ISSがチャリティーイベント、カンボジア医療に寄付/事前演奏会開き200人参加


クメールの伝統舞踊を披露する子供

クメールの伝統舞踊を披露する子供



カンボジア人技能実習生の送り出し機関・IIS日本支店(相模原市緑区橋本台)は3月19日、同市中央区富士見のけやき会館でチャリティーイベントを開いた。首都プノンペン市にある病院に支援金を贈り、医療を受けられない人を援助する。

同社によると、収益金は約4千米㌦(約44万円)となり、支援国や企業・団体などの寄付金で運営しているコンタック・ボッパ病院に贈られる。現地では医療費は全額負担で、基本的な治療を受けることもできない人が多いという。重い疾患や難病にかかり、高額となる治療費が払えない患者らを支援する。

同社社長の榊(さかき)克幸さん(34)は、カンボジア出身の母を持つ2世。ベトナム人の父との間に群馬県で生まれ、間もなく引っ越した相模原市で育った。「いまだに貧しい人が多い。人材育成とは別の形で支援したかった」と、昨年から市内でチャリティーイベントを開いている。

カンボジアではポル・ポト政権(1970年代)の影響で、医師数が人口1万人に対し2・4人(2008年)とアジアでも最低水準にある。医療施設や機材、医薬品の不足し、人材育成も深刻化しているという。

イベントは在日カンボジア人を中心に、国際研修協力機構(JITCO)や受け入れ企業の関係者など約200人以上が参加した。カンボジア労働職業訓練省のイアム・クンディー副大臣や元在カンボジア特命全権大使の高橋文明氏らも来賓として招待され、それぞれの言葉で両国の友好関係を喜んだ。

イベントでは、クメール(カンボジアの旧国名)の血を受け継ぐ子供5人が伝統舞踊を披露。現地で人気の歌手や俳優らも来日し、歌声とトークで会場を盛り上げていた。

榊さんは「多くの人に集まってもらえて感激。日本とカンボジアの友好の架け橋として、今後も活動していきたい」と話した。
(2017年4月1日号掲載)

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