宮ケ瀬湖を「釣り」活用へ/民間事業者と意見交換


相模原市、愛川町、清川村の宮ケ瀬湖周辺自治体は、同ダム湖周辺地域の観光振興に向けて、国や県、宮ケ瀬ダム周辺振興財団とともに「日本でもっとも環境に配慮した湖面利用」としてフィッシング(釣り)の実現性を検討している。事業の検討・推進にあたり、実施・運営の手法、収支見込などについて民間事業者から意見・提案を募集する。【2023年3月1日号掲載】

湖面利用は係留設備を使用した釣り用の手漕ぎボートでのフィッシングを想定。撒き餌や餌釣りは禁止とするが、餌釣りはワカサギ釣りに限り12月~翌2月の3カ月のみ認める。

既存の係留設備は遊覧船、競技用のカヌーや漕艇(ボート)のみの利用に制限されているため、釣り用ボートが使用できないとする。また、同ダム湖では出水期と渇水期で10㍍ほどの水位変動がある人造湖であり、対応した係留施設(浮き桟橋)や釣り船の整備が必要となる。一部の湖岸が険しく、ダム管理者が許可した場合を除き立ち入りが禁止されている。

湖面利用は、遊覧船「みやがせ21」の運行のほか、県立宮ケ瀬湖カヌー場の係留設備を使用したカヌー競技・練習、親水池でのカヌー教室や自然観察などが主。同ダムの2019年度年間利用者数は155万人で全国のダムでもっとも利用者が多く、「釣り」以外の利用者数で10位以内に入った。

いずれの利用者も近年は減少傾向にあり、約4千人だった親水池の教育学習やリラクゼーションは、4分の1以下の781人にまで大きく減った。もっとも多い湖面遊覧は、2018年度から21年度で3分の1程度の7687人に減少している。

湖面スポーツ・レクリエーションは18年度から20年度で約2400人減少したものの、アウトドアブームのためか20年度から21年度で約1500人増加した。

同ダム湖には、ワカサギやアメマス、タイガートラウト、アユ、ニッコウイワナ、サクラマス(ヤマメ)といった釣りの対象となる魚類など20種類以上の魚類が生息。国外外来種であるニジマスやブルーギルなども確認されているが、オオクチ(ラージマウス)バスは確認されていない。

事前説明会が23日午前10~11時、県立宮ケ瀬やまなみセンター本館(清川村宮ケ瀬)で開かれる。説明会不参加でも対話への参加は可能。問い合わせや参加申し込みは「事前説明会参加申込書」に必要事項を記入し、16日午後5時までに同市観光シティプロモーション課(電話042・769・8236、pr@city.sagamihara.kanagawa.jp)へ。

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