ノフィタヤニさん、国会の会議場でスピーチ披露/柏木実業専門学校


公益社団法人青少年育成支援「大和の心」主催の教育フォーラムが3月30日に開かれ、衆議院第1議員会館(東京都千代田区)の国会国際会議場の壇上で柏木実業専門学校(大和市深見東1)の学生がスピーチを披露した。情報ビジネス科2年のアン・ノフィタヤニさん(インドネシア)はスピーチを終え、取材に「立派な会場でとても緊張したが、練習の成果を発揮できた。貴重な体験は一生の思い出として残る」と答えた。

日本語で熱弁を振るうノフィタヤニさん

日本語で熱弁を振るうノフィタヤニさん



スピーチのテーマは「私は私の道を歩く」。同校での学業の楽しさ、生活費・学費を得るためにアルバイトに励む一方、学業と仕事に追われて忙しく過ぎていく日々を指摘され、日本に留学した意味を再確認していく様を巧みな日本語で語った。

ノフィタヤニさんは将来の夢を「一人前に生きる」とし、母国で日本の雑貨を扱う会社を設立しようと考えている。同校では商業実務教育として、簿記やパソコンの資格取得に向けて学業に励んでいる。スピーチでも「簿記の勉強が楽しく、放課後もギリギリの時間まで勉強」と日々の様子を伝えていた。

勉強の後は小走りで駅に向かいアルバイトへ。アルバイトでは「ベテラン」と呼ばれるようになり、仕事で困ることもなくなっていた。家に帰ってルームメイトの相談を聞いているうちに就寝時間という日々だった。自身でも「毎日が忙しく、私の留学生活はとっても充実している」と思いながら過ごしていた。

その中、担任の先生から「ずっと『三角』で生活しても幸せにならないし、心もなくなることもある」と指摘されたことがノフィタヤニさんの転機に。家を出れば学校、学校を出ればアルバイト、アルバイトが終われば家を考える三角の生活で、終わり(留学の目的)が見えなくなっていた。

先生の言葉をきっかけに見晴らしのいい公園に行って、色づき始めた紅葉を見て季節の変化に気づいた。一度立ち止まることで、忘れていた「日本にいることは夢につながるチャンス」と思い出し、「これまでと同じように家・学校・アルバイトの生活だけど、これらは夢につながる過程。前とは同じじゃない、自分の道を歩き始めた」と考えを改めた。

青少年の国際化を進めるために、日本人学生は英語で、外国人留学生は日本語でスピーチするという共に外国語での発表を行う企画だった。参加者は「大和の心」の募集に応じた学生で、東北や九州など全国から150人ほどの参加者があった。

同校では留学生の在校者に、簿記をはじめとする各種検定試験の資格取得指導を行うとともに、日本語の習得にも力を入れている。その成果を試すため、毎年、県専門学校各種学校協会主催の外国人留学生スピーチコンテストに学校代表が参加している。

桐野輝久校長は「日本人発表者も素晴らしい英語力を発揮したが、それにも劣らない日本語力で会場から賞賛されたことが誇らしい。(ノフィタヤニさん)はスピーチで、私費留学生は学費生活費を工面する日々で、自分の目的に合う学習も不十分と述べていたため、会の最後に会場に向けて、留学生が日本での活躍を願う気持ちや彼らを多面的に応援してほしいことを伝えてきた」と話した。

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