工立化成、中国工場暴動で倒産/今年最大の県内倒産


 東京商工リサーチ横浜支店によると、プラスチック成形加工、工立化成(横浜市港北区)と関連会社コーリツ・モールド(同)が7月29日までに、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けていたことが分かった。
 同支店によると、2社の負債総額は約50億円としており、今年に入り最大規模の倒産という。
 工立化成は1970年に設立。携帯電話用の筐体生産が強み。国内では、本社と掛川工場(静岡県)の2工場を構える。
 04年には中国・上海に合弁会社を設立。現地生産を始めた。折りたたみ携帯電話のブームに乗り、00年6月期には売上高60億円を計上。
 その後は、スマートフォン(多機能携帯電話)の筐体生産にも乗り出した。金型から成形、塗装、加工までの一貫体制を構築して、12年9月期には売上高115億円にまで成長した。
 同社は今後も受注増を見込み、上海工場への投資を加速させていたという。
 しかし、今年5月、上海工場で労働争議がぼっ発し、現地責任者が突然稼動休止を表明。
 同月末までに工場内で従業員による暴動、略奪行為があり、生産計画が頓挫した。この影響で急激に資金繰りが悪化したという。
 同支店によると、中国での暴動が直接的な原因となり、倒産した県内企業の事例は珍しいとしている。
 なお、同支店によると、商品の製造・販売はこれまで通り継続しており、主要取引先である富士通が全面的に支援する方針。今後については、スポンサー型の再建を予定しているという。(編集部、2013年8月10日号掲載)

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