鍼灸院の岡川さん、スリランカ空手姉弟を指導


IMG_2338相模原市緑区橋本の橋本駅近くで鍼灸(しんきゅう)院を経営する岡川智行さん(38)は、11月29日から12月6日まで、スリランカ国内で有望な空手姉弟を迎え入れ、大会出場のサポートや強化合宿などを行った。2020年東京五輪で「空手」が正式種目となったことを受け、市内の運動施設を利用してアスリートを受け入れる「スポーツ・インバウンド」に弾みをつけたい考え。

シスラ(17)さんとウサラ(12)君のサスラシンハ姉弟の来日は、同国代表チームコーチで父親のルワンさんから「将来、アジア大会で優勝させたい」と依頼を受けて実現した。シスラさんは同国内大会の「型」、ウサラ君は「組手」で優勝した実績を持つ。ウサラ君の来日はことし5月に続き2回目。

サスラシンハ姉弟は日程の前半、箱根町の町営プールで調整を行った後、長野県松本市で開かれた全国アルプス空手道大会=2日=に出場。30度近い気温差があったためか体調を崩し、惜しくも初戦で敗退した。その後、相模原市内に活動拠点を移し、空手道場や一橋大学ボクシング部などで練習を重ねた。

2人は「日本をよく知りたい」「また日本で練習し、大会に出たい」などとリピーターになりつつある。特に姉のシスラさんは、日本への留学意欲もあり、岡川さんが鍼灸を学んだ日本工学院八王子(八王子市片倉町)などを見学した。

岡川さんは「留学や人材受け入れなどで訪日する外国人のうち、スポーツに関心がある人をアスリートとして取り込みたい」と語る。SNS(会員制交流サイト)を活用した集客の結果、同国やネパールなどの空手代表チームの依頼を獲得。五輪出場を志す選手に、体調の管理・調整の方法などを指導するなど実績を重ねている。

岡川さんが提案する「スポーツ鍼灸」は、東洋医療の「鍼灸」に科学的な「スポーツ医学」の考え方を交えたもの。スリランカやネパールなどでは東洋医療の下地はあるもののスポーツ医学の概念が未発達で、効率的なトレーニング方法、練習や競技後のケアなどを学ぼうと熱を入れている。

【2019年12月20日号掲載スリランカ空手兄弟、相模原で強化合宿

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