【神奈川議会】宇宙関連で企業や研究機関の交流拠点整備へ/緑区小田県議の質問で知事説明


黒岩祐治知事は2月25日の県議会本会議で、2025年度に宇宙関連産業などが交流できる拠点「宇宙ムラ」を整備するとし、相模原市や関連機関と連携していく方向性を明らかにした。リニアの神奈川県駅(仮称)を「降りたくなる駅」にする産業振興施策の一環で、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や宇宙関連産業が立地する強みを生かしたクラスター(集団)を形成したい考え。小田貴久県議=相模原市緑区、かながわ未来=の一般質問に答えた。【2025年3月10日号掲載】

県議会一般質問を行う小田県議=議会中継から抜粋

県議会一般質問を行う小田県議=議会中継から抜粋



黒岩知事は「神奈川県駅(仮称)の近くにはJAXA相模原があるが、ロボット産業と宇宙産業には親和性があることに加え、県内にはすでに多くの宇宙関連企業が立地している」と指摘。同駅を「降りたくなる駅」とするためにこの強みを生かす方針で、「宇宙関連企業等と新たに宇宙産業に参入を目指す県内企業が共創を図るための拠点を整備し、宇宙関連企業や研究機関などを集積させていきたい」と考えを示した。
県は25年度当初予算に関連予算として、宇宙関連企業交流拠点事業に7026万円を計上。このほか、宇宙関連産業参入促進等事業として、3125万円を盛り込んでいる。機運醸成や多様な企業間の連携強化を図るため、関連企業等による首都圏初、国内最大規模のビジネスカンファレンス(宇宙サミット)なども実施する計画だ。
小田県議は「ロボット産業や宇宙関連産業の振興は他自治体でも積極的に取り組む中にあり、神奈川県だからこそできる取り組みを目に見える形で企業等にアピールしていかないと差別化できない。具体的な支援策を打ち出すことで、県民の理解促進や機運醸成を図っていく必要がある」と指摘。黒岩知事に「神奈川県駅(仮称)を降りたくなる駅とするため、今後どのような産業振興施策を進めるのか」と考えを聞いた。
黒岩知事はビジョンについて「降りたくなる駅にしていくには、駅周辺をビジネス目的で訪れる人を含めて、何度も来てみたいと感じてもらえる魅力ある街にする必要がある。(ロボット産業)特区の取り組みを加速させ実用化を促進させるとともに、最先端ロボットの開発に向けた新たな発想が生み出される街を目指す」と説明した。
宇宙ムラとは、宇宙機製造や衛星データのビジネス利用、宇宙ゴミや宇宙保険等の関連サービス等のさまざまな分野の宇宙関連企業や研究機関などが集積する場所。

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。