「地元産の材料で取り入れやすく」/青葉薬局(城山)と今井敦子さん、季節の薬膳茶教室開く


春は新生活に自然と気持ちが引き締まる反面、花粉症や新しい環境への不安やストレスも多い時期となるはず。医食同源の考えに基づく「薬膳茶」は「季節の不調を和らげ、日常の食生活にも取り入れやすい」とウェルネス(より良く生きようとする生活スタイル)に関心が高い女性などから注目されている。【2023年4月25日号】

津久井産の材料で作った薬膳茶=記者作成

津久井産の材料で作った薬膳茶=記者作成



青葉薬局(相模原市緑区久保沢2)の薬剤師・藤田尚美さん、薬膳師で管理栄養士の今井敦子さんの2人が講師を務め、地元の食材などを使った「薬膳茶」の作り方や理論、季節に合った心身の整え方を教える講座を開いている。昨年度から始め、すでに2人がリピーターとなっている。

「このお茶は柑橘系の香りが鮮明」「酸味が少なくてまろやか」。区内などから通う常連の女性3人がテーブルを囲み、それぞれが作ったお茶を口々に試飲する。いれ立てのお茶の香りや味、鮮やかな色を楽しみながら、くつろいだ雰囲気になる。

講座は、中国の伝統医学「中医学」の解説から始まった。薬膳とは東洋に古くから伝わる栄養学のこと。自然と人との調和を説く「陰陽五行説」を基に、食を通じて足りないものを補い、気や血の滞りを無くして心身の養生を行う考え方だ。

春は「肝(かん)」の季節で、「肝臓だけではなく、目や筋肉、自律神経系なども含み乱れがち」(藤田さん)。そこで、春の不調におすすめとして提案するのが、ブルーベリーや金柑、レモングラス、玄米を組み合わせた、柑橘系のすっきりとした酸味と香り、香ばしさがアクセトとなる「卯月の薬膳茶」。ブルーベリーの「目の疲れを取る、血行を良くする」、金柑の「気の巡りをよくする」といった、中医学的な効果を期待したもの。

藤田さんは同薬局の2代目で、薬科大学卒業に八王子の漢方薬局などで研さんを積んだ。昨年の春ごろに偶然来店した今井さんと「薬膳」で意気投合。これまでも薬膳食などの講座を開いていたが、「中医学の考え方をさらに広めたい」と薬膳茶の講座を始めた。

玄米を煎り、乾燥したブルーベリーや金柑を砕いて、レモングラスを細かく刻む。ミルで挽いて合わせたものを、一つずつティーパックに詰めて糸で縛る。全員ほぼ同じ分量、同じ作り方で作ったが、材料の切り方・砕き方、煎り加減などで味や香りに違いが出るのも手作りの醍醐味だ。

湯を注ぐとブルーベリーの紫が広がるが、すぐに金柑の酸で化学反応を起こし鮮やかな赤紫に変わる。金柑の橙色やレモングラスの緑も相まって、目で見ても楽しい。

山梨県産の玄米を除き、材料は市内産の農産物。今井さんは「季節のものではないが、地域の直売所などで手に入る食材で薬膳をわかりやすく伝えたかった」と話した。

6月は夏、9月は秋、11月は冬と季節それぞれの薬膳茶を学び、翌年の1月には参加者の体質や体調に合わせた配合のお茶を作る。4人までの少人数制で、料金は1回2500円。参加者のほぼ全員が女性だ。

日程などの、問い合わせは、同薬局042・782・3088へ。

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