県と8市、米軍基地返還縮小へ国に要望書


県と、在日米軍基地・施設がある相模原、大和、座間、海老名など8市で構成する県基地関係県市連絡協議会(会長=黒岩祐治知事)は11日、国の関係省庁・機関に対し基地問題に関する要望活動を行った。

県内には厚木海軍飛行場(大和市、綾瀬市)やキャンプ座間(相模原市、座間市)、相模総合補給廠(相模原市)など12カ所約1739㌶に及ぶ米軍基地が所在し、その多くが人口の密集している市街地に位置。要望書では「これらの米軍基地は住民に事故等のさまざまな不安を与えるとともに、生活環境の保全、都市整備の著しい障害となっている」と指摘している。

重点要望では「米軍基地の整理・縮小・早期返還を推進」「厚木基地における航空機騒音を解消」「日米地位協定の見直しを行うとともに、その運用について、適切な改善」など6項目を盛り込んだ。

同協議会は▽遊休化している基地▽住民福祉・都市整備のための公共施設用地として緊急に必要とする基地▽周辺住民に多大な障害を与えている基地―の整理・縮小・早期返還について米軍に働きかけるよう要望。一部返還申請中の基地、返還方針が合意されている基地について、早期に返還を実現することも求めた。

相模総合補給廠(相模原市中央区)では、北側外周部分の一部(約0・9㌶)返還について日米で合意している。JR横浜線と並行した道路整備による東西方向や、北側道路の整備による宮下~上矢部方面のアクセス向上、北側部分(約33㌶)と野積場(約35㌶)の整備などの早期推進を図るよう求めた。

相模原住宅地区(南区上鶴間)は、中低層の住宅が立ち並ぶ市街地の中に位置する立地条件を生かした土地利用を図る。特に、ウォーターフィルタープラント(浄水場)区域の公園等利用、東側外周部分の道路整備による南北方向のアクセス向上、北西側外周部分を歩行者・自転車用の道路として整備などを求めている。

キャンプ座間(相模原市南区、座間市)では、広大で、起伏に富む地形を生かした土地利用を図る。ゴルフ場外周道路の整備による周辺地域の渋滞緩和や、南北方向(第7ゲート付近―県道51号)のアクセス向上、ゴルフ場の活用による防災空間を兼ねた市民憩いの場の整備などの実現に向けた要請を盛り込んだ。

【2021年9月1日号米軍基地

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