相模原市、津久井・中野地区の公共施設再編など検討


右から津久井中央公民館、同総合事務所、同福祉センター

右から津久井中央公民館、同総合事務所、同福祉センター



相模原市が8月に策定した、津久井総合事務所(緑区中野)周辺公共施設の再整備基本方針を踏まえ、地域団体の推薦者や公募市民で構成する市民検討会を設置し、基本構想の策定に向けて検討を進めていく。公共施設の再編・再整備を行うことで、津久井地区の地域拠点を創出し、持続可能なまちづくりを目指す。【2022年9月12日号掲載】

3日には初の会合が同事務所で開かれ、地域団体や経済団体の関係者、県立津久井高校の生徒、公募住民など約20人が参加。グループワーク形式で新しい施設のイメージについて話し合った。ファイシリテーター(有識者)に志村秀明教授(芝浦工科大学建築学部)、朝日ちさと教授(東京都立大学都市環境学部)が就任した。

石原朗緑区長は「そのまま作り直すのではなく、サービスや機能の集約など合理的な考えが必要。ここに必要な機能はどのようなものか、皆さまと一緒に考えていきたい」とあいさつした。

グループワークでは3つの班に分かれ、サポート役の学生が手伝いながら意見出しを行った。3班に共通する意見は「交流」だったが、それぞれ「津久井城から湖岸まで滑り台」「ブランコ」といったユニークな提案もあった。

地域内の公共施設の72%が築30年を超えており、老朽化が進行している。特に、津久井総合事務所は学校と市営住宅を除き、市体育館に次ぐ2番目に古い。1964年に旧津久井町役場として建設され60年が経っているため、建て替えなどの検討時期を迎えている。

周辺には中央公民館、老人福祉センター、保健センターなど、築30~40年が経過し、改修時期を迎えている施設が集まっている。公共施設に求められるサービスや機能が建設当時から変化しており、改修・更新を機に施設のあり方を見直す。

津久井地区の人口は20年時点で約2万4200人だったが、40年後の60年には5割以上減少の1万1250人になると予測されている。年少、生産世代、高齢者のいずれもが減少し、特に年少人口が一貫して減少するなど少子化が進行する。

市は29年度をめどに、後継施設の供用を開始したい考え。23年度内に建設地や規模、導入する機能などを盛り込んだ基本構想をまとめ、23~24年度で基本計画を策定していく。

□基本方針では

21年度に開いた市民対話ワークショップでは、「ともに育む〝つくい〟の拠点~自然と歴史を感じるみんなの交流空間~」を基本理念として設定。「津久井の魅力(歴史・郷土・自然など)に触れ、協働による賑わいが生まれる場所」「津久井の自然を感じ、環境と共生する場所」など5つの方針も掲げた。

「津久井産材を内装などに活用する」「世代間が交流できる施設」「カフェなど食事ができる機能(展望レストランなど)」「太陽光発電設備などを備え、非常時に避難所としても機能できる施設」などの意見が出ていた。整備費の調達にクラウドファンディングを活用し魅力ある地域の特産品を返礼品とする案や、小中学校を一貫校に統一し一方の敷地を道の駅とする案もあった。

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