神奈川14区、立候補予定者2人が舌戦展開/31日投開票の衆院選


31日投開票(期日前投票は20~30日)の第49回衆議院選挙の公示(19日)を前に、神奈川14区(旧津久井郡を除く相模原市緑区・中央区・南区の一部)と16区(同市南区の一部と旧津久井郡など)で、それぞれ立候補予定者(当時)による公開討論会が動画配信サイトで配信された。「社会保障制度」「外交や安全保障」「アフターコロナ・ウイズコロナの経済」などをテーマに論戦を展開した。

中央区内で行われた公開討論会の様子=相模経済新聞撮影

中央区内で行われた公開討論会の様子=相模経済新聞撮影



14区の討論会は、17日にウイッツ西門プラザ(相模原市中央区相模原6)で開かれ、新型コロナウイルスの感染対策のため観客を入れずに行った。五十音順で赤間二郎(あかま・じろう)氏(53)=自民=、長友克洋(ながとも・よしひろ)氏(50)=立民=の立候補予定者(開催時点)が出席。相模原青年会議所(JC)が主催した。

まず、長友氏は「一部ではなく、全体に責任が持てる国政を目指す」、赤間氏は「責任をキーワードに、国に安定をもたらす政党として訴えていく」と所信を表明した。

社会保障制度について、赤間氏は「自助・共助・ほう助をいかに組み合わせるか設えることによって、社会保障制度全般に持続可能性を持たせることが一番の肝。どのような受益と負担が望ましいか、許容できるか踏まえた全世代型社会保障制度と呼ぶものを年明け以降に構築する」と主張した。

一方、長友氏は「消費税を時限的に5%への減税する施策を打ち出している。コロナ禍で厳しい家計への負担を減らすことが大事。一方で家計の負担を軽くすることが消費活動につながり、経済を回して景気回復の一助にする。厳しい経済情勢の中で刺激策にする」と訴えた。

外交と安全保障については、長友氏が「国連を中心とした国際的な協調外交を軸にして進めていく。過日成立したような安保法制は、憲法改正の手続きを経ずに閣議決定のみによって法律を制定したので間違っている。日米安保が基軸ということは変わりなく、日本にとって最大のもの」とそれぞれ話した。

続いて、赤間氏は「防衛=軍備というイメージだが、70年前とは違いサイバー空間や宇宙などに新たな脅威がある。中国の脅威や新しい病気に対する備え、部隊を整えておく必要がある。領土や国民を守るという責務に応えるため、GDP2%以上の予算を確保したい」と述べた。

アフターコロナ・ウイズコロナの経済については、赤間氏が「相模総合補給廠の一部返還地の活用はかつてのように商業施設や文化ホールの話ではない。どのように人が動くか、まちづくり、拠点整備を改めて考え直し、その先を行く拠点整備が必要」、長友氏が「相模原はほかの政令市とは性質が異なり、他の都市ではできないことができる可能性がある。リニアの車両基地が鳥屋にできるが、回送線を利用できる駅を設置できれば魅力を発信できる」とした。

相模原JCの飯塚侑理事長は「主権者意識の向上と政策本位を推進するため公開討論会を開いている。参加した立候補(予定)者の政策の理念や思い、未来の社会のあるべき姿を思い描いていただければ」と話す。手応えについて「思ったより解散が早く、討論会の準備や周知に充てる時間がなかったが、コロナ禍でネット配信のノウハウが蓄積されていた。アーカイブに残ることで有権者の選択の一助になれば」と答えた。

【2021年10月27日発行号】

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