49回衆院選、14区に両党幹部応援/甘利陣営ポスター3回張り替え(13区)


2021衆院選3 第49回衆院選は1031日に投開票が行われた。神奈川14区(旧津久井郡を除く相模原市緑区・中央区・南区の一部)は自民党の赤間が前回同様に選挙区を制した。神奈川13区(大和・海老名・綾瀬の3市と座間市の一部)は自民幹事長の甘利を僅差で上回り、立民・新人の太が初当選。神奈川16区(同市南区の一部と旧津久井郡など)は立民の後藤が競り勝ち、自民の義家が比例区で復活当選した。

 神奈川14

 与野党一騎打ちとなった14区は、自民と立民の両党から「重点選挙区」と位置づけられ、両党幹部らが続々と応援に入った。選挙最終日には、自民の岸田文雄首相が14区入りして赤間氏を支援。立民の枝野幸男代表は、選挙公示前に長友氏の応援に14区入りした。

両陣営ともコロナ過の中で大規模な集会などは開催できず、辻立ちや駅立ち、ミニ集会がメインの選挙戦となった。

赤間陣営は決起集会を開かず、選挙中は辻立ちと駅立ち中心の戦略を展開。そして選挙戦中盤から終盤にかけ、主要駅前で演説会を開催。赤間氏が所属する麻生派の麻生太郎党副総裁のほか、片山さつき参議員、小泉進次郎前環境相らが応援に駆け付けた。

選挙戦最終日に相模大野入りした岸田首相(右)

選挙戦最終日に相模大野入りした岸田首相(右)



選挙戦最終日の10月30日に、岸田文雄首相と河野太郎党広報本部長が相模大野駅前で応援演説に立った。岸田首相は「(赤間氏は)この4年間、自民党の中堅として、きらりと光る仕事をたくさんしてくれた」と述べ、衆院国交委員長や内閣府副大臣、総務副大臣など赤間氏の実績を強調。「コロナ禍で大きな転機を向かえているこの時、自民党になくてはならない人材。一緒に日本を切り拓きたい」と訴えた。

河野氏は、ワクチン接種・行革担当相の経験から、接種1日100万回の達成やハンコの廃止など、政府の政策実績をアピール。その上で「日本の課題解決には、相模原市の今後には、赤間二郎がいなくてはならない。弟分の二郎を頼みます」と訴えた。9月に行われた自民党総裁選では、赤間氏は同じ麻生派の河野氏を支援していた。

長友氏の応援演説に立つ枝野代表=10月9日、JR橋本駅前(相模経済新聞社撮影)

長友氏の応援演説に立つ枝野代表=10月9日、JR橋本駅前(相模経済新聞社撮影)



立民の長友陣営にも党幹部らが次々と応援に入った。選挙公示前には枝野幸男党代表が橋本駅前で演説を行った。選挙期間中には、野田佳彦元首相や蓮舫党代表代行、安住淳国対委員長らが橋本駅や相模大野駅前の演説会に駆け付けた。だが長友氏は選挙区で自民の赤間氏に敗れ、比例復活も及ばなかった。

比例南関東(定員22)を巡っては、各メディアの事前調査では立民が6議席、日本維新の会が2議席の予想だった。しかし結果は立民5議席、維新が3議席を獲得。惜敗率86%で、立民の比例順位6番目の長友氏は比例復活を逃した。

長友陣営の幹部は「自民にも立民にも風は吹いていなかった。どちらにも投票したくない票の受け皿として、予想以上に維新が伸びた。次回の統一地方選でも同じような影響があるのではないか」と話した。今後、緑区選出の県議だった長友氏の後継県議候補にも注目が集まる。

神奈川13

同じく与野党一騎打ちとなった激戦の13区は、自民党幹事長の甘利明氏(72)が小選挙区で落選する波乱が起こった。自民の現職幹事長が選挙区で落選するのは初めて。立民・新人の太栄志氏(44)が約5500票の僅差で当選し、甘利氏は比例復活したが、幹事長辞任を表明した。

甘利陣営は12日間の選挙期間中に、実に3種類も掲示ポスターを張り替えた。最初は白黒の写真に「断固たる決意」のうたい文句。中盤から同じ白黒写真に「日本には甘利明がある」に変更。当初は選挙前半・後半で2種類の予定だったが、大激戦となった終盤、無党派層獲得のため急きょ、選挙期間残り3日時点で「笑顔のカラー写真」のシンプルなポスターにすべて張り替えた。しかし最後の最後で、立民の太氏に逆転された。

選挙前から接戦の情勢は報じられていた。幹事長に就任したことで世間から注目され、過去の「金銭問題」が再燃した。前回2017年の選挙前に甘利氏は閣僚を辞任、金銭問題の「みそぎ選挙」は果たしていたはずだったが、有権者はそうは見ていなかった。

甘利陣営の幹部は本紙の取材に「幹事長就任によって注目され、過去の金銭問題が掘り返されたことが大きく影響した。また与野党一騎打ちというだけでなく、『若者対高齢者という構図』に持ち込まれてしまった。浮動票や女性票が太氏に流れてしまった」と語った。

一方、太氏は4年間で駅立ちや地元周りを徹底した「ドブ板選挙」を地道に行い、前回から2倍以上の票を集めた。

13区では自民は綾瀬市で強く、浮動票の多い大和市で弱いという傾向があり、今回は顕著に表れた。人口の多い大和市で、太氏が約6800票差で甘利氏を上回ったことが勝敗を決した。

神奈川16

同じく与野党一騎打ちとなった16区は、前回選挙区で敗れ比例復活した立民の後藤祐一氏(52)が、選挙区を制して雪辱を果たした。5回目の当選。自民の義家弘介氏(50)は惜敗率83・1%で比例復活し、4回目の当選。

16区は毎回、後藤氏と義家氏が僅差で激しく争っており、どちらが勝ってもおかしくない情勢だったが、今回は後藤氏が約2万3000票差を付け頭一つ抜け出した。

自民の義家氏は「比例は公明党」を徹底アピールして、16区の公明支持層を固めた。前回の選挙区で当選した得票より約4000票増やしたが、後藤氏に及ばなかった。

前回は日本共産党の候補者が約2万9000票を集めたが、今回は野党共闘で共産党が候補者を立てなかった。与野党一騎打ちの構図となり、反自民層と無党派層にも浸透した後藤氏が前回の得票より約4万票多く得票し、自民の義家氏を引き離した。

【2021年11月10日号】

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