当然だが、いい関係を長く続けるための一歩にするために欠かせない手順だ。
 今後については「入社当初から数字を伸ばすことを目標にしてきました。これからも自分の努力を数字で証明していきたい」と明快に言い切る。

 

[相模原商工会議所]「さがそう!ネット創業塾」
起業のポイントをわかりやすく講義

 相模原商工会議所は今、創業を目指すサラリーマンや主婦、学生らを対象にした「さがそう!ネット創業塾」の受講者を募集している。
 創業支援に実績豊富な二人の講師が、本気で社長になりたいと考えている人たちに起業のポイントをわかりやすく講義する講座で、講師は松雪文彦氏((有)ビジネスサポートファーム社長)と加藤忠宏氏((有)アイ・リンク・コンサルタント社長)。
松雪氏はガイダンス、ロールプレイによる4Pの体感などを講義し、加藤氏は「インターネット市場の捉え方」「売れるWebサイトの企画と運営」「Webを使った創業計画書」などをテーマに指導する。
 過去の受講者で実際に創業した人の体験談も盛り込まれているほか、希望者には講座終了後に個別無料相談も行う。
 日程は10月4日と、10月18日から11月8日までの毎週土曜日(全5回)。時間は午前10時から午後5時。会場は相模原市立産業会館。
受講料は5000円(消費税込み)。定員40人で、申込先着順。問い合わせは電話042—753—8135。

 

[相模大野もんじぇ祭]初めての前夜祭も盛況
小雨の中、ジャズと地元の「食」を堪能

 夏の夜にジャズと地元の「食」を堪能してもらおうという、相模大野もんじぇ祭が8月22、23日、相模原市の相模大野中央公園で開かれ、ジャズの響きと食べ物の香りが会場いっぱいに広がった。
 4回目を迎える夏の風物詩で、今年は22日午後5時から初めての前夜祭を開催。曇り空のもと微風が涼味を運ぶ中、約20の模擬店が出店。若い母親に連れられた子どもや中高年のグループの姿が多く見られる会場に4、5人の小編成のバンドの演奏と歌が流れ、いくつかの模擬店の前には行列ができた。
 本番の23日は小雨。それでも予定通り小田急ホテルセンチュリー相模大野、伊勢丹相模原店を初め地元の中華、カフェ、寿司、イタリアン、居酒屋など33店が出展。傘を片手に好みの食べ物店の前で順番を待つ家族連れやカップルの姿が見られた。
 この日は同地でミュージックスクールを開いているプレイヤーや、第一線で活躍しているビッグバンドによる演奏が披露され、特設ステージの前には用意して来たビニールシートに腰を下ろして熱心に耳を傾ける人たちがいくつもの列を成した。
 曲が終わるたびに盛んな拍手が送られ、午後7時からはプロと市内のアマチュアプレーヤー数10人が一緒に演奏する市民セッション。「スウィング スウィング スウィング」を奏でるブラスやピアノの響きと来場者のかけ声が会場を包んだ。

9月9日 火曜日

[新横浜ラーメン博物館]
隣接地に新たな複合施設「新横浜ラントラクト」開業
カフェ、レストラン、トリートメントなど

 JR新横浜駅近くにラーメン博物館を運営する(株)新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区新横浜2−14−21、岩岡洋志社長)は9月3日、同博物館隣接地に新たな複合施設「新横浜ラントラクト」を開業した。
 新横浜ラーメン博物館は世界初のフードアミューズメントパークとして1994年3月に開業、15年目を迎えた今年、すでに約2000万人が来館したという。この成功を土台に今回開業する「ラントラクト」はオペラや演劇の「幕間の休憩時間」を意味するフランス語で、「現在、そしてこれからの時代に必要なコミュニケーションがテーマ」という。
 その施設は約843平方メートルの敷地に建てた地下1階地上3階建で、延べ床面積が約2355平方メートル。しかし単なる店舗ではなく樹木が茂り、滝が流れる高さ約25メートルの山を背にした自然とのコラボレーションによる施設で、地下を駐車場にしたほか、1階から3階まではそれぞれのコンセプトを持った「コミュニケーション」の場に設定、店舗自体は同社の直営だが、それぞれにキーパーソンを招き、オンリーワンの店にしたという。
 1階が陶芸家で料理研究家のカズコ・ロッシュ氏がプロデュースするフレンチカフェ「ラメゾネ」とブティック「ラメゾネ」(ほかに占いしるべ併設)、2階がレストランで「貴方の席」を意味する「ヴォートルシエージェ」、3階がトリートメントの「アーユルヴェーダサロン・ジャガト」とレストランラウンジ。
 新横浜駅周辺は近年、オフィスビルの集積が進み、今年3月には駅ビルも完成し、新たな拠点として脚光を浴びている。そうした中で同社はラーメン博物館に加えた新たな施設の相乗効果で「まちおこしの起爆剤にしたい」と話している。

