相模原市緑区の岡川鍼灸師、7月にイタリアの空手家受け入れ/城山地域の商工業などと連携も検討


岡川さん(右)の案内で小倉橋近くを視察するパオロ氏

岡川さん(右)の案内で小倉橋近くを視察するパオロ氏



「産・拳(空手、ボクシングなど)・学連携で地域に外国人アスリートを」。相模原市緑区で岡川鍼灸院を経営する岡川智行さんは7月の第1~2週目をめどに、イタリアの空手選手や空手愛好家などの「スポーツツーリズム」を受け入れる。地域資源をスポーツの力で観光資源化するとともに、空き家や労働人材不足など課題解決の糸口となる可能性も秘める。地元商工団体を通して飲食店や不動産会社などと連携して、地域経済の振興につなげたい考え。【2023年2月20日号掲載】

岡川さんは「城山地域を〝なぜ外国人がこんなに歩いているの〟と言われるまちにしたい」と意気込みを見せる。

城山商工会の「産」、空手やボクシングなどの「拳」日本工学院八王子専門学校の「学」が連携して対応。期間中の滞在は空き家や遊休施設を活用する。参加者の規模は未定。

イタリアの空手関係者からは城山の製造業「平栗」の平栗文夫社長(城山商工会会長)が理事長を務めるNPO法人めいぷるの「ノルディックウォーキング」にも参加したい意向もあるという。

欧州のスポーツ組織「US(スポーツ連盟)・ACLI(アクリ)」から推薦を受け、イタリアの空手師範パオロ・アルロッティー氏(ニケリーノ市議)が2022年11月に視察。以前から交流があった岡川さんと、岡川さんとの縁で繋がった平栗さんらの案内で、地元アスリートのトレーニングにも利用される城山湖周辺や、2020東京五輪の自転車競技でコースの一部となった小倉橋などを見学した。

イタリアは、日本で人気になる以前より自転車競技が盛ん。「五輪のレガシーを交流の資源として活用できるのでは」との期待もある。

岡川さんは鍼灸師の傍ら、プロアスリートや実業団スポーツチーム、学生などのコンディショニング・トレーナーとしても活動。東京五輪では代表選手団のコンディション管理や、日本代表選手にも指導している。

パオロ氏とはSNSを通じて知り合い、岡川さんが開いたオンライントレーニングなどにも参加。空手道場や関連イベントが多い東京都心部とのアクセス性が良好な相模原の利便性に着目し、トレーニングや滞在などアスリートの活動拠点を提供する構想を練っていた。

城山地域以西の中山間地域では、林業の働き手不足などが課題となっていることにも着目。岡川さんは「外国人アスリートのトレーニングの一環として、活用できないか」と提案している。

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