神奈川3政令市、住民に向け特別市の意義説明へ


4県市首長 新たな大都市制度「特別市(特別自治市の通称)」の法制化を目指している相模原・横浜・川崎の3政令市は7月27日、横浜市役所で共同会見を開き、特別市の法制化の必要性を訴えた。県と3市の間に意見の隔たりがあることを認めており、政令市の市民やほかの県民に特別市制度の意義やメリットを説明していく方針を示した。住民目線の議論を進めながら、法制化につなげたい考え。【2022年8月1日号】

5月の4首長懇談会では県から①県が担う総合調整機能の喪失②県の財源不足が拡大するおそれ③県民・市民への大きな費用負担④住民代表機能への影響―課題・懸念として指摘。「住民目線から見て法制度化することは妥当でない」との見解を改めて述べた。二重行政の解消についても「政令市の要請に応じて、必要なことから実現してきた」との認識をみせた。

3市はそれぞれの指摘に対し、考えと方向性を示した。②については「一義的に地方交付税で措置されるべき」とした上で、地方税財政制度の見直しなどが必要と指摘。県から留保財源が大幅に減少すると示されていることについて、県が提示する根拠となる数字をもとに調査・研究していくことを提案した。

③は県市間で検討・協議すべきとし、「住民サービスの水準がどう変化するかについても精査が必要」と訴えた。人口減少や少子高齢化など社会経済状況を踏まえ、効率的・効果的な行政運営の観点などを含め、幅広く総合的な検討が必要としている。

④では「何らかの『住民代表機能を持つ区』が必要」とした。区は役割、予算、裁量などを拡充するとともに、区長の位置づけの強化、区行政に対する議会の意思決定・チェック機能を強化する方針を示した。

特別市について、大都市が抱えるさまざまな課題に対応し、将来に向けて持続可能な行政サービスを提供するため、「大都市にふさわしい権限と税財源を併せ持つ」と説明している。「特別市は迅速かつ柔軟な行政運営が可能」「県は特別市外の市町村の補完・支援に注力できる」とし、具体的に窓口業務の一本化や、地域の実情を踏まえた課題解決などを目指すべき姿とした。

特に、神奈川県は全国で唯一政令市が3市ある人口規模が大きい県(約923万人)という特殊性を持つ。これに対し3市は「都府県の役割・事務量に大きな差があるが、地方自治制度は基本的に全国一律」「政令市の市民は同じ県民税を払っているが、県から受けるサービスには較差が存在」などと指摘している。

県市長会の会長を務める相模原市の本村賢太郎市長は「特別市の議論が進む中で、他の市長からは県の財政や行政サービスの低下を懸念する声もあった」と報告。今後について「県と3市間でしっかり建設的な議論や検討を行い、国の地方税財政制度の見直しに対応していく。特別市になることで県や近隣市町村と新たな連携・協力関係をつくれる」と強調した。

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