 

[西武信用金庫]オリックス(株)と提携
保証付事業性ローンの取り扱いを始める

 西武信用金庫(東京都中野区、山崎正芳理事長)は9月1日からオリックス(株)と提携し、同社の保証付事業性ローンの①スピーディサポート②環境サポートの取扱いを始める。
 スピーディサポートは、中小企業の様々な資金ニーズに対応し、原則3営業日以内に融資の可否を回答する商品で、業歴2年以上と2期以上の決算を行い、保証会社の保証が受けられる法人を条件に運転および設備資金100万円以上5000万円以内(旧債返済資金含む)を上限に7年以内の返済で、同金庫の所定金利(変動)を適用する。
 また、環境サポートは原則スピーディと同じだが、環境負荷軽減に取り組みISO14001認証とかエコアクション21認証を取得した企業、取得していなくても環境経営の重要さを認識している企業(オリックス所定のチェックシート記入が必要)を対象に金利、保証料を優遇する。

 

【Sokei短信】

●相模原市立相模大野図書館で起業・経営相談
 10月4日午前10時、11時30分、午後2時、3時30分から行う。ビジネス全般、新商品開発・販売、製品・商品の販路拡大、特許・商標登録、経営に関する悩みなどで弁護士、税理士などの相談員が応じる。参加費無料で事前予約制。問い合わせは橋本図書館電話042—770—6600。

●スカイパーフェクトTVパッピー241chで
 9月から「ガンバレ自衛隊・安全保障アワー」を放映
 トランスデジタル㈱(東京都千代田区)の子会社メディア241(株)(東京都千代田区、後藤幸英社長)が番組を制作し放映するもので、これに先立ち8月7日にグランドヒル市ヶ谷でこの発表会を兼ねた披露パーティーが開かれ、防衛省の林芳正大臣、石破茂前大臣、小池百合子元大臣ら約400人が出席、「この番組を通して自衛隊の情報が世界に発信されるスタートになることを祈念する」という林大臣をはじめとした多数のメッセージが寄せられた。60分の番組では陸・海・空の自衛隊を紹介するニュース、在日米軍の活動を紹介する米軍情報アワーなどが放映される。

●相模原北警察署が橋本七夕まつりの警備で延べ80人動員
 8月8日から10日まで行われた同まつりには3日間で延べ36万4000人(主催者発表)が繰り出したが、同署(佐藤孝博署長)はこのため同まつり実行委員会(江成藤吉郎委員長)と事前協議を行い、まつり当日は祭典本部前に警備本部を設けて会場および周辺の道路から人で埋まった雑踏の警戒、少年補導、暴力団排除キャンペーンなどを行った。このために要した署員は延べで80人にのぼったが、大きな事故などもなく無事に任務を終えたという。

9月10日 水曜日

[(株)アイスリー]起業家オーディションで大賞を受賞
同社開発のゼンマイで開閉するドアに高い評価

 電力を使わずゼンマイ装置により人の小さな力で開閉するドアを開発した(株)アイスリー(相模原市南台5—1—1、石井正一社長)が8月1日、川崎市と川崎産業振興財団による第54回かわさき起業家オーディションビジネス・アイデアシーズ賞でかわさき起業家大賞を受賞した。
 このドアは初期1.5キログラムの引く力で15センチ動かすだけで開き、上つり式引き戸で床レールがないため段差もなく、バリアフリーに適しているとして、審査では「極めて高い成長性、収益性が見込まれる優秀なプラン」と評価された。
 応募があった17件の中で最高賞を受賞したもので、同社は関係団体賞としてりそな神奈川応援賞、会場応援賞も受賞した。
 このほか相模原市内の企業では(有)リンカーン高用波(関美則社長)が、EMI定規の普及に向けたプランでビジネス・アイデアシーズ賞を受賞した。

 

