相模川の鯉のぼり終了/担い手不足や資機材の老朽化が課題に


相模原市中央区水郷田名の春の風物詩「泳げ鯉のぼり相模川」が2019年で終了となり、32年の歴史に幕を閉じた。20(令和2)年以降は開催しないことが、8日の実行委員会で決まった。「資機材の老朽化」「河川敷の毛状の経年変化に伴い同じ場所での運営が難しくなってきたこと」「担い手不足」など課題を踏まえて、18年度から検討が重ねられてきた。

鯉のぼり本村賢太郎市長は「この行事が継続できないか検討してきたが、実行委員会の決断を尊重することとした。この行事が終了されることは寂しい思い」とのコメントを出した。

泳げ鯉のぼり相模川は、1988(昭和63)年から31回行われた。鯉のぼりが中止となったのは東日本大震災が発生した2011年のみ。相模川高田橋上流部の両岸に渡したワイヤー5本に約1200匹の鯉のぼりを取り付けていたが、19年はワイヤー4本、約1000匹に規模を縮小して開催した。

人と人のふれあいの場を提供しようと開かれ、鯉のぼりが青空を群になって泳ぐ姿を見ようと、市内外から40万人を超える観光客が来ていた。

隣の町田市では、鶴見川で鯉のぼりが約25年続いていたが、主催していた鶴見川育成会会員の高齢化や後継者不足を理由に2019年で終了した。

かつては端午の節句を祝う行事として各家庭の庭先に鯉のぼりの柱が建てられたが、少子化や住宅事情に加え、維持管理や防犯面を含む安全性への懸念で鯉のぼりを上げる家が減っている。春の風物詩が一つなくなり、有力な観光資源も減るため、「相模原の魅力の減退につながるのではないか」との懸念もある。

鯉のぼりを扱う日本人形店の店主(70代)は「売り上げは最盛期の30年程前に比べると、2割に満たない。ベランダや室内でも飾れる小型の商品を提案しているが、鯉のぼりそのものの価値が見失われているようだ」と肩を落とした。

【2020年2月20日号】

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