県央相模川サミット、台風19号踏まえ県へ要望/「情報を迅速かつ適切に」


相模原・厚木・座間・海老名の4市と愛川町、清川村の首長らが相模川流域の共通課題について話し合う「県央相模川サミット」(会長=小林常良・厚木市長)は、5日に同町役場(角田)で会合を開いた。昨年の台風19号を踏まえた水害対策に係る要望事項をまとめ、オブザーバーとして出席した浅羽義里・神奈川県副知事に提出した。

相模川流域自治体の首長が会合を開いたサミット=愛川町役場

相模川流域自治体の首長が会合を開いたサミット=愛川町役場



会長を務める小林市長は「近年多発している水害は、複数の自治体に関わる広域的な規模になっている。情報共有や避難の在り方など、さらに連携を深めて、広域的な防災・減災に向けた取り組みにつなげていきたい」とあいさつした。

要望書では、市町村長が行う避難指示などの判断に、「情報の迅速かつ確実な通知など、県の積極的かつ横断的な対応が不可欠」と指摘。ダムへの流入量の予測や放流状況などの情報を的確に提供するとともに、市町村からの情報提供依頼に適切に対応できる体制を整えるよう求めた。

また、河川水位データを的確に提供するとともに、定点観測地点の追加や夜間帯でも状況を確認できる体制、監視カメラと量水標の増設なども要望した。

加えて「城山ダムの治水能力の確保・強化」や「相模川の流下能力の増強」の措置を速やかに講じるよう要望。大雨の影響で城山ダムの緊急放流を行う可能性がある場合、あらかじめ関係自治体と協議した上で、事前放流などの調節を行って貯水容量を確保するよう要望。湖底に堆積した土砂を除去し、洪水調節機能の強化を図るよう訴えた。

各市町村からは「流域自治体への連絡が放流とほぼ同じとなり混乱が広がった」「ダムの流入量と放流量、河川の水位などの正確な情報提供は、流域市町村の現場対応だけでなく、流域住民の避難行動にも直結する」などの意見が出た。引き続き水害対策を最重要課題として取り組んでいくことを確認した。

浅羽副知事は要望書を受け取り、「各市町村から意見を聞く機会を複数回設けるので、どのような課題や反省点があり、どのような改善策があるのか伝えてほしい」と呼び掛けた。各市町村との意見を交換した後、「〝今回何ができなかったのか〟が一番大事。現場対応がどうあるべきかに主眼を置いて検証していく」と述べた。

8人が死亡し、家屋の倒壊や道路の崩落などが発生した相模原市の本村賢太郎市長は「どの情報が確かなのかなど混乱もあった。県の強いリーダーシップで検証を行ってほしい」と話した。

来年度の会合は2021年2月ごろ、清川村内を会場に開く予定。

【相模経済新聞2月10日号掲載】

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