大和の市民劇団「演劇やまと塾」公演が盛況
「CANVAS〜大和に描く七色の物語」を披露

 大和の市民劇団「演劇やまと塾」(佐藤育子会長)の4回目となる公演が8月16日と17日、市生涯学習センターで行われ、盛況だった。
 市内在住の演出家で同劇団の講師を務める貝塚吉次さんの構成・演出により小学2年生から70歳までの劇団員17人が、泉の森を舞台に大和にまつわる様々な物語を歌やダンスなどまじえて演じた「CANVAS〜大和に描く七色の物語」を披露したもので、市内の福田で古くから伝わる「姥山伝説」や、大和駅プロムナードで開かれている「古民具骨董市」などをアレンジした物語が次々と展開され、県立中央農業高校和太鼓の演奏も劇中花を添え、舞台を盛り上げた。
 「演劇やまと塾」は、市スポーツ・よか・みどり財団が文化庁の「文化芸術による創造のまち支援事業」として、演劇で市民の心をつなぎ、地域ぐるみで文化を育むため2005年7月、塾生を公募し立ち上げられた。
 この結果、10歳から69歳(当時)までの男女29人のメンバーが劇団扉座(横内謙介さん主宰)のスタッフらによる指導で1年間、本格的な稽古を積み、2006年8月に市生涯学習センターで初公演した「大和爛漫〜和子の四季・桜の木の下で」を成功させた。
 そこで同塾は解散する予定だったが、メンバーの熱い思いから有志で存続する形をとり、新しいメンバーも加わってワークショップや稽古を続けた結果、これまで2回公演した。

 

【イベント情報】

●田宮義寛彫刻展ーテラコッタの人形
 9月3日から14日まで相模原市千代田2—2—15のギャラリースペース游。「未来を担う子どもたちに太陽のぬくもりを安心して肌で感じられる地球を」のメッセージを添えた作品12点を展示。電話042—856—1990。

●全天周映画「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」上映
 9月2日から2009年1月12日まで相模原市高根3—1—15の市立博物館。アポロの宇宙飛行士たち12人が初めて月に足を降ろした時の想像を絶する体験の再現、未公開のNASAの映像などをまじえた作品で、おとな500円、こども200円(団体は400円と160円)。電話042—750—8030。

●初めてのジャズ・秋−誰もが口ずさめるジャズの名曲ミニコンサート
 9月28日午後3時から県立藤野芸術の家クリエーションホール。鈴木リエ(ヴォーカル)、上田隆(ベース)、後藤輝夫(サックス)、金子政徳(ドラム)、続木徹(ピアノ)が出演。入場料300円、要電話予約・042—689—3030。

●第7回100枚のミニチュア展  9月11日から27日まで相模原市相模大野6—18—11のギャラリーサガン。0号から6号までの油彩、水彩、日本画、版画、パステル画などを展示。電話042—765—2908。

●第6回相模原よさこいRANBU!
 9月14日午前11時15分から古淵駅前市道、古淵西公園などで総踊りや演舞を披露する。

9月11日 木曜日

[ハシモトコーポレーション]
ジークレー版画による前野智彦展
ベルヴィ相模原1階で開催中

 各種印刷を手がける(株)ハシモトコーポレーション(相模原市宮下2—11—4、橋本欽至社長)が社会福祉法人相模福祉会運営のベルヴィ相模原1階レストラン(清新8—2—7)で行っているジークレー版画による前野智彦展が訪れる人の話題を集めている。
 同社が国内で初めて導入したドイツ製超高精細デジタルスキャナーによるジークレー版画は、美術作品の実物と寸分たがわないイメージを再現するため、様々な分野でデジタルアーカイブとして活用されている。
 それによって再生された前野智彦氏の作品は、「紙と鉛筆を持って、方位磁針を片手にある場所に行き、その地域を真上から捉えた風景を想像し、地図を描くように記述する。それに、地を這う蛇が空飛ぶ鳥の眼差しを想像のなかで模倣するような経験を可能にする」(前野氏)というもので、多摩美術大学在学中に東京ワンダーウォール賞、全国大学、版画展で受賞歴を持つほか、国内外で数多くの個展を開催、町田国際版画美術館、多摩美大美術館、雷梁舎美術館(新潟)、アルバータ大学(シカゴ)、シルパコーン大学(タイ)、台湾師範大学などが作品を収蔵している。
 今回展示された前野氏の作品はすべて相模原市の地図をもとに描いたそうで、それをジークレー版画として出力し上から油彩・ドローインを加えて制作したという。
 展示しているのは大小6点で、橋本社長は「相模福祉会から協力の要請を受けて今回初めての試みとして行ったが、今後でき得るならば本格的なアートギャラリーとして展開できるような企画を提案していきたい」と話している。

 

「フォトシティさがみはら2008」の受賞者発表
大賞には「MY LOST AMERICA」
(中野正貴さん)

