リニア神奈川県駅が着工/11月22日、相原高跡地で安全祈願・起工式


リニア中央新幹線「神奈川県駅(仮称)」の安全祈願・起工式が11月22日、建設用地の県立相原高校跡地(相模原市緑区橋本)で行われた。東京・品川と名古屋を除く中間駅(山梨、長野、岐阜)としては唯一の地下駅で、工事の長期化が予測されるため最初に着手した。開業予定の2027年3月末の完成を見込む。

鍬入れを行う柘植JR東海会長(左)ら

鍬入れを行う柘植JR東海会長(左)ら



安全祈願式にはJR東海の柘植康英会長や金子慎社長のほか、同駅新設工事共同企業体、地元関係者らが出席。亀ケ池八幡宮(中央区上溝)が取り仕切る神事で、鍬入れなどを行い工事の安全・無事を祈願した。

金子社長は「中間駅には、リニアの効果を拡大していく拠点としての役割を期待している。橋本はJR東日本と京王電鉄が乗り入れ、交通の結節点である。もともと成長力が望まれているで、リニア開業で駅を中心とした地域が発展すると期待している」と語った。

同駅はJR横浜線の東側から旧県立相原高校跡地の地下を通り、西側の国道16号との交差部へ抜ける全長約1㌔。地下3層構造で、深さ最大約30㍍の地下3階に島式2面ホームと上下2線ずつの線路を設置する(最大幅50㍍)。

建設用地は、工事の開始に合わせて移転した県立相原高校跡地のほか、東西にある私有地も含まれる。市が用地取得を進めており、取得が完了した場所から囲いを設ける。

今後の建設計画では、既存の壁の内側に仮囲いを設置し、旧校舎を解体・撤去する。掘削中の崩落を防ぐための土留め壁を設け、壁を支える支え(アンカー)を設置してから、段階的に掘削していく。

駅の構造物は、底部から鉄筋の組み立てとコンクリートの打設を行って構築していく。構造物を発生土で埋め戻して工事が完了。完成は26年度末を想定している。

2027年に品川―名古屋間を先行開業させたい考えだが、静岡県・大井川の流量減少をめぐる問題で交渉が難航している。金子社長は「環境の問題をしっかり対処し、早く着工できるよう努めていく。工期がタイトだが、大きな期待を背負いながら、早期開業を目指したい」と話した。

【2019年12月1日号掲載】

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