 相模原市は8月20日、今年で8回目になる総合写真祭「フォトシティさがみはら2008」の受賞者を発表した。
 大賞のさがみはら写真賞には32人がノミネートされた中から中野正貴氏(東京都渋谷区)の「MY LOST AMERICA」、アジア賞にはノミネート6人の中からインドネシアで活躍するランス・ブラウマントヨ氏の「Soul Odyssey」が選ばれた。 また、新人奨励賞にはノミネートされた33人の中から朝海陽子氏(川崎市)の「Sight」、元木みゆき氏(千葉市)の「息の結び目」が選ばれた。
 大賞受賞の中野氏は2001年の写真集「TOKYO NOBODY」で日本写真協会新人賞、2005年の同「東京窓景」で第30回木村伊兵衛賞を受賞しており、今回の受賞作品について審査員を務めた東京芸大教授の伊藤俊治氏は「アメリカという20世紀の王国が経てきた時代層の重なりがかもし出す独特な空気感を漂わせ、見方によっては9・11の惨劇に至るひりひりするような緊迫した空気感の連続性を可視化していると言えるかもしれない」と評価した。
 アジア賞のブラウマントヨ氏の受賞作品シリーズは多くの新聞で高く評価され、パリ写真賞も受賞しており、伊藤氏は「エルサレム、ベツレヘム、ナザレといった中近東の様々な聖地を巡礼するような撮影旅行の中で、特別な記憶と歴史を持つ場所とそこに暮らす人々を独自の深みのあるトーンで定着させた」とコメントしている。  新人奨励賞の朝海氏はヤング・ポートフォリオ(2002年)、フォトプレミオ特別賞(2007年)、元木氏はひとつぼ展グランプリ(2005年)、三木淳奨励賞(2007年)、写真新世紀優秀賞(2008年)の受賞歴がある。
 一方、アマチュアの部では昨年を上回る応募作品3992点の中から小川賢氏(横浜市)の「花に唄う」がグランプリに輝いた。このほかの入賞者は次のとおりで、アマチュアの入選50人を含めたこれらの表彰式は10月10日に杜のホールはしもと多目的室で行われ、写真展がこの日から10月27日まで相模原市民ギャラリーで開かれる。
 [銀賞]岡田さゆり(和歌山県田辺市)▽樺嵜敏清(京都府福知山市)▽柴奥啓市(岡山市)▽武居節子(岩手県一関市)[市民奨励賞]若杉義男(相模原市)

 

[県産業技術センター]技術支援成果事例集発行
相模原の企業4社が紹介される

 県産業技術センター(海老名市下今泉)はこのほど、毎年発表している技術支援成果事例集を発行した。
 機械・材料技術部17件、電子技術部13件、化学技術部11件、工芸技術部8件の計47件の事例を紹介しているもので、このうち新規は11件、更新が2件になっている。
 また、企業の所在地別では相模原の企業4社が紹介されており、このうち新規事例として(株)ノイズ研究所(千代田)の高感度・広帯域光電界センサが同センター、青山学院大学による共同開発として取り上げられた。
 通信障害やEMI対策の電磁波問題に対しマイクロ波帯の電磁波測定技術には問題点が多く正確な測定が困難な状況の中で、光変調器と対数周期構造のアンテナを組み合わせ、高感度と広帯域を両立させた光電界センサを開発したもので、マッハツェンダー型光導波路とアンテナ構造の最適化により、ダイポールアンテナと同等の感度を実現した。
 このほか3社の事例は次のとおり。
 ▽ジーワイジー技術研究所(株)(西橋本)新デバイスの研究および量産スパッタ装置の開発▽(株)向洋技研(田名)テーブルスポット溶接機のための通信ソフトウェアの開発▽カノウ冷機(北里)熱交換器の高効率・耐圧化と冷凍システムの応用((株)西山製作所と共同開発)

9月12日 金曜日

[さがみはら産業創造センター]
トヨタ式カイゼン活動コンサルタント企業の
(株)カイゼン・マイスターと業務提携

 (株)さがみはら産業創造センター(SIC、相模原市西橋本5—4—21、石川幸二社長)は8月26日、トヨタ式カイゼン活動コンサルタント企業の(株)カイゼン・マイスター(同市東橋本1—15—1、小森治社長)と業務提携したと発表した。市内の中小製造業を中心にトヨタ式カイゼンシステムの導入をはかり、現場の生産管理などで効率化を促すのが狙いで、この種活動はトヨタOBによる企業が愛知県などで先行して行っているが、産業支援機関が提携して行うのは全国でも初めての試みという。
 (株)カイゼン・マイスターは、トヨタ系で相模原に本社を持つセントラル自動車(株)社長を2005年に退任した小森社長をはじめ同社OB5人で昨年設立、すでに相模原市内の企業を含め従業員数人の小規模企業から数100人の中規模企業まで約50社のコンサルティングを行っているという。
 そのカイゼン支援活動はおおむね3カ月から6カ月を要し、無料の予備診断で中小企業の製造現場を点検、作業環境、安全、品質などの改善すべき点を提案し、合意を得たあと在庫の大幅減少、工数低減、少人化、品質管理の強化などを通して企業の無駄を排し、収益改善につなげるという仕組みで、そうした中で注力するのが現場の人づくりという。
 SICが同社と提携したのはそうした改善の仕組みを市内の中小製造業などに導入を促すのが目的だが、SIC自体が従来行ってきた経営塾とか職場リーダー研修などに役立てる狙いもあり、カイゼン社もまたこの提携で新規顧客が取り込めるというメリットがあり、双方の思いが一致した。
 これによって両社は、「トヨタ式カイゼン入門編」として9月24日午後2時からサン・エールさがみはらキックオフセミナーを開く。
 中小企業の経営者とか工場長クラスを対象に、カイゼン社がコンサルティングを手がけた企業の事例を紹介しながらカイゼン支援活動の進め方などを紹介し、1社15分程度の個別相談にも応じるもので、先着30人を募集している(参加費無料)。
 また、SICはこれを機に今年度、市内の中小企業五社を想定したカイゼンコンサルティングを予定、この中で参加企業同士による集合研修も計画しており、2009年度はこれをさらに増やす考えで、このためにコンサルティング料の一部補助も検討する。
 一方で、これを弾みにものづくりのマイスター制度に取り組む考えも検討する。産業の各分野における退職OBをマイスターに取り込んで中小企業の支援に充てる試みで、これが実現すると相模原の「工業立市」を支える人材育成の「マイスター立市」になり、SICがその拠点になる可能性もあるため、今後の検討課題にする。
 ちなみに、カイゼン社が提携したのは横浜信用金庫に次ぐ取り組みで、SICとしても女子美大など大学と提携してきたケースはあるが、民間企業とは初めての試みになる。

 

[大和童謡の会記念コンサート]
9月14日・保険福祉センターで開催

 心なごむ童謡を唄い続けて今年20周年を迎えた大和童謡の会(竹下美智子会長)の記念コンサートが9月14日午後1時30分から大和市保健福祉センターの大ホールで開かれる。
 アルプス音楽団をゲストに迎え、一世のピアノ演奏もまじえ大和市奨学金に寄付するチャリティーを兼ねて行うもので、参加費が1000円。
 同市の奨学金は、経済的な理由で修学が困難な市内在住の高校生(通信制除く)を支援する制度で、現在の奨学生は72人を数える。このため童謡の会は過去にも4回の寄付を行っている。

 

【Sokei短信】

●県立相武台高校が文化祭の青陵祭で今年もシンボルアーチ
 同高(相模原市新磯野468、片野英治校長、生徒573人)の青陵祭は今年で28回目を数え、近年はシンボルアーチとして生徒たちが雷門、首里城、東京タワー、金閣寺などを制作、正面に設置して話題を集めてきた。その延長で今年は生徒の有志約20人が7月から夏休みいっぱいを使い、高さが過去最大級の10.6メートルの「三重の塔」を制作して披露したもので、テーマは同高校歌の「三知の風姿」から採用。塔内部の曲線部分を下書きする際は、1年生の提案でコンピューターに画像を取り込み、プロジェクターに投影させて描くなど、日ごろの「情報授業」の成果を生かし、新鮮な発想で取り組んだという。

●大和市上和田の久田地区で今年も伝統行事「ジャンジャン講」
 同講は150年から200年ほど前に農家が盆明けの時期に仏の供養と人々の健康を願って始められたと伝えられており、今では数え年13歳または14歳の男の子が子(ね)の刻(午前零時)から鉦と数珠を持って家々を回り、無病息災を祈願しながら鉦を鳴らすのが習わしになっている。今年は8月17日に行われ、市立上和田中1年生の露木滉平君と柏木貴博君の2人がこの役を務め、午前零時に親も一緒に地元自治会館を出発。明治20年(1887)製の銘が刻まれた直径役20センチの鉦を竹ざおに吊して担ぎながら2時間かけて32軒を回り、家々では温かい言葉と共にさい銭を受けたという